今年1月に市営バスからドライブレコーダーを盗んだとして、運転手だった男性が窃盗の疑いで逮捕される事件があった。当初は「(職場への)嫌がらせ目的だった」と供述していたが、その後の捜査で、直前にこのバスが物損事故を起こした疑いが浮上し、大阪府警は4月30日、当て逃げの疑いで男性を追送検した。事件の背景には、別のミスがあった可能性もある。
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捜査関係者によると、大阪府高槻市の会計年度任用(非正規)職員だった男性(50)=懲戒免職=は市交通部に在籍していた1月19日夜から20日早朝にかけて、営業所に止めていた市営バスからドラレコ1台(時価約8万円相当)を盗んだ疑いがある。盗難の直前に男性がこのバスを運転しており、府警は2月に窃盗容疑で逮捕した。
男性は当初、容疑を認めた上で、動機は職場への嫌がらせだと説明していた。しかし、府警が勤務状況を調べたところ、1月19日夜に高槻市内で男性が運転していたバスが、民家のブロック塀に接触する物損事故を起こしていたことが判明。男性が警察に事故を届け出ず、運転を続けたとして、府警は4月30日付で道路交通法違反(事故不申告)の疑いで追送検した。バスは営業中で乗客がいたが、けが人はいなかった。
物損事故について男性は「覚えていない」と否認しているという。しかし、府警の捜査で、このバスが正しい運行ルートを外れていたことも分かった。府警は男性が急いでいたために事故を申告せず、さらに発覚を免れようとドラレコを盗んだとみて、詳しい経緯を調べている。【林みづき、斉藤朋恵】