「エコー写真をメルカリで購入」「AIのエロい美女」狆霾鷦綣圻瓩鮑饉茲垢SNS詐欺ビジネスの裏側

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真偽不明の情報が混沌(こんとん)とし、受け取る側のメディアリテラシーが問われる昨今。SNSには狆霄紂情報弱者の略。情報を取り入れ活用できない人を指す)瓩鮑饉茲垢襯咼献優垢、絶え間なく生み出され続けている。
インターネットを利用した詐欺はいまに始まったわけではないが、かつてより加速した理由は、インターネットやSNSがぐっと身近な存在になり「カモの母数が広がった」ことと、「インターネットで手軽に送金ができるようになった」ことが挙げられるだろう。
その証拠に、警視庁が’24年3月に発表した、SNSを主として投資目的で金銭などをだまし取る「SNS型投資詐欺」と恋愛感情を抱かせて金銭をだまし取る「ロマンス詐欺」の昨年の被害状況は右肩上がりとなっており、被害額は455億2千万円にも上るのだから驚きだ。
なお、この金額はかつて大部分を占めていた「オレオレ詐欺」を含む、特殊詐欺の被害額441億2千万円を上回っている。
今回は数あるSNS詐欺の中でも、新たにはやりつつある詐欺を3つピックアップして紹介する。
「エコー写真ってメルカリで売れるんだよ」――かつてセフレの子どもを妊娠したと話していた彼女はそう言いながら、妊娠4週目の小さな命が宿ったエコー写真(超音波)を撮影し、メルカリに出品してみせた。当時の私にはなぜエコー写真が売れるのかが分からなかったが、その理由は後に明らかになる。
SNSには自身の裸やハメ撮り写真を載せて男性からの支持を集める、通称・裏垢女子と呼ばれる人たちがいるのだが、エコー写真はその裏垢女に利用されていたのだ。
もちろん、昔からの手口で交際中の男性に結婚を迫るための既成事実としてエコー写真を購入する場合もある。しかし、いまは「結婚を迫るため」なんて、少し同情の余地のあるようなけなげなものではない。
SNSで不特定多数の男性と関係を持っていることを匂わせる裏垢女子が《妊娠してしまいました》《どうしたらいいのか分からない…》と、陽性反応が出ている偽の妊娠検査薬とエコー写真をSNSに投稿すれば、瞬く間に男性フォロワーから《大丈夫?》《話、聞きます》《つらかったらDMしてください》というリプライが、あれよあれよという間に来る。彼女らはそれを利用するのだ。
行為を持った男性にはそれで慰謝料や堕胎費用を請求できるし、関係を持っていない男性であれば言葉巧みに《誰にも相談できないから、話を聞いてもらえて良かった」《ちょっとだけお金を助けてほしい》などと言葉巧みに支援を募る。
妊娠していようがしていまいが、あっという間に数万から数十万のお金が集まる。バレたらどうするか? SNSでのみの素性も知らない関係である。現実で追いかけるのは不可能なので、逃げればいいだけなのだ。
ちなみに、X(旧Twitter)やその他のSNSで、特定の女性ユーザーの投稿に対して頻繁にリプライをする男性ユーザーたちを指す言葉で<おちんぽ騎士団>というネットスラングがあるらしい。冷静な判断ができなくなった彼らは、そういった女性たちの格好の餌食であり、大事な収入源なのである。
裏垢女子が実在する人間なのであればまだいい。近年は流行りのAI(人工知能)を使ったセクシー画像でフォロワーを集め、月額制のサイトへ勧誘してお金を稼ぐアカウントも増えている。
そういったアカウントでは、まずAIで作った女性の胸の谷あいを大きく見せた写真やパンツが見えそうな写真など、いわゆる「おかず」になりそうな写真を投稿する。そしてある程度投稿数が担保され、フォロワーが増えてきたところで《実は、もっと過激な写真を公開するためにサブスクサイトを開設しました》などと言い、月額制サイトへ誘引するのだ。
そこには、モザイク越しで一糸まとわぬ姿の女性の写真や動画が掲載されており、プランによっては数千円からの登録料を払えば、モザイクなしのもはやアダルトビデオ並みの動画が並ぶ。
もちろんこれらはAIで生成された写真なので、陰部に寄った複雑な画角は難しい。そんなときは、顔をカットした首から下の動画を時折混ぜて投稿する。ウソだらけではなく、ほんの少しの真実を混ぜるのは人をだます際の基本である。
正直「AIなんて分かるでしょ?」と思われそうなものだが、AIのクオリティは日々上がっているし、何より性に魅了された知能は極端に下がるのか、コメント欄やリプライには《エロすぎてヤバイ》や膣内射精を希望するような言葉など、なんの疑いもない声が集まっている。
以前からこういったなりすましのエロコンテンツは存在した。SNS上に落ちているどこかの高校生の写真や社会人の写真と、全く違う赤の他人の首から下の全裸の動画や写真を組み合わせて、さもその人が投稿したかのようなコンテンツを作るのだ。しかし、これではもしも本人に気づかれれば消さざるを得ないし、訴えられたらたまったものじゃない。だがAIは違う。写真に載っている人物は実在しないので、誰からも訴えられる危険性がない。AIを使ったエロコンテンツは、リスクヘッジにも最適なのだ。
上記2つは男性の性欲を大いに利用したSNS上での新手の詐欺だが、もちろん女性をターゲットにしたものもある。悪質なスカウトによるホス狂(ホスト狂いの女性)や風俗嬢を狙った、風俗あっせんだ。
手口はこうだ。風俗を辞めた元風俗嬢からスカウトがSNSのアカウントを買い取り、なりすまして運用する。自身がこれまで風俗店に紹介した風俗嬢に、稼いだ札束の写真やホストクラブで撮った写真を提供してもらい《今日もいっぱい稼いだ》《タワー(シャンパンタワー)した》などと、お金を稼ぎ、自由に遊んでいるようなふりをして投稿する。キラキラのネイルが写っていれば尚良い。フォロワーになりすましとバレないようにするためだ。
そういった投稿を繰り返し、信頼を集めたころに《よく質問されるので…。これが私の担当スカウトです》と、別に用意しているスカウト本人のアカウント、もしくはLINEに誘導する。あとは、問い合わせてきた女性をソープ、デリヘル、メンズエステなどなんでもいいので風俗店に紹介すればいい。1人の女性を風俗に斡旋すれば、その女性がそのお店を辞めるまで一生マージンが入り続ける世界だ。これほどまでに簡単で美味しい商売はない。
他にも、フォロワーの多いアカウントを購入した後に、パパ活アカウントを装って《パパ活で稼げないときはキャバ行ってるよ~》《この人に紹介してもらった》と先ほどと同様に、スカウトのアカウントに飛ばしたり《神p見つけたのはこのサイト!》とパパ活サイトの紹介をする。パパ活サイトはサイトによって異なるが、1人紹介するごとに数百円~数千円のポイントが入る。もちろんこれは現金化が可能なので、これだけでも稼ぐことができる。
ネットで有名なパパ活アカウントが紹介している某サイトは、サイトに1人登録させれば最大で5000円ほどの額が手に入るのだから、還元率が高いアフィリエイトのようなものだ。モラルを捨てられるのならば、楽天やAmazonでアフィリエイトをやるよりも、パパ活サイトへあっせんする方がよっぽど良いのである。
風俗嬢がスカウトに転生するのはよくあること。ネットに慣れていれば、言葉の使い方や投稿内容に違和感を覚え《あ~アカウントを売ったんだな》《フォロー外そう》という判断がつく。しかし、それも知識とその違和感を察知するアンテナがなければ気づかない。
どの詐欺にも通じるが「何かおかしいな」と思う第六感が働かなければ、あちこちにちりばめられた詐欺の種に気が付くことはできないのだ。
「だまされる方が悪い」なんて筆者も言いたくない。だが、世の中にはそんな甘い話はない。本当にあるとするのならば、そんな情報をSNSを介した見知らぬ人間に話すはずがない、ということをもっとよく知るべきである。
Xでサレ妻(不倫されている妻の意)アカウントを運営しているのは、不倫ドラマが大好きな暇を持て余している独身会社員であり、TikTokで貧困女子として毎日の質素な食事を載せている者は、そのアカウントでかなりの額を収益化し、私生活ではエルメスのピコタンを持ち歩いている。
SNSなんて虚偽だらけであり、実際に会ったことがない人物からの投資話に乗ったり、優しさでお金を送ったりすることは、情弱を利用する詐欺のワナにはまっているのだ。
それだけならまだしも、SNSでの取捨選択ができない人間は情弱リストに入れられ有償で共有される。「騙されやすい人間のリスト」なんて詐欺をする側からすれば価値しかない。
詐欺は日々進化している。私たちができることは、そういった現状を知りどんな話の前にも一度立ち止まって考え、自衛することしかないのである。
取材・文:佐々木 梨華

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