東京都内から地方移住して“ゴミ出し”ルールの違いに辟易、最寄りの集積所までは車…

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コロナ禍で働き方が大きく変わった。リモートワークが定着し、地方移住する人も増えた。 とはいえ、都心部から田舎に移住したのはいいが、あらゆる“違い”に戸惑っている人たちもいる。そこで、本記事では2人の「地方移住」にまつわるエピソードを紹介しよう。 ◆“ゴミ捨て”ルールが都会に住んでいた頃とは違いすぎて… 「以前、私が住んでいた東京都内の地域では、指定日に決められたゴミ袋で集積所に出せば、いつでも捨てられました。しかし、移住先では勝手が違うことに移住してから気づいたんです」 田舎に引っ越して今年で3年目になる南太郎さん(仮名)は、移住してすぐに直面した、“ゴミ出しのルールの違い”についてのエピソードを教えてくれた。
現在、南さんの住む地域はそれがあまりに厳しく、辟易してしまうのだとか。
「私の住んでいる地域では、今も区や組といった地域ごとの自治会があります。区、組専用の集積所があるため、自宅から最寄りのゴミ集積所には勝手に出すことが許されていません」 ゴミを出すには、地区ごとの自治会に入会し、そこの区長や組長の許可が必要になるそうだ。特に他県からの移住者は、入会しないことは許されないと南さんは話す。 ◆ゴミ集積所まで行くために車が必要 「自治会に入会したところで、自治会費の徴収や消防団への加入、近所の共同草刈り、雪かき、側溝の汚泥除去、イベントの強制参加などを強いられるので、本当は入会したくなかったのですが……拒否をすると“罰金”というペナルティを取られることを知らされました。罰金は、会合のお茶菓子代などに使われるらしいのですが」 南さんの移住地は、今でもいわゆる「村社会」。地域独自の風習が根強く残る。ゴミ出しのルールもそのひとつである。 「行政側も何とかしようと自治会管理とは別にゴミステーションを設置しました。以前よりはゴミ出しが楽になったのですが、そこにも地域のボランティアの方が常駐されていて目を光らせています」 ペットボトルのラベルが付いているとその場で注意され、ビン類は色別で分別する必要がある。それは、たしかに環境のためには大切なことだろうと納得している部分もあるが、“やりすぎ”ではないかと感じることもある。そんな南さんの悩みは尽きない。 「決められた日時に、わざわざ車を出してゴミ捨てに行かなければなりません。移住者たちも年々高齢化となってきており、それが新たな問題になっていると思います」
◆「都会ではありえない」家の中に虫がいるのが当たり前
「僕の移住先は、周りには田んぼや山しかなく、森一面に囲まれています。買い物をするにも車で約30分かけてやっと最寄りのスーパーマーケットがあるくらいの、ド田舎です」 名古屋から移住したという田中律司さん(仮名)は、田舎暮らしが想像以上に過酷なことを思い知らされていると話す。 「事件は引越し初日に起こりました。私が寝ている畳から“カサカサ”と音がするんです。電気をつけてみると、そこには巨大なムカデがいました。田舎暮らしなら誰もが直面するのでしょうけど、都会暮らしが長かった僕は本当にビックリしました」 しかし、「それだけではないのが田舎の恐ろしいところだ」と、田中さんは訴える。 「1日に何十匹見るのは当たり前のことで、多い日には30匹見たこともありました。これが、外で見つけたならまだ平気なのですが、家の中から出てくるのですから……ありえません」 ◆動物と遭遇する確率が高い
そして、虫だけではなく、動物においても都心では考えられない状況だという。 「動物も非常に多く見られます。イノシシやイタチ、鹿……。ほぼ人間と会うくらいの感覚で遭遇します。もちろん、僕側から危害を加えなければ何かしてくるということはありませんが、最初に見たときは急に突進されるんじゃないかと怖かったです」 これからも慣れない田舎暮らしが続くわけだが、「都会では考えられないような体験をしている」と最後は苦笑いだった。
<取材・文/chimi86>

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