【小林 一哉】静岡県川勝知事と“元新聞記者”の「黒い関係」…県広報紙のインタビュアーに起用した無茶苦茶な理由

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1月1日に起きた能登半島地震の直後、被災地支援について初めて話し合う中部地方9県1市(静岡、石川、福井、富山、新潟、長野、愛知、岐阜、三重の9県、名古屋市)の知事、市長によるオンラインの連絡会議を静岡県知事のみが欠席、静岡県は危機管理監が代理出席した。
川勝平太知事は被災地支援会議よりも静岡新聞社・静岡放送主催の新年会を優先したのである。
1月25日公開の現代ビジネス記事で、被災地支援会議を欠席したお粗末な言い訳とともに、悠長に出席した新年会のあいさつで、近い将来に起きることが予想される南海トラフ地震へのあまりにも甘い認識について詳しく紹介した。
ただ、緊急を要する重大な公務を欠席してまで、川勝知事が副知事2人を従えて、静岡新聞社・静岡放送主催の新年会を優先した本当の理由はさっぱりわからなかった。
いろいろ調べていて、静岡県広報紙「しずおか県民だより」2024年1月1日号を開いてみると、そのなぞが一気に解けた。
その見開きページは、新春知事インタビューとなっていた。
何と、そのインタビュアーは、川勝知事べったりのリニア偏向報道を続けてきた元静岡新聞論説委員長の中島忠男氏だったのである。
川勝知事と中島氏の親密さがうかがえる写真を掲載した静岡県広報紙(筆者撮影)
中島氏と川勝知事との親密な関係を誇示するような写真も掲載されていた。
中島氏は昨年6月、静岡新聞社を退社して、同社関連の広告代理店、保険代理店などの業務を行うSBSプロモーション(本社・静岡市)常務取締役に就いている。
SBSプロモーションは主に静岡新聞社、静岡放送と連携して広告営業事業などを行い、静岡県からも広告、イベント事業などを請け負っている。
つまり、静岡県の「利害関係者」となる。
静岡県は「利害関係者」との接触について職員倫理条例などで細かく定めている。
中島氏は常務取締役として、ふだんは同社の営業活動を行っているのであり、川勝知事との親密な関係を見れば、静岡県事業で同社に中島氏を通じて何らかの便宜供与があると取られてもおかしくないだろう。
また、県職員らは、中島氏と川勝知事との親密な関係を見れば、中島氏の営業活動に対してさまざまな忖度をする恐れも高い。
つまり、そのような疑いを抱かれるのを承知してまで、川勝知事は中島氏をインタビュアーに起用したかったようだ。
「利害関係者」中島氏がインタビュアーを務めた静岡県広報紙(筆者撮影)
それだけ、川勝知事は、中島氏に何か強い恩義を感じているのだろう。
だから、静岡新聞社・静岡放送主催の新年会となれば、たとえ重大な公務であれ、万難を排して出席しなければならなかったのでは、と推測される。
実際のところはどうか、事実関係を確認してみた。
担当の静岡県広報課によると、しずおか県民だよりはタブロイド版8ページで毎月1回、90万部発行されている。そのうち85万部が新聞折り込みで各家庭に配布され、残りの5万部は県庁、図書館などの公共機関に置かれているという。無料配布であり、県予算が使われている。
インタビューは昨年11月中頃に知事室で行われたという。
中島氏をインタビュアーに起用したのは、静岡新聞社政治部記者として川勝知事の初当選から県政を取材してきた新聞記者だからとの説明を受けた。
県政取材をしてきた記者などいくらでもいるのだから、この説明ではどのような理由による指名なのか全くわからない。
今回の報酬額がいくらだったかは知らないが、知事インタビュー記事を読めば、元新聞記者としての教養、知識などにあまりにも欠けていることがわかる。
【後編】『静岡県広報紙のインタビュアーに「利害関係者」を起用した川勝知事の「デタラメぶり」に衝撃を受ける納得の理由』で詳しく解説する。
川勝知事が連絡会議に欠席し、新年会を優先したことに通ずる「浅はかさ」が見えてくる。

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