東京・八重洲のビル建設現場で昨年9月、鉄骨が落下して作業員5人が死傷した事故で、施工業者のゼネコン大手「大林組」が警視庁に対し、鉄骨を支える「支保工(しほこう)」と呼ばれる仮設の土台の強度計算を誤ったと説明していることが捜査関係者への取材でわかった。
警視庁は支保工の強度が足りず、鉄骨を支えきれなかった可能性があるとみて、業務上過失致死傷容疑で捜査している。
事故は昨年9月19日午前9時20分頃、ビル7階部分に大型クレーンを使って梁(はり)となる鉄骨をつり上げ、ビルの骨組みに固定する作業中に起きた。5本目の鉄骨の両端を仮留めし、クレーンのワイヤを外したところ、鉄骨5本(長さ13~18メートル、総重量約48トン)が約20メートル下の3階部分まで落下。鉄骨の上にいた男性作業員5人のうち2人が死亡し、3人が重傷を負った。
捜査関係者によると、落下した鉄骨5本のうち2本は、鉄パイプなどで造られた支保工で支えられていた。支保工の強度は、支える鉄骨の重量や設置状況などに基づいて計算されるが、大林組は警視庁の任意の調べに「計算を誤り、支保工の強度が足りていなかった」などと説明しているという。支保工は大林組の強度計算に基づき、埼玉県内の下請け業者が設置していた。
現場は地上51階・地下4階建てのビルと一体で整備される7階建ての劇場棟で、大林組と大成建設の共同企業体(JV)が工事を担当している。工事は事故を受けて中断していたが、今年1月16日に再開された。
大林組は取材に「詳細は捜査中でコメントできない」としている。1月12日に公表した工事再開に関する文書では、「支保工等の強度計算、落下対策などを改めて見直す」と記していた。