現行の50円玉が「155万円」に大化け! 未使用品でもないのに“超レア”な高額となったワケは……

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普段使っている50円玉が155万円になった。額面の3万1000倍。そんなことあるわけない、と思われるかもしれません。

しかしながら、2024年1月20日~2月10日に開催された銀座コインオークション『第116回 入札誌「銀座」』に登場した、Lot番号455の50円玉が155万円(手数料込180万5750円)に大化けしたのです。

いったいなぜなのか? その理由を探っていきます。

【写真5枚】実際の50円玉を見る。状態は「極美品」昭和42年の50円玉が「155万円」に! 珍しい“穴ナシ50円”今回出品されたのは、昭和42年の50円玉。実際にオークションに出品されたものを確認すると、明らかに穴がないことが分かります。そう、この50円玉は穴が開いていないのです。いわゆる「穴ナシエラー」と呼ばれる50円玉です。

本来穴が開くべきところが、なぜか穴が開いていない。製造中に極めてまれに生じるエラーといってよいでしょう。

穴の位置がずれているエラー(穴ズレエラー)もたまに出現しますが、このように穴がそもそも開いていないエラーはかなり珍しいため、高値がつくことが知られています。

とはいえ、今回の出品物はコインのグレードランクとしてより価値が高くなる「未使用」レベルではなく、「極美品」レベルでした。それでもこの155万円という高値がついた理由として考えられるのは、現行の50円玉の発行が昭和42年からであり、その最初の発行年の50円玉のエラーであったことが影響しているかもしれません。

最初の発行年だからこそ、どうしても欲しいという人が複数人いて、値段が吊り上がったのではないかと推測されます。

新紙幣が登場する2024年、エラーを探す楽しみをこうしたエラーコインやエラー紙幣は、技術が向上すればするほど出現確率は低くなります。ましてや、貨幣の製造枚数はキャッシュレス化の影響などにより以前に比べれば大幅に減少しており、ますますエラーを見る機会は少なくなっていくことでしょう。

逆に言えば、もし発見できたら相当なお宝になる可能性があります。

穴ナシのように分かりやすいエラーはなかなかないかもしれませんが、もらったお釣りがエラーコインだったなんていうことはまったくない話ではありません。

また、2024年は新紙幣が登場する年です。もしかしたら、想定もしなかったようなエラーが出現する可能性もないとは言い切れません。ぜひお財布の中身をただ使うだけではなく、くまなくチェックする習慣も身に着けると、面白い発見があるかもしれませんね。

▼伊藤 亮太プロフィール慶應義塾大学大学院商学研究科修了。一般社団法人資産運用総合研究所代表理事。ファイナンシャルプランナーとして、家計・保険等の相談、執筆、講演、大学講師を主軸に活動。大学院時代の専門は社会保障で、経済・金融に関する解説も得意。コイン収集マニアの一面も。
(文:伊藤 亮太(株式・ファイナンシャルプランナーガイド))

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