急性硬膜下血腫は「死亡率6割超、難しい手術」 鳥山明さん死去

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

「Dr.スランプ」や「ドラゴンボール」などのヒット作を生んだ漫画家の鳥山明さんが1日、急性硬膜下血腫のため68歳で死去した。急性硬膜下血腫とはどういう病気なのか。脳神経外科の専門医は「緊急手術が必要なケースが多く、時間との戦いになる場合が多い」と話す。
【写真特集】ダメ元で依頼したら…鳥山明さんがロゴ制作
「なかめぐろ脳神経外科・内科 頭痛クリニック」(東京都目黒区)の青山尚樹院長によると、急性硬膜下血腫は頭部の外傷などで、脳と硬膜のすき間に血がたまって脳を圧迫する疾患だ。重篤な場合には脳が腫れる。
ボクシングなど激しいスポーツで発症するケースが代表的だが、高齢者が転倒して発症することもある。
原因は外傷だけではない。まれに脳内の血管の異常で発症する場合もある。
急性硬膜下血腫を発症すると、意識がなくなったり、発語に異常をきたしたりして死亡にいたる例も少なくないという。
青山院長は「鳥山さんが発症した経緯は分からない」と断った上で「一般的には開頭し、頭蓋骨(ずがいこつ)を外して脳を圧迫している血腫を洗い流す難易度の高い手術が必要になる。発症した場合、死亡率は6割を超える」と話す。さらに「発症後、即時に治療できるかが重要だ。外傷などを受け、意識に異常を感じたら早急に医療機関を受診してほしい」と強調した。【隈元悠太】

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。