【小林 弘幸】話題の「リベンジ夜更かし」で最悪うつ病になることも… 心身に悪影響を与える「負のスパイラル」

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最近、インターネットで流行語になっている「リベンジ夜更かし」。日中、自由になる時間がなかった人が、不満足感を解消させるために夜更かしをしてしまうことを指す言葉だ。これに警鐘を鳴らすのは、新刊『自律神経の名医が教える集中力スイッチ』を出版した小林弘幸氏。「リベンジ夜更かし」がいかに心身に悪影響を及ぼすか、解説してもらった。
ここ最近、「リベンジ夜更かし」なる言葉を耳にするようになりました。「報復性夜更かし」とも呼ぶそうです。
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これは、日中に自由な時間を得られなかった人が、夜更かしをして自由な時間を獲得する行為のことを指します。「○○したかったのにできなかった」という思いから生まれる欲求不満やストレスを、寝る前に(おもに布団にもぐってから)解消させようとすることです。
リベンジは、相手から傷つけられたり不当な扱いを受けたりしたことに対し、仕返しをする行為を意味しますが、日本ではスポーツの試合で負けた相手に次の試合で勝利を収めることや、失敗したことやうまくいかなかったことに再挑戦して成功することなど、前向きな意味合いで使用されるケースも目立ちます。
リベンジ夜更かしも、仕返しや復讐といった後ろ向きの意味合いではなく、失ったものを自分の努力で取り戻すという、どちらかというとプラス思考から生まれる行為に対して使われている印象です。
日中は仕事が忙しくて自分の時間を作れなかったという人たちが、帰宅して家事、食事、入浴といった“なすべきこと”をひととおりこなし、ひとりになれたタイミングで、SNSやネットニュースのチェック、動画の視聴、ネットショッピング、読書、音楽鑑賞などに興じるわけです。
その瞬間、おそらく心は満たされることでしょう。しかし、一日(点)ではなく、日常生活という長いスパン(線)で考えると、リベンジ夜更かしは歓迎できる行為とはいえません。翌日以降に、大きな代償を払う必要が出てくるからです。
リベンジ夜更かしとはすなわち、睡眠時間を削る行為のことです。人間は良質な睡眠をとらないと、心身にさまざまな悪影響が生じます。
体内時計の夜型化が進み、朝の目覚めが悪くなります。これが、疲労、倦怠感、無気力などにつながっていくのは自明の理です。睡眠不足は脳の活動を減退させるので、集中力や注意力の欠如、情緒不安定、判断力の低下など、メンタル面にも多大な影響を与えます。
すると、リベンジ夜更かしをした翌日のパフォーマンスの質は一気に落ちます。そうなると再び「日中にやりたいことができなかった」となり、またしても夜更かしをしてしまうという、負のスパイラルに陥りやすくなります。最悪の場合、うつ病になってしまうことさえあるのです。
また、睡眠不足が、高血圧、糖尿病、心筋梗塞、脳梗塞、がんなど、ありとあらゆる病気のリスクを高めることもわかっています。
ポーランド国内の大学生や一般人766名を対象としたオンライン調査によると、男性よりも女性、高齢者よりも若者、働いていない人よりも働いている人、非学生よりも学生が、夜更かしをしがちだそうです。
自覚のある方は、まずはしっかり睡眠をとること、そして規則正しい生活をすることを心がけ、持続集中力の土台を築いていきましょう。
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〈「寝る前スマホ」はやはり最悪だった…「脳の負荷」を 減らすために身につけたい「新しい習慣」〉では、リベンジ夜更かしでやりがちな「寝る前スマホ」が心身に与える悪影響について、より詳しく見ていきます。

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