「廃棄忍びなく…」売れずに眠っていた20年前のぬいぐるみを採算度外視で販売→注文殺到 まさかの反響に「うれしい」

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ビニール袋に無造作に入れられた大量のぬいぐるみ。「廃棄されるのも忍びなく嫁ぎ先を探そうと思います」と呼びかけた投稿がSNS上で話題になっています。
【写真】長い間保管されていたぬいぐるみたち
黒や茶色のクマや、カラフルなウサギなど、種類は様々です。どれも売れずに倉庫に取り残されていたそうです。毛にクセがついたり、少し疲れて見えるぬいぐるみにの可愛さに、胸を打たれる人が続出。製造元である「ぬいぐるみの童心」さんに話を聞きました。
――大量在庫が発覚したのは?
童心:営業で長年取引関係にある問屋へ出向いた際に、20年前に納品した商品の一部がほぼ手付かずで放置されていることを知りました。今、業界では、「ちいかわ」などキャラクター版権ぬいぐるみの販売が主流で、版権商品を持たない弊社が扱っているノンキャラクター商品は在庫がほぼ動かなかったそうで、一旦在庫リストを出してもらいました。そしたら20年前に廃盤したような商品が1000個以上出てきたんです。きちんと説明すれば「本当に欲しい」と思っていただける方にマッチングして売り切る自信がありました。
――ぬいぐるみの状態は?
童心:一度も出荷されてないので、壊れや汚れはほぼありませんでした。しかし、やはり“寝癖“はありましたので、軽く整えてから送り出しております。
――問屋から戻ってきたぬいぐるみと対面した時は。
童心:懐かしい気持ちになると同時に、昔はこんなにいい商品がたくさんあったのか…と現状に恥ずかしい気持ちになりました。
――お客さまからはどんな反応が?
童心:ありがたいことに、数日で400件を超すご注文をいただきました。先述の通り利益を出す作業ではないのですが、それ以上にうれしい気持ちになりました。
――おかえり品以外の商品に行っている、お顔選びサービスとは?
童心:ランダムに数体ピックアップした子の、正面と斜めから、表情やマズルの膨らみ等のお写真をお送りして、お気に入りの子を選んでいただきます。特に日本製商品は柔らかい生地で作られていますので、一体として同じ子はおりません。毛が目にかかっていれば泣いている様に見え、見開いていれば活発な印象に見えるなど。世界に1人の子をお迎えしていただきたい、という気持ちで無償で行っています。
でも、やはり最後は他社の商品もバッチリそろうお店で買っていただきたくて、他社の商品や売り場でも素晴らしい物があればリポストすることもあります。業界全体がまた昔のようにノンキャラもやってみるか!となるように祈っています。
◇ ◇
長年倉庫に眠っていたぬいぐるみの画像がポストされると、「お迎えしたい!」「欲しい!」などの声が寄せられ、次々とお迎え先が決まっているそうです。生地の裁断から最終仕上げまでを全て国内で完結させた高品質のぬいぐるみ。みなさんも世界にひとつの宝物を探してみてはいかがでしょうか。
(まいどなニュース特約・ゆきほ)

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