「半額ティッシュ」に遠方から客殺到 “値上げの春”に年金受給者からも悲鳴 年金2.7%引き上げも“すずめの涙”

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

新年度も“値上げラッシュ”が続いている。半額の“激安ティッシュ”を売るスーパーには、遠方から買いに求める人が殺到していた。また2024年度は年金支給額が引き上げられるが、物価の上昇に追いつかないという。
新年度初日を迎えた東京・立川市内のスーパー「222」立川店。
山積みのティッシュ売り場の前で足を止める人たち。値札には「レジにて半額」と書かれていた。
神奈川・川崎市川崎区の「222」川崎港町店でも、半額の“激安ティッシュ”を手に取る人の姿があった。
── 何を買った?買い物客(40代):ティッシュ、ボックスティッシュ。買い出しの日に一気に。交通費も入れて、車でですけど、一気に買うようにしています。
ティッシュを扱っていたのは、“ワケあり品”を仕入れ、全品を流通価格の半額以下で販売する激安アウトレットスーパー。自宅から離れた場所にあっても、車でわざわざ訪れる人が絶えないという。
背景にあるのは、“値上げの春”。
買い物客(30代):やっぱトイレットペーパーとかも含めての消耗品・日用品。あと食品・油とかですかね。どうしても使うものが値上がっているので大変ですね。
紙製品は、まさに“値上げラッシュ”。
大王製紙や王子ネピア、日本製紙クレシアは、ティッシュやトイレットペーパーなどの価格を10%前後値上げする。
そのため、全品半額を続けるこの店には少しでも節約しようとする人たちが殺到していた。
買い物客(40代):なんかちょうど値上げしてて、いつもやっぱり(ティッシュは)300円は超えてると思います。安いから、なんかついつい買ってしまいますね。
半年ぶりとなる“値上げラッシュ”は、食品にも及んでいる。
帝国データバンクによると、4月に値上げされる食品は2806品目。朝食やお弁当に欠かせないハムやベーコンは、日本ハムや伊藤ハムなどが値上げする。
食品にはお菓子も含まれ、森永製菓はチョコボールやハイチュウなどの価格を最大18%引き上げる。
こうした中、2024年度の年金支給額は、2023年度に比べ 2.7%引き上げられることになった。
引き上げは2年連続で、伸び率はバブル期だった1992年以来最も高くなった。
しかし年金生活者からは、悲鳴が上がっている。
年金受給者(70代):うちも大変ですよ。年金が低いから。
── (年金)約2%アップでどのくらい変わる?月平均6万円を受給する年金受給者(80代):1000いくら(円)ぐらいですね。年金アップよりも、日用品・生活用品の値があまり上がらないような(方がいい)。
年金受給者(80代):“すずめの涙”じゃないけど。足りっこないでしょ、そのぐらいじゃ。(物価の)上がり幅の方が全然(大きい)。
厳しい状況は今後も続くのか。
第一生命経済研究所 首席エコノミスト・永濱利廣氏は、年金支給額の今後について、「物価賃金が上がっている状況のもとでは、年金の伸びは物価賃金の上昇に追いつくことはなく、実質的な年金の受取額というのはどんどん減っていくということになる」と解説する。(「イット!」4月1日放送より)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。