【山村 佳子】スマホ使用禁止、お金も渡さず…40歳の再婚妻が恐怖のどん底に突き落とされるまで

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2024年3月22日、「ワタナベマホト」として活動していたユーチューバーの渡辺摩萌峡容疑者(31歳)が、離婚した妻への暴行容疑で逮捕された。朝日新聞の報道によると、口論から暴力に発展し、元妻の女性を突き倒したとある。
家庭内での暴力は根深い問題だ。対象となる本人だけでなく、家族全員を傷つける。また、どちらかの暴力により、離婚になる場合もある。
内閣府の男女共同参画局が毎年発表する『配偶者暴力相談支援センターにおける相談件数等』をみると、2023 年 11 月時点にまとめられた最新データでは、DV相談件数は1年間で約12万件。そのほとんどが女性で、男性からの相談は、2.6%に過ぎなかった。
キャリア10年以上、3000件以上の調査実績がある私立探偵・山村佳子さんは「DVに悩み、“なんとか有利に離婚したい”から、奴の浮気の証拠を掴んでください”と依頼する人は多いです。浮気の確信がなくても、行動調査をして、離婚事由になりうる証拠を掴もうとするのです」と語る。彼女は浮気調査に定評がある「リッツ横浜探偵社」の代表だ。
山村さんに依頼がくる相談の多くは「時代」を反映している。同じような悩みを抱える方々への問題解決のヒントも多くあるはずだ。個人が特定されないように配慮をしながら、家族の問題を浮き上がらせる連載「探偵が見た家族の連載」、107回の今回ご紹介するのは、40歳の玲花さん。「もう、夫からの暴力に、私も子も限界です」と語る彼女に一体何があったのだろうか……。
山村佳子
私立探偵、夫婦カウンセラー、探偵。JADP認定 メンタル心理アドバイザー JADP認定 夫婦カウンセラー。神奈川県横浜市で生まれ育つ。フェリス女学院大学在学中から、探偵の仕事を開始。卒業後は化粧品メーカーなどに勤務。2013年に5年間の修行を経て、リッツ横浜探偵社を設立。豊富な調査とカウンセリング経験を持つ探偵として注目を集める。テレビやWEB連載など様々なメディアで活躍している。
リッツ横浜探偵社:https://ritztantei.com/
今回の依頼者の玲花さん(40歳)は、1年前に結婚したばかりの新婚さんです。思い詰めた表情をしており、「このままでは、私も娘も死んでしまいます。夫の行動を調べていただき、離婚できる原因を探して欲しいのです」と泣いていました。
玲花さんの容姿は、ほっそりとしており、パッチリとした目のアイドル系。声は声優っぽく澄んでいます。茶髪のボブヘアは艶がありブローされている。黒のタートルニットが細い首と薄い体をさらに華奢に見せていました。ただ、全体的に生気がなく、心の底から疲れていることが見て取れます。まずは今の状況から伺うことにしました。
「夫は気に入らないことがあると、キレて暴言を吐いたり、モノに当たったりする性格なんです。結婚するまでは優しかったのに、一緒に住み始めてから性格が豹変したんです」
玲花さんが夫に気に入らないことをすると、8歳の娘に対し、暴言を吐くこともあるとか。「“ママがバカだから、お前もバカだ!”などと怒鳴るんです。娘は何も言わずに泣いている。悲しさと恐怖で固まっているんです。そういう顔を楽しそうにみているんです」
娘の身を守るためにも、私たちのところに来る前に、玲花さんの実家に預けてきたそうです。
「母からは離婚を勧められています。私もいよいよヤバいと思ったことがあり、夫に別れの話を切り出したら、髪の毛を掴んで床に倒されて、蹴られました。近所の人が私の叫び声と物音に驚いて、警察を呼んでくれました。そうでなければ死んでいたかもしれません」
夫の写真を見せてもらうと、温厚で優しそうな紳士です。聡明で容姿端麗といっていいでしょう。年齢は42歳で大手企業に勤務しているエリート。玲花さんは建築関連の専門学校を卒業後、建築関連会社で設計の仕事をしていたそう。ただ、結婚を機にそこを辞めてしまったとのこと。夫が「専業主婦になってもいいよ」と言ってくれたからだとか。
「2回目の結婚をした理由が、娘に兄弟を作ってあげたかったからなんです。娘は元夫との間に生まれた子供で、今の夫にとって連れ子です。私が一人っ子できょうだいがいない寂しさを味わっているので、もう一人生みたかったことも再婚理由。当時39歳だったし、子供が欲しいなら不妊治療の可能性もあるので、寿退社とやらをしてみたいと、退職しました」
会社を辞めて、身の回りを整理し、娘の転校の手続きをして、夫が持っているマンションに引っ越してきた辺りで、態度が豹変したとか。
「とにかく高圧的なんです。専業主婦になってもいいと言ったのだから、生活費をくれると思うじゃないですか。すると、“本来なら、俺に家賃の半額を払わなくてはいけない。ここは貸せば30万円になるから、あなたは15万円を支払うべき。その負担を免除しているのだから、何も払わない”と言うんです。今では細々とパートしつつ、貯金を切り崩して暮らしています。私にもっと貯金があれば、もっと平和に生活ができたのかもしれません。私が悪いんです」
玲花さんは少しも悪くない。むしろ被害者なのに、自分を責める発言を繰り返している。これはDV被害者によくあること。夫とはどこで知り合ったのでしょうか。
「離婚歴がある人専用のマッチングアプリで出会いました。遊び半分で見ていたのですが、元夫のプロフィールを見て一目惚れをしてしまったんです。背が高くて容姿端麗、大手企業勤務で年収800万円。しかも大卒で連れ子がおらず、“同世代の女性を希望”とありました。さらに子供も望んでいるので、“この人が私の王子様かもしれない”と舞い上がってしまったんです」
夫も玲花さんに好意を持ち、マッチングが成立。交際半年程度で結婚になったそうです。
「娘を会わせたところ、夫は“聡明なお嬢さんだね”と言ってくれました。テーマパークでデートしたのですが、本当に可愛がってくれて、娘も夫をいいと言ってくれたのです」
玲花さんは、娘に対して性的な視線を寄せる男性を警戒していたそう。というのも、前回の離婚後に専門学校の同級生から「いい人がいる」と紹介された男性が、娘と手を繋ぎたがったり、抱っこや肩車をしようとしたから。
「途中から気持ち悪くなって逃げ帰りました。他にも男性を紹介されたことがあるのですが、娘がいると言うと態度が変わる人が圧倒的に多かった。中には、“玲花ちゃんと結婚すると、親子丼ができるってこと?”とあからさまに言ってきた人もいて、衝撃と怒りで何も言えなかったことを今でも後悔しています」
ここでの「親子丼」とは、玲花さんはもちろん、娘と性交渉を持つことを意味しています。結婚相手の子どもを性的対象に見ること自体、虐待ともいえます。
「でもね、そのくらいあからさまな方が、リトマス試験紙になって良かったかも。夫は結婚までにDV夫である本性を隠していましたから。付き合っているときは、本当に紳士だったんですよ」
玲花さんは物理的なDV、経済的なDVを受けている。それだけでも離婚理由になりそうですが、証拠が取れない。夫は自分が自宅にいる時は、玲花さんのスマホをテーブルの上に置き、玲花さんが触らないように監視しているとか。それゆえに、録音や写真が取れないとのこと。
「警察の相談履歴はありますが、それだけでは頭がいい夫に言いくるめられてしまう。あと、多分夫は浮気しているんです。性欲が強いのに、ここのところ私を求めてきませんし、スマホを頻繁に見ていますから。それに帰宅も遅いですしね。前の夫とも浮気が原因で別れているので、なんとなくわかるんです」
ただ、前の離婚のときは、証拠がなかったために、元夫を有責配偶者にすることができなかった。相手の女性に慰謝料を請求しても「証拠、ないですよね」と開き直られてしまい、悔しい思いをしたそうです。
「だからこそ、今回は証拠をしっかり取って離婚したい。できれば慰謝料も欲しいです」
そう力強く言いましたが、暴力の診断書は持っていないそうです。今も背中一面に夫に蹴られたあざがあるので、このカウンセリングの後に病院に行くことをアドバイスし、私たちも調査の準備に入りました。
話を聞く限り、夫は聡明でDVをしている自覚もある。玲花さんのことも観察しているので、態度の異変を感じ、調査に気づく可能性も。事態は急を要すると直感し、今夜から調査をすることにしました。
◇冒頭でもお伝えした通り、配偶者暴力相談支援センターに寄せられたDV相談件数は2023年11月までの1年間で約12万件。玲花さんはセンターには相談をしていないが、まさにその一人といえる。いち早く夫から逃げたほうがいい状態だ。第三者を介して安心して離婚できるようにすることはできるのか。
調査の結果は後編「40歳妻の恐怖の再婚…40歳妻の恐怖の再婚…「聡明で容姿端麗な夫」の本性と妻の決断」にて詳しくお伝えする。
40歳妻を恐怖に陥れた再婚…「聡明で容姿端麗な夫」の本性と妻の決断

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