出産後、増えた物忘れやうっかりミス それ「マミーブレーン」かも

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

出産後、仕事復帰した職場でうっかりミスや物忘れが続き、妊娠前の働きぶりとのギャップに悩む女性は少なくない。その原因は「マミーブレーン」の影響かもしれない。
【図解】日本は子育てしやすい環境ですか? 結果は…
<仕事復帰したけれど、自分のポンコツ具合に笑えない>
<頭がぼんやりしてミスばっかりで嫌になる>
X(ツイッター)には、産休や育休を経て新年度から復職した女性が、自身の仕事ぶりを憂える内容が数多く投稿されている。
こういった状態は「マミーブレーン」との指摘がある。医学用語ではないが、妊娠や出産でホルモンバランスが大きく変化した影響で一時的に脳が萎縮することが原因と考えられている。
出産後は赤ちゃんへの授乳や夜泣きの対応など、生活リズムが急激に変化する。疲労やストレスが蓄積し、慢性的な睡眠不足による作用もあるとされる。
医療法人尚生会「やまだ産婦人科」(愛知県江南市)の山田勢院長(49)によると、主な現象は、物忘れのほか、同時に複数の事ができない▽言葉がうまく出てこず、スムーズに会話ができない――がある。妊娠前は普通にできていたことが産後にできなくなり、不安やストレスを感じる女性は多い。
出始めは産後直後や数カ月後など個人差がある。ただ、赤ちゃんとの生活に慣れてくることもあり、産後2年ごろまでには落ち着くという。
国立社会保障・人口問題研究所の「出生動向基本調査」(2021年)では、7割の女性が第1子出産後も仕事を続けていた。
また、厚生労働省によると、女性の育休取得期間は「12カ月~18カ月未満」が34%で最も多く、「10カ月~12カ月未満」の30%、「18カ月~24カ月未満」の11・1%の順だった。
山田院長は「そもそも、出産は体への負担がとても大きい」と前置きしたうえで、「マミーブレーンはどんな女性にでも起こりうることです」と話す。そして、「つわりと一緒で、やがて落ち着いて元に戻る。小まめな休息を取り、無理のない生活を送ってほしい」と呼び掛けている。【近藤綾加】

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。