国側が原告と裁判官の会話を録音か 国が被告の民事裁判 ICレコーダーには過去の録音データも

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

国が被告となっている民事裁判の弁論準備手続きの際、国側がICレコーダーを持ち込んで、原告の代理人弁護士と裁判官の会話を録音していたことがわかりました。裁判所の中での録音は法律で禁止されています。
この裁判は、2014年7月から9月にかけ毎月100時間を越える残業でうつ病になったとして、国の労災認定を受けた米軍横須賀基地の元従業員の女性が国に対し、損害賠償を求めているものです。
原告の代理人を務める弁護士によりますと、11日、横浜地裁横須賀支部であった非公開の弁論準備手続きで、国側の指定代理人が一時退席した際に書類のファイルとスマートフォンの間にICレコーダーが挟まっているのが見つかったということです。裁判所書記官が調べたところ、ICレコーダーの中には弁護士と裁判官が話している様子が録音されていました。
国側は「裁判の前に打ち合わせがあり録音していた。録音を停めるのと、法廷から持ち出すのを忘れた」と説明し、「録音をしたのは今日だけだ」としていましたが、ICレコーダーにはこの裁判に関する以前の弁論準備手続きの様子も録音されていました。
法律では、裁判所の中での録音は禁じられています。
横浜地裁横須賀支部は録音されていたデータを全て消去したということです。
国の指定代理人は法務省と防衛省の複数の職員らが務めていて、誰がICレコーダーを持ち込んだのかは明らかになっていません。
原告の代理人弁護士は11日、ICレコーダーを持ち込んだ代理人の処分と再発防止などを求める抗議文を国側と横浜地裁横須賀支部に提出しました。
横浜地裁は「裁判体の許可を得ることなく、弁論準備手続期日において、録音がされたことは遺憾である」とコメントしています。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。