バーベキューで生徒焼死 “雲隠れ”学校理事長が初会見も…謝罪途中で「ちょっと会議が」 報告書「原因は理事長本人に」

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2023年5月に福岡・柳川市のハリウッドワールド美容専門学校でバーベキュー中に起きた生徒4人死傷事故で、4日、事故調査委員会による報告書がまとまり、古賀英次理事長(65)が会見を開いた。1年以上、公の場で説明する機会を設けなかったことについては「タイミングが遅かったという認識はない」とした理事長は、遺族に対しての謝罪の言葉を述べたが、会見途中で「ちょっと会議があるので」と話し、記者から糾弾される場面もあった。
「心からお詫びを申し上げます。誠に申し訳ありませんでした」
午後3時前に開かれた記者会見は、古賀理事長の謝罪の言葉から始まった。
バーベキュー事故で生徒が死亡した事故の原因が、理事長本人にあると、第三者委員会に断罪された後に始まった会見だった。
ところが、古賀理事長は会見途中で「この後ちょっと会議があるので…」と話し出し、記者から「これより大事な会議があると言うことですか」と問われても、「予定をしておりましたので…」と返した。そして謝罪会見は、意外な展開を見せたのだったーー。
事故は2023年5月、学校の敷地内で開かれたバーベキュー大会で起きた。
コンロの火を強めようと、男性職員が消毒用アルコールを投入したことにより、生徒4人に火が燃え移り、18歳の男子生徒が死亡した。
火気厳禁のはずのアルコールが、なぜ現場にあったのか。
実は、アルコールを最初に使ったのは古賀理事長で、熱中症や食中毒予防、また、肉が早く焼けるように、消毒用アルコールを使ったと説明している。
事故後、古賀理事長は公の場に姿を見せず“雲隠れ”をして、そして4日、ようやく報道陣の姿を見せた。
理事長による会見が開かれる前、4日午後1時過ぎ、第三者委員会による事故の調査報告書を受け取ると古賀理事長は唇をきつく結び、険しい表情を見せた。
第三者委員会が、事故の原因と結論づけたのが、古賀理事長の“強権的な経営”だ。
事故調査委員会:長期にわたり古賀理事長による強権的経営が続く中、教職員の中には「理事長には何も言えない」「何を言っても無駄」といった、職場意識が醸成され、古賀理事長の順法意識や、危機管理意識の麻痺・欠如が相まって引き起こされた重大事故と言えます。
さらに報告書では、アルコールを投入した男性職員が普段から、古賀理事長に厳しく叱られ、「退職届を書かんね」などと言われていたことも明らかにされた。
事故調査委員会:日頃からそういう人間関係だったというのが、この事故の一つの要因になったのではないかと考えている。
“パワハラ”のようにも見える強い上下関係が、危険な行動に走らせたという指摘だ。
その古賀理事長が午後3時前に再び姿を見せて、事故後、初めてとなる会見を開いた。
古賀理事長:ご遺族の皆さま方に、心から深くお詫び申し上げます。
用意した紙を読み上げ、10回以上、頭を下げて謝罪した古賀理事長に記者からは、厳しい質問が相次いだ。
ーー1年以上、公の場で説明する機会を設けなかったことを、責任者としてどう思うか。生徒への心のケア、ご遺族への対応とか、そういうものにあたっておりまして…。ーータイミングが遅かったという認識はない?はい、ございません。
理事長は当初、会見を35分で終える予定だったが、質問は途切れず記者会見は続行。男性職員に「退職届を書かんね」と発言したか問われるとこう答えた。
古賀理事長:あります。あります。「君は少し気が緩んでいるんじゃないね?」という話から指導した。ーーハラスメントになるという認識は?真摯に受け止めている。行ってはいけないことだと認識しています。
一方で第三者委員会が指摘した、理事長の振る舞いと事故の関係については否定した。
ーー職員を追い詰めたことが(事故に)影響したと今は感じるか?感じないか?それは感じておりません。
50分ほどで終了した会見で古賀理事長は、4日をもって理事長の職を辞することを表明した。(「イット!」 7月4日放送より)

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