石川県警の元警察官の男性が、上司から暴言や暴行などのパワーハラスメントを受けたとして、30日、損害賠償を求める民事裁判を金沢地裁に起こしました。
訴えを起こしたのは、去年6月まで石川県警に勤務していた20代の男性です。男性は、大聖寺警察署に勤務していた2018年、上司から複数回にわたって「死ねや」「殺していいけ」などと言われたほか、事件現場などで殴る蹴るなどの暴行を受けたとしています。
その後、パワーハラスメントが原因で不安障害や睡眠障害を患い、県警察本部に報告したものの、自己都合を理由に異動させられたと訴えています。男性は、上司のパワーハラスメントで不安障害を発症し、仕事も辞めざるをえなくなったとして、精神的苦痛や経済的損失に対する慰謝料として300万円を求めています。
提訴した男性「人として尊敬できない人のもとで教えを請い続けるということが、こんなにも苦痛なものなのかと。ほかの上司が見ている中で誰も声をかけてこない、誰も止めに入らない。もうこれは組織がそういった被害を黙認して我慢して耐え抜けという状況」

石川県警察本部警務課の谷本憲正次席は、「訴状が提出された事実も把握していないので、現時点でのコメントは控える」としています。