岸田首相、旧統一教会の調査を指示 「質問権」初行使へ

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

岸田文雄首相は17日午前、首相官邸で永岡桂子文部科学相や葉梨康弘法相、河野太郎消費者担当相と会談し、宗教法人法に基づく「質問権」を行使して世界平和統一家庭連合(旧統一教会)を調査するよう指示した。行使されれば初めてのケースとなる。
「旧統一教会」問題後で初の予算委へ 岸田首相 首相は永岡氏に対し、質問権の行使について「しっかりと進めてほしい」と要請。永岡氏は「すぐにこれから始めたい」と応じた。内閣支持率が低迷する中、旧統一教会問題に正面から向き合う姿勢を示すことで政権への批判をかわす狙いがあるとみられる。

首相はその後の衆院予算委員会で、質問権の行使による事実把握、実態解明▽被害者救済に向けた総合的な相談体制の充実・強化▽今後、同様の被害を生じさせないための消費者契約等の法制度の見直し――に取り組む姿勢を示し「しっかりと進めていかなければならない」と強調した。 質問権の行使に踏み切る理由については、2016、17年に旧統一教会の法人自体の組織的な不法行為責任を認めた民事裁判の例があることや、政府の相談窓口に9月30日時点で1700件以上の相談が寄せられていることを挙げ、「速やかに着手させる」と述べた。 これについて永岡氏は予算委で、専門家会議を設置し、報告徴収・質問権行使の基準に関する検討を25日にも開始する意向を表明した。 宗教法人法は、宗教法人に解散命令の請求に該当する疑いがある場合、業務や事業の管理運営について報告や質問を求めることができると規定されている。文科相が宗教法人審議会に諮問して意見を聞いた後、調査を実施する。調査で法令違反などが確認されれば、所管省庁などが裁判所に解散命令を請求する可能性もある。 政府は14日、解散命令について「十分慎重に判断すべきである」との答弁書を閣議決定していたが、質問権については「疑いがあると認めるときには、同法の規定に従ってその権限を行使すべきものと認識している」としていた。【今野悠貴】
首相は永岡氏に対し、質問権の行使について「しっかりと進めてほしい」と要請。永岡氏は「すぐにこれから始めたい」と応じた。内閣支持率が低迷する中、旧統一教会問題に正面から向き合う姿勢を示すことで政権への批判をかわす狙いがあるとみられる。
首相はその後の衆院予算委員会で、質問権の行使による事実把握、実態解明▽被害者救済に向けた総合的な相談体制の充実・強化▽今後、同様の被害を生じさせないための消費者契約等の法制度の見直し――に取り組む姿勢を示し「しっかりと進めていかなければならない」と強調した。
質問権の行使に踏み切る理由については、2016、17年に旧統一教会の法人自体の組織的な不法行為責任を認めた民事裁判の例があることや、政府の相談窓口に9月30日時点で1700件以上の相談が寄せられていることを挙げ、「速やかに着手させる」と述べた。
これについて永岡氏は予算委で、専門家会議を設置し、報告徴収・質問権行使の基準に関する検討を25日にも開始する意向を表明した。
宗教法人法は、宗教法人に解散命令の請求に該当する疑いがある場合、業務や事業の管理運営について報告や質問を求めることができると規定されている。文科相が宗教法人審議会に諮問して意見を聞いた後、調査を実施する。調査で法令違反などが確認されれば、所管省庁などが裁判所に解散命令を請求する可能性もある。
政府は14日、解散命令について「十分慎重に判断すべきである」との答弁書を閣議決定していたが、質問権については「疑いがあると認めるときには、同法の規定に従ってその権限を行使すべきものと認識している」としていた。【今野悠貴】

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。