山口組分裂の「停戦の使者」と取り沙汰されてきた「浪川総裁」の逮捕劇

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ヤクザの身分を隠して会社の設立登記をさせたとして、大阪府警は13日、指定暴力団・浪川会(本部:福岡県大牟田市)のトップ・浪川政浩総裁(67)や不動産業の男(44)ら3人を電磁的公正証書原本不実記録などの疑いで逮捕した。浪川総裁といえば、山口組分裂の「停戦の使者」などと取り沙汰されたり、またガーシー(東谷義和)前参議院議員との縁が伝えられたりしたこともある人物。総裁率いる浪川会は、暴力団受難の時代においていまなお金に困っていない組織だとの定評がある。この資金力豊富な組織トップの逮捕に注目が集まっている。
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「大阪市内にエステサロンを運営する株式会社を設立する際、発起人は浪川総裁と不動産業の男だったにもかかわらず総裁の名前を記載せず、大阪法務局に書類を提出して登記したとして電磁的公正証書原本不実記録などの疑いが持たれています。時期は2019年3~4月とのことです。この会社は現在、登記上は福岡県内に移転しており、大阪府警は“会社から浪川総裁側に資金が流れた”可能性を指摘しています」
と、担当記者。
福岡県内に指定暴力団は5つあるが、暴力団員と準構成員等を合わせた数は、浪川会が道仁会、工藤会に次いで3番目となっている。資金力豊富な組織を運営する浪川総裁は6代目山口組と神戸山口組、池田組などとパイプを持つことから抗争終結のための「停戦の使者」と見なされたこともある一方で、さまざまな業界に繋がりを持つとされる。近年は、暴力行為法違反(常習的脅迫)などの罪に問われた前参院議員のガーシーこと東谷義和被告との関係の深さが取り沙汰されたこともあった。
「同時に逮捕された不動産業の男は全国に30店舗を展開する風俗グループのトップを務めてきた人物で、風俗店の乗っ取りをめぐってトラブルになったこともあったようです。この男が浪川会の威光をバックに風俗店を経営し、その見返りにカネを還流させていたのではないかと府警はみているとの指摘もありました」(同)
そもそも発起人とは、株式会社の設立を企図し、資本金を出資した人物のことを指す。株式会社の設立が完了した際には株主となる。
「浪川総裁が発起人であったのが事実なら、この会社の株主となっているはずで、その意思決定に深く関わっている可能性が高いと府警はみており、身柄を取って調べるべきだと考えたのでしょう」(同)
当局の狙いを総裁側は察知していたのか、竹垣悟氏(NPO法人主宰、元山口組系暴力団組長)によると、
「逮捕当日の13日、浪川総裁はオーストラリアへ旅立つ予定だったと聞きました。電磁的公正証書原本不実記録などの逮捕容疑はあくまでも“入口”的なもので、実際は浪川会の資金構造をつまびらかにしたいという当局の狙いがあるのでしょう」
もっとも、仮に怪しいカネの流れがあったとしても簡単に捕捉されるようなものではなさそうで、起訴に持ち込むことは難しいとの見方が強いようだ。
デイリー新潮編集部

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