粉飾の「経営再建」! 内部資料が暴く「レオパレス」入居率改竄の手口 家賃滞納者も放置

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全賃貸物件に対する入居状態の部屋の割合を示す「入居率」は、売上はもちろん株価にも直結する肝心要の指標である。「レオパレス21」では、「施工不良問題」の発覚以降、意図的な入居率の嵩(かさ)増しが行われた疑いが持ち上がっていた。それを指摘したのは、社外取締役や監査役などに送り付けられた「至誠要望書」なる内部告発文書だった。
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文書作成に携わったレオパレスの幹部社員が、前回(「週刊新潮」2022年10月20日号「MONEY」欄)からの告発を続ける。
「嵩増しの手口はまず、普通なら審査で不合格の人物でも入居させる。次に、家賃滞納者になっても居座りを容認することです」
審査不合格の対象者でもお構いなしに賃貸借契約を結んだ結果、入居率は格段に向上。20年12月には77.07%に落ち込んだものの、昨年3月以降、損益分岐点の目安とされる80%台に乗せている。
「当然、それと引き換えに家賃滞納者が急増しました。しかし、経営陣からは当初、強制退去の手続きに踏み切るのは入居率100%のアパートのみという指示が出されていた。人気のある物件であれば、追い出しても入居希望者がすぐに見つかり、入居率に影響を及ぼさないからです」
3カ月以上の家賃滞納者には立ち退きを求めるはずなのに、2年近く放置されたままだったという。
至誠要望書とは別に、入居率の数値そのものが改竄されたと告発する人物も現れた。レオパレスの元役員、篠崎敬一郎氏である。
「レオパレスでは、月末締めの入居率の月次データを翌月の5日前後に公表しています。その入居率には、過大に見せかけるための操作が加えられている。当該月の月末近くにアパートを解約した入居者も、本来、その月の退室分に含めなければなりません。ところが、解約処理をわざと翌月にずれ込ませ、契約状態の部屋としてカウントすることで入居率の上乗せを図っているのです」
篠崎氏はそれを裏付ける内部資料をもとに、今年5月、レオパレスの監査法人に「外部通報」を行った。
「しかし、未だ、実態を反映していないのは確か。欺瞞のうえに築かれた経営再建でしかないのです」
「週刊新潮」2022年10月27日号「MONEY」欄の有料版では、至誠要望書の作成に携わった幹部社員の証言と篠崎氏が入手した内部資料によって、レオパレスの「数字工作」を詳報する。なお、レオパレスは、入居率について「意図的な不正操作をしたことは確認されておりません」と主張している。
「週刊新潮」2022年10月27日号 掲載

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