「盗撮してただろう。警察行くこともできるけどイヤでしょ。慰謝料いくら出すの?」
ユーチューバーたちは、こう言って駅近くで男性を脅したという。
1月16日、神奈川県警戸部署は恐喝未遂の疑いでともに無職の高井敬士(33、横浜市神奈川区)と佐藤正明(34、同市鶴見区)の両容疑者を逮捕した。2人は犯罪をしたとみなした一般人を捕まえ警察へ引き渡す、いわゆる私人逮捕系ユーチューバー。「R探偵」を名乗り動画を投稿していた。
「『R探偵』のチャンネルで両容疑者は、自分たちを〈趣味は人間観察と心理学、特に仮説を複数立てたり、人の行動理由(こだわっているモノ)から隠された考えを読み解く事〉と紹介しています。チャンネル登録者数は1万2000人ほど。これまでに約20本の動画をあげていました」(ネットに詳しいライター)
逮捕容疑の事件は、昨年8月15日の夜8時半過ぎに起きた。佐藤容疑者らはJR横浜駅で、女性のスカートの中を盗撮している男性会社員を発見。駅近くで男性を取り押さえ、こう話し口止め料を要求したとされる。
「手を痛めた。盗撮してただろう。見ていたよ。警察行くこともできるけど、それはイヤでしょ。慰謝料いくら出すの?」
しかし、男性は盗撮をすんなり認め両容疑者とともに横浜駅東口の交番に行ったため金銭は払わなかったという。
「逮捕された男性の供述から、警察は佐藤容疑者と高井容疑者を恐喝未遂の疑いで捜査していました。今年1月16日に、両容疑者は盗撮をしていたとされる別の男性を横浜駅で捕まえ相鉄口交番を訪問。逮捕令状を見せられ、そのまま身柄を拘束されたんです。調べに対し2人は『自分たちからカネを要求していない』『恐喝はしていない』などと容疑を否認しています」(全国紙社会部記者)
私人逮捕系ユーチューバーの事件が続発している。昨年11月には、チケットを高額転売しているとみなした無実の女性をネット上に晒した男を名誉毀損の疑いで逮捕。同月には、覚醒剤取締法違反の疑いで男性有名ユーチューバーが捕まっているのだ。
「私人逮捕系ユーチューバーは、ネット情報を頼りにするなど裏づけが甘い。無実の人が顔を晒されることも多く『やりすぎだ』と批判を浴びています。そもそも逮捕の権限は、基本的に警察官や検察官に限られているんです。
たとえ正義感にかられての行動だとしても、私人逮捕系ユーチューバーの行動は過剰といえるでしょう。公開された動画は『デジタルタトゥー』となり簡単には消えません。なんの罪もない人の顔が『私人逮捕』の名目で晒され続ける危険性があるんです」(同前)
私人逮捕系ユーチューバーの過激な言動は社会問題化しつつある。警察は取り締まりを強化している。