東京・池袋のサンシャイン６０ビルにある５８階のレストランで１６日夜に起こった大規模乱闘事件の内情が明らかになってきた。準暴力団「チャイニーズドラゴン」メンバーの関与が取りざたされている中、元刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は２つのグループが衝突した可能性を指摘。約８０人の宴会の場に十数人が乱入したことで大乱闘劇に発展した可能性が出てきた。
都内有数の高層ビルの５８階にあるレストランが、突然修羅場と化した。
１６日夜、約８０人の団体がレストランを貸し切りパーティーを開催。開始３０分後に乱闘が始まり、店員から「客同士がケンカしている」との１１０番通報を受けて警察が駆けつけると、店内はテーブルがひっくり返り、皿やグラス、ビール瓶などが割れて散乱した状態で、数人を残して大半が立ち去った後だったという。店のドアは破壊されたが、店員にケガはなかった。
事件には準暴力団、いわゆる半グレ瓩痢屮船礇ぅ法璽坤疋薀乾鵝廚関与しており、当時は仲間の出所祝いを行っていたと報じられているが、そもそも祝いの場で同じグループ同士、仲間割れするものなのか疑問が残る。
現場を取材した小川氏は「どうやらパーティーをしていたのはチャイニーズドラゴンとは別の不良グループ。その後、チャイニーズドラゴンのメンバーとみられる約１０人がパーティー会場へ乗り込んだようだ」と指摘する。
つまり、ひとつのグループ内で乱闘が起こったわけではなく、別グループが何らかの因縁で、会場を襲撃し、大乱闘劇に発展した可能性があるという。
実際、近くの防犯カメラにはチャイニーズドラゴンのメンバーとみられる大勢の人が写っているといい、ツイッターでも事件直前に現場周辺で多くの猗哨哀讚疚楫眈霾鵑上がっていた。
今回の事件関与を指摘されるチャイニーズドラゴンは、もともとは中国残留孤児の２世らを中心に１９８０年代後半から９０年代にかけて都内で暴れまわっていた暴走族グループ「怒羅権（ドラゴン）」が起源だ。
その後、日本人も加わって組織が拡大・凶悪化した。覚醒剤密輸、拳銃所持、詐欺、暴力団組員襲撃などのほか、青龍刀を突き付けて暴行するといった事件も起こしており、まさにやりたい放題。暴力団もうかつに手が出せない存在となっている。
また警察にとっても、準暴力団のチャイニーズドラゴンには暴力団対策法や暴力団排除条例が適用外で、取り締まるうえでも厄介な存在だ。
物騒な事件があったにもかかわらず、レストランは翌１７日も営業していたが、破壊された内装を修理するためか業者が出入りする姿もあった。
病院に搬送された１人も姿をくらましてしまったといい、大乱闘で店内をめちゃくちゃにした約１００人近い猝桔ー圻瓩燭舛捕まる可能性はあるのか？
「現場となった５８階にはエレベーターが８基あり、そのうちの２基を鑑識が入念に調べていた。おそらくエレベーター内部には血痕などの痕跡が残されている可能性が高く、前科前歴があればＤＮＡ鑑定でパーティー会場にいた人物を特定できる。また、周辺の防犯カメラ映像も分析すれば、ある程度は人物を絞ることができる」（小川氏）
一般人に危害がなかったとはいえ、レストランという公共の場で大乱闘をされてはたまらない。一刻も早い事件の全容解明が望まれる。