12日、奈良地方裁判所に不審な段ボール箱が届き、安倍元首相を殺害したとして起訴されている山上徹也被告(42)の公判前整理手続きが、急きょ中止される騒動となりました。中に入っていたのは“危険物”ではなく、山上被告の刑の減軽を求める署名でした。 ◇12日午後、騒然としていた奈良地方裁判所。敷地内を走る人の姿や、屋根のある場所では、裁判所の職員とみられる人たちが身を寄せる様子がありました。

この日の午前11時15分ごろ、地裁に配達された段ボール箱に金属探知機が反応したため通報。職員らが一時退避していたのです。金属反応があった段ボール箱は粘着テープで梱包されていました。そこに書かれていたのは、安倍晋三・元首相を殺害したなどの罪に問われている山上徹也被告の名前でした。山上被告はこの日、裁判を前に争点を明確にする「公判前整理手続き」に出席するため、奈良地裁に姿を見せる予定でした。地裁では終日、入庁時に所持品検査を行うなど警戒を強めていました。見つかった段ボール箱には、山上被告の名前のほか、差出人の欄には東京都内の住所と男性の名前が記載されていたということです。 ◇不審物の発見から約3時間後の午後2時20分すぎ、段ボールは奈良県警の爆発物処理班が回収。人気のないグラウンドの中央に移すと、防護服をまとった2人が作業にあたりました。1人は盾で身を隠しながらコードを伸ばし、作業する様子も見られました。その後、2人はいったん、その場を離れました。白いポリタンクのようなもので囲まれた段ボールのようなものが残されていました。再び、箱に近づいた警察官は防護服を着ていませんでした。調べた結果、中身は箱いっぱいのA4の書類だったことが判明。危険物ではありませんでした。 ◇今回の騒動について、元検事の弁護士はどう見たのか。――山上被告の名前もあったが、届いた時点で裁判所側はおかしい(不審物)と思う?元大阪地検検事・亀井正貴弁護士「おかしいと感じると思います。弁護人が必要なものは弁護人が持っていきますし、検察官が必要なものは検察官が持っていきますから。それ以外から裁判所に送るというのはまずないと」書類にクリップやホチキスなどはなく、何に金属探知機が反応したかは分かっていないということです。そして12日夜、捜査関係者によると、その書類は東京の人が送った山上被告の減刑を求める嘆願書であることが新たに分かりました。「公判前整理手続き」はこの騒動で、延期となりました。(6月12日放送『news zero』より)
12日、奈良地方裁判所に不審な段ボール箱が届き、安倍元首相を殺害したとして起訴されている山上徹也被告(42)の公判前整理手続きが、急きょ中止される騒動となりました。中に入っていたのは“危険物”ではなく、山上被告の刑の減軽を求める署名でした。

12日午後、騒然としていた奈良地方裁判所。敷地内を走る人の姿や、屋根のある場所では、裁判所の職員とみられる人たちが身を寄せる様子がありました。
この日の午前11時15分ごろ、地裁に配達された段ボール箱に金属探知機が反応したため通報。職員らが一時退避していたのです。
金属反応があった段ボール箱は粘着テープで梱包されていました。そこに書かれていたのは、安倍晋三・元首相を殺害したなどの罪に問われている山上徹也被告の名前でした。
山上被告はこの日、裁判を前に争点を明確にする「公判前整理手続き」に出席するため、奈良地裁に姿を見せる予定でした。
地裁では終日、入庁時に所持品検査を行うなど警戒を強めていました。見つかった段ボール箱には、山上被告の名前のほか、差出人の欄には東京都内の住所と男性の名前が記載されていたということです。

不審物の発見から約3時間後の午後2時20分すぎ、段ボールは奈良県警の爆発物処理班が回収。人気のないグラウンドの中央に移すと、防護服をまとった2人が作業にあたりました。1人は盾で身を隠しながらコードを伸ばし、作業する様子も見られました。
その後、2人はいったん、その場を離れました。白いポリタンクのようなもので囲まれた段ボールのようなものが残されていました。再び、箱に近づいた警察官は防護服を着ていませんでした。調べた結果、中身は箱いっぱいのA4の書類だったことが判明。危険物ではありませんでした。

今回の騒動について、元検事の弁護士はどう見たのか。
――山上被告の名前もあったが、届いた時点で裁判所側はおかしい(不審物)と思う?
元大阪地検検事・亀井正貴弁護士「おかしいと感じると思います。弁護人が必要なものは弁護人が持っていきますし、検察官が必要なものは検察官が持っていきますから。それ以外から裁判所に送るというのはまずないと」
書類にクリップやホチキスなどはなく、何に金属探知機が反応したかは分かっていないということです。
そして12日夜、捜査関係者によると、その書類は東京の人が送った山上被告の減刑を求める嘆願書であることが新たに分かりました。「公判前整理手続き」はこの騒動で、延期となりました。