資産家女性殺害 メール自動送信を設定し…生存装ったか

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大阪・高槻市で当時54歳の女性が殺害された事件です。逮捕された養子の男は、女性が死亡した翌日にメールが自動送信されるよう設定していたとみられることが分かりました。女性が生きていたと偽装していた可能性があります。
女性の死後、彼女のスマートフォンが“悪用”された可能性があります。
高井直子さんが死亡した翌日の去年7月23日、直子さんのスマートフォンからメールが送信されていたことが、捜査関係者への取材で分かりました。
宛先は殺人などの容疑で25日、再逮捕された高井凜容疑者(28)でした。
現場に残されていたスマートフォンを解析して分かったといいます。
高井容疑者が事件当日に直子さんの自宅で、彼女のスマートフォンを操作して送信予約したとみられます。
警察は、直子さんの死後も、彼女が生存しているかのようにみせる偽装工作だとみています。
事件当日の詳細な動きも分かってきました。
直子さんが死亡した日、高井容疑者が、都内で結束バンドを購入していたというのです。
この日、当時住んでいた東京都内の自宅から大阪・高槻市の直子さんの自宅を訪れた高井容疑者。2時間ほど滞在した後、再び都内に戻ったといいます。
遺体で発見された直子さんは浴槽内に倒れていて、右手首には縛っていたとみられる結束バンドが緩く巻かれ、左手首にも縛られた痕が残っていたといいます。
警察は、この遺体に残されていた結束バンドと、高井容疑者が購入した結束バンドとの関連について詳しく調べています。
直子さんのおよそ1億円の遺産を受け取った高井容疑者。高級車やブランド品など、豪勢な暮らしぶりだったといいます。
高井容疑者の友人:「入社当時と比べると派手になっていたかなというのはある。車でランボルギーニ買っていたりとか派手な生活をしているなと」
去年7月、遺体で見つかった直子さん。その死後、高井容疑者は思わぬ行動に出たといいます。
捜査関係者によりますと、離縁許可を家庭裁判所に申し立てていたことが分かったのです。
捜査関係者も、目的は分からないと話しています。
養子縁組したことで資産家だった直子さんの遺産およそ1億円を得た高井容疑者。
しかし、高井容疑者はそもそも、養子縁組を結ぶための書類を偽造した罪で逮捕・起訴されています。証人のサインを妻に成りすましたというのです。
見抜くことはできなかったのでしょうか。専門家はこう指摘します。
相続問題に詳しい・佐々木一夫弁護士:「(市役所は)一定の審査はしていると思います。お互い成人の養子縁組であまり疑うべき事情が少なかった、そうであれば形式的な審査しかしない以上は、市役所としてはなかなか怪しいと見抜くことはできなかったのかな」
養子縁組を繰り返す人など、戸籍の不正取得などが考えられる場合は詳しい話を聞きますが、今回の場合は、そうとは判断されなかったのだろうといいます。
しかし、偽造があったならば、不当な形で結ばれた養子縁組ということになります。
その場合、高井容疑者が相続した1億円の遺産はどうなるのでしょうか。
相続問題に詳しい・佐々木一夫弁護士:「家庭裁判所の許可を得たうえで、戸籍の訂正の申し立てをしなければならない。勝手に元に戻すということはちょっと難しいと思います。被害者の高井直子さんが、実際どういう意思だったのかは分からない。なかなか自動的に(戸籍や財産を)戻すことは難しいのかなと思います」
警察の取り調べに対し、黙秘しているという高井容疑者。

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