「飲酒運転ありえない」 高校から帰宅中、17歳事故死に憤りの声

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福岡県大牟田市で29日夜、バイクを運転していた高校生が飲酒運転の車と衝突して死亡した事故。
【写真】事故で死亡した17歳が運転していたバイク
関係者によると、亡くなった山下和真さん(17)は大牟田市内の県立高校の定時制に通っており、事故当時は授業を終えて帰宅する途中だったとみられる。
現場近くで商店を営む男性(70)は「高校生の孫がいる。心が痛い。飲酒運転はありえない」と憤った。現場周辺で、通学する児童らの見守り活動を続ける60代の女性は自宅で29日夜、「ドーン」という衝突音を耳にした。外に出るとバイクが倒れ、破片が散乱していたという。「近くを飲酒運転の車が走っていると思うと怖い」と声を震わせた。同じ定時制のクラスに通う女子生徒(17)は山下さんについて、「勉強も運動もでき、部活でも活躍していた」と話した。
福岡県では2006年に福岡市東区の「海の中道大橋」で飲酒運転の車に追突された車が海に転落し、3児が死亡した。11年には同県粕屋町で男子高校生2人が飲酒運転の車にはねられ、亡くなった。県警によると、飲酒運転の車と衝突して高校生が亡くなるのは粕屋町の事故以来という。県警や自治体は飲酒事故防止やアルコール依存症対策に取り組んできたが、若い命が再び奪われた。
警察庁によると、飲酒運転による死亡事故は00年に全国で1276件あったが、厳罰化が進み、08年には305件まで減少。減少傾向は近年も続くが、22年は120件の事故が起きた。
福岡県内では飲酒運転の検挙件数が増加している。23年には1536人が検挙され、過去10年で最多に。そのうち8割近くの1196人は呼気1リットル当たりのアルコール分が0・25ミリグラム以上の「高濃度者」だった。【山口響、降旗英峰】

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