度重なる電話と男の訪問で「催眠状態」の女性、190万円だまし取られる…詐欺見破った経験も裏目

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特殊詐欺の被害者は高齢者が多数を占める。
約190万円をだまし取られた兵庫県川西市の女性(74)が取材に応じ、「催眠術で操られたみたいだった」と被害に遭った状況を語った。
昨年10月中旬の午前10時頃、自宅に大手小売店の従業員を名乗る男から「あなたのクレジットカードを使っている人がいる」などと電話がかかってきた。その後は午後6時頃まで、30分に1回のペースで警察官やクレジット消費者協会をかたる男からの連絡が相次ぎ、複数回にわたって男が自宅を訪問。キャッシュカードとクレジットカード計6枚を渡し、暗証番号を電話で伝えた。翌朝、銀行からの連絡で被害を知った。
なぜだまされたのか。電話で「自宅がばれている」などと不安をあおり、冷静な判断をさせない犯罪グループの狡猾(こうかつ)さ。過去にオレオレ詐欺を見破って警察に通報したことがあり、「自分は引っかからない」という過信。女性は二つの要因を挙げる。
兵庫県警によると、被害者の多くは自らを責め、口をつぐむという。女性もふさぎ込んだ時期があった。県警から「できるだけ周りに話をして」と言われ、「少しでも被害を減らせるなら」と話すようになった。
女性は「悲しみより、夜も眠れないほど悔しかった。そんな思いをしてほしくない」と願っている。

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