意図せずスマホから110番、「無応答」通報10万件…県警が設定確認呼びかけ

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2023年に埼玉県警が受理した110番の7件に1件が、呼び掛けても反応がない「無応答」だったことがわかった。
スマートフォンの自動通報機能で意図せずに通報しているケースが多いとみられる。無応答は10万205件に上り、22年の1・6倍、21年の2・7倍へと近年急増している。緊急の対応に支障を来す恐れもあり、県警はスマホの設定の確認を呼びかけている。(立原朱音)
県警通信指令課の発表によると、23年の110番は77万1388件。前年を6万457件(8・5%)上回って平成以降で最多だったが、無応答が3万8677件(62・9%)増と、前年からの増加分の半数以上を占めた。
昨年12月下旬、狭山市内からの110番では、同課員が「事件ですか、事故ですか」と尋ねても雑音や小さな声しか聞こえず、発信元にかけ直してもつながらなかった。安否を確認しようとスマホ所有者の家族に電話をかけると、本人は市内の体育館にいた。警察官が駆けつけたところ、ポケットの中から自動で発信されていたことが判明。通報から約80分後の「解決」だった。
無応答のケースでは、カバンやポケット内で何かがボタンに触れてしまい、自動通報機能が作動するケースが多い。21年にリリースされた「アンドロイド12」以降の基本ソフトに追加された機能で、スマホの電源ボタンが5回以上連続して押されると、緊急連絡先に自動発信する。初期設定は「110」だ。
万一の際の有効な通報手段だが、機能自体を知らない人も多い。オンとオフは手動で切り替えられる。
同課の竹村久次席は「必要に応じて設定を見直し、スマホを使ってほしい。警察官からの折り返しの電話にも『間違いだった』と言ってもらえると助かる」と話している。

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