長崎でティラノサウルス科の歯の化石発見 白亜紀後期 国内4点目

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福井県立恐竜博物館(勝山市)と長崎市は21日、長崎半島西海岸にある白亜紀後期の地層「三ツ瀬層」(約8000万年前)から、ティラノサウルス科の大型肉食恐竜の歯の化石1点が見つかったと発表した。歯の大きさから体長は10メートル前後の大型種とみられるという。国内でのティラノサウルス科の化石発見は4点目になる。
恐竜王国・福井 女性研究者の人材発掘に力 化石は、博物館と市の共同調査で2019年4月に発見された。大きさは、先端から歯の根部までが長さ8・5センチで、根元の幅3・3センチ、厚さ1・8センチ。CTスキャンなどで調査した結果、これまで見つかった化石よりもやや薄くて小さいが、膨らみのある歯の断面や大きさ、地層の年代から同科だと判断した。残されたノコギリのような突起「鋸歯(きょし)」の方向や歯の先端の摩耗状態から、下あごの右側に生えていた歯だと推定されるという。

博物館によると、ティラノサウルス科の化石は過去に、今回と同じ三ツ瀬層で2点、熊本県天草市で1点のいずれも歯が発見されている。三ツ瀬層では草食恐竜ハドロサウルスの仲間の化石なども発見されており、ティラノサウルス科の恐竜はこうした恐竜を食べていた可能性もあるという。 今回の化石は、発掘された地層の年代が判明していることから、アジアで発見されたティラノサウルス科の化石の中でも貴重な資料になるという。博物館の宮田和周(かずのり)総括研究員は「当時、長崎周辺で大型のティラノサウルス科が生息していたことは間違いない。現在見つかっているのは歯の化石のみだが、今後の調査でより大きく魅力的な化石が出てくると思う」と話した。発掘された歯の化石は、29日から長崎市恐竜博物館で展示される。【岩間理紀】
化石は、博物館と市の共同調査で2019年4月に発見された。大きさは、先端から歯の根部までが長さ8・5センチで、根元の幅3・3センチ、厚さ1・8センチ。CTスキャンなどで調査した結果、これまで見つかった化石よりもやや薄くて小さいが、膨らみのある歯の断面や大きさ、地層の年代から同科だと判断した。残されたノコギリのような突起「鋸歯(きょし)」の方向や歯の先端の摩耗状態から、下あごの右側に生えていた歯だと推定されるという。
博物館によると、ティラノサウルス科の化石は過去に、今回と同じ三ツ瀬層で2点、熊本県天草市で1点のいずれも歯が発見されている。三ツ瀬層では草食恐竜ハドロサウルスの仲間の化石なども発見されており、ティラノサウルス科の恐竜はこうした恐竜を食べていた可能性もあるという。
今回の化石は、発掘された地層の年代が判明していることから、アジアで発見されたティラノサウルス科の化石の中でも貴重な資料になるという。博物館の宮田和周(かずのり)総括研究員は「当時、長崎周辺で大型のティラノサウルス科が生息していたことは間違いない。現在見つかっているのは歯の化石のみだが、今後の調査でより大きく魅力的な化石が出てくると思う」と話した。発掘された歯の化石は、29日から長崎市恐竜博物館で展示される。【岩間理紀】

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