【現代ビジネス編集部】妻が絶句した「1000万円のランクル」を盗まれた、40代夫婦に突き付けられた「ヤバすぎる現実」…私は殺されていたかもしれない

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ランドクルーザー、プリウス、アルファード…これらは、国内で盗難被害の件数が多い車と言われている。
現在、国内における自動車の盗難は、2003年の約6万5000件をピークに減少傾向にあるものの、現在でも年間で約5000件以上発生している状況だ。
警察庁の生活安全企画課の調べによれば、兵庫、愛知、大阪が、また関東エリアでも千葉、埼玉、茨城が突出して多く、窃盗には犯罪グループが関与しており、解体した部品を不正に輸出したり、同車種と合体させて不正に登録し販売する場合もあるという。
「うちもやられました。車好きの夫が5年ローンを組み約1000万円で購入し、残りのローンもまだまだ多額な状態だった」。都内在住の沙織さん(仮名・40代)は、ランドクルーザーの盗難被害をこう訴える。
すぐに警察に連絡を入れご夫婦だったが、警察との立ち合いのから到着した刑事に、まさかの現実を突き付けられた。<【前編記事】『40代夫婦が青ざめた…1000万円の「ランドクルーザー」盗難被害のヤバすぎる末路…「朝起きたら自宅の駐車場からなくなっていた」』>に引き続きお伝えする。
「年配の刑事に続き、30代くらいの刑事もやってきました。年配の刑事が足早に奥の駐車場に向かいつつ、マンション近辺の防犯カメラの有無や、管理会社への連絡などを警察官にテキパキと指示をしているのを見て、先ほどまでのフワフワした心持ちが一気に吹き飛びました」
50代の刑事は夫である雄介さんに「入口付近のほかに駐車場が見渡せる防犯カメラがないか」、「使って何年になるか」、「買った値段とおおまかな査定額」などのメモをしつつ聞き取っていった。
「夫はふたたび「ランクルは盗まれたら見つからないですよね」と、世間話でもするように尋ねていました。50代の刑事が昔はこの近辺でも盗難はあったが、最近ではあまり聞かなくなったと応え、その流れで周辺に怪しい人を見かけなかったかと尋ねられました」
写真:iStock
東京都狛江市の高齢者殺害や、全国で多発した高給時計店の強盗など、世間を震撼させた事件の裏には「闇バイト」の存在がある。報道では特殊詐欺グループなどが高給を餌にSNS等で応募者を募り、やりとりに足のつかない「Telegram」や「Signal」などのアプリをインストールさせて、犯行の指示を行っていると言われている。
また近年よく聞かれるソフト闇金などの業者も、債務者に「お金に困っているなら」と闇バイトをすすめる場合もあるそうだ。
最初は転売目的の限定商品を手に入れるためにお店に並ばせたり、ネットの抽選に応募させるなどの”仕事”を任されるようだが、回をこなすごとに重い犯罪に手を染めてしまうパターンもあるという。
警視庁は、昨年に特殊詐欺の受け子や出し子、見張り役、回収や運版などで逮捕され、書類送検された容疑者1079人の供述などから、半数近くがSNSを通じた募集から実行犯となり犯行に及んだという調査を明かした。
しかし、なかには「求人サイトから知った」「闇金関係者から誘われた」という回答もあり、年代別には20代、30代が大半を占めるものの、10代や50代の少なくない人数も犯行に及んでいた。
「これは私の想像ですが、宅配業者や設備業者を装いマンション内に立ち入った闇バイトの人がいたかもしれない。指定の車を見つけた人にはお金を渡すともちかけられて、駐車場内を撮影している可能性もありますよね。
付けられていたかもしれないし、なんらかのリストが出回っていた可能性だってあります。そういうのをひっくるめて、犯罪者がじつは身近にいて、ここに盗みに来たと考えただけで背筋が凍ります」
一通りの検証が終わったところで刑事は帰っていったそうだ。
その後、警察官が作成した被害届にサインをして、ひとまず沙織さんと雄介さんは自宅部屋に戻ったという。その日のうちに担当刑事のひとりから、高速道路に設置されているNシステムで車のナンバーが検出できたと連絡が入り、無事に被害届が受理された。
また翌日には被害が起こった深夜に、周辺の防犯カメラに走行する所有者の車が映っていたことは確認できたが、盗難されたランクルがいまどこにあるかは、まだ追跡できていないと告げられたという。
沙織さんは言う。
「ランクルの盗難率が高いことは知っていましたが、まさか自分が当事者になるとは…という気持ちです。でも、よくよく考えてみれば、1000万円の札束が入ったセキュリティの緩いガラスケースを野外にポンっと置いていたら、絶対に盗まれますよね。犯罪者から見たら、この駐車場はまさにそんな状態だったんだと思います。
最近では凄惨な事件を頻繁にニュースで見ます。その映像からは窃盗犯も本気で盗みに入っていることが伝わります。私も夫も深夜でもコンビニに行くことがあるので、もしも犯行の最中に犯人と鉢合わせしていたら、殺されていたかもしれません。
住まいは安全な地域ではあるものの、それでも盗られるときは盗られる。今回は完全にうちのランクルが狙い撃ちされました。みんなが寝静まったころに、犯人がこっそりと敷地内に入り車を盗んでいった事実に、言いようのない気味の悪さが残ります」
刑事いわく「マンションに設置している防犯カメラには、何も録画されていなかった」そうだ。わざわざ<防犯カメラ作動中>という張り紙がしてあったため、沙織さんも雄介さんも、まさかという気持ちだったという。
「後日、同じマンションの住人たちに、実は防犯カメラはダミーだったことを伝えると、みなさんも知らなかったようで「うちの主人にも伝えなきゃ」と驚いていました。他の車は無事でしたが、それでも敷地内での犯行なので緊張感は走りますよね」
今回盗まれたランドクルーザーには、万が一のために高レベルのセキュリティを車体に装備し、保険にも加入して備えていたそうだ。しかし、どんなに備えていても100%の安心は得られないし、大事なものを失った時の何かをえぐり取られたような感覚は、仮に保険がおりたとしても「なかったこと」にはできないと沙織さんは言う。
「本当に物騒な世の中になりました。うちが盗られたということは、他の人もやられる可能性があるということです。今は被害が拡大しないように、マンションの住民同士が声を掛け合いながら警戒することで、抑止力になれたらという心持ちです」
かつては街単位でくくられる印象が強かった窃盗も、今では”持っている人”がピンポイントで狙われる。沙織さんの言う通り、狙われたら最後、運が悪ければ命も失いかねない。
表と裏の両面を行き来する犯罪者から見れば、私たち一般市民はいわゆる「表の世界」にのみ生息する弱い存在だ。そんな危険と隣り合わせの社会で生きていることを頭の片隅に忘れてはならない。

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