元水俣市長の吉井正澄さん死去 92歳 水俣病「政治決着」に尽力

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熊本県水俣市の元市長で、水俣病をめぐり歴代市長として初めて犠牲者に謝罪した吉井正澄(よしい・まさずみ)さんが31日亡くなった。92歳。通夜は6月1日午後7時、葬儀は2日午後1時、同市古城1の676の総合仏事会館みなまた。自宅は同市古里1245。喪主は妻征子(せいこ)さん。
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市議会議長などを経て1994年から市長を2期務めた。同年5月の水俣病犠牲者慰霊式で「犠牲になられた方々に、十分な対策を取りえなかったことを申し訳なく思う」と謝罪。被害者への差別などを背景に地域で失われた住民の絆を回復する「もやい直し」を訴え、水俣病を教訓に環境重視のまちづくりを進めた。患者団体と政府の間に立ち、当時訴訟中の原告との和解や未認定患者の救済を図った95年の「政治決着」にも尽力した。
2002年の退任後は全国各地で水俣病や環境問題をテーマに講演。05年に発足した小池百合子環境相(当時)の私的懇談会「水俣病問題に係る懇談会」のメンバーも務めた。

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