海老名の「いきものがかり」聖地は本日閉店…水野良樹さんは「本当に、本当にありがとう」

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神奈川県央地域出身の人気バンド「いきものがかり」をメジャーデビュー前から応援し、ファンから“聖地”と親しまれてきた海老名市のレコード店「新星堂海老名店」が14日、閉店する。
小田急と相鉄の海老名駅前にあって地域住民にも親しまれたが、CD不況の波にあらがえなかった。メンバーもSNSで感謝と惜別のメッセージを寄せている。(佐野真一)
同店には「いきものがかり」のコーナーが常時設けられ、ファンが思いを書き込むノート「いきものーと」が置かれている。閉店の迫る11日、ノートに別れの言葉をつづっていた座間市の会社員(35)は「いきものがかりのCDはずっとここで買ってきた。本当に悲しい」と話した。
バンドと同店の関わりは2005年頃から。海老名駅前で同店前でもある高架歩道で路上ライブをしていた彼らの曲に、当時店長だった前田教裕さん(60)が心をひかれ、「うまいね」と声をかけたことが始まりだった。当時から現在まで特設コーナーを担当する店員の鎌田弥代さん(65)が「ファンの思いを字に残してメンバーにも伝えられたら」とノートを発案した。
バンドは06年に「SAKURA」でメジャーデビューし、すぐに大ヒット。同店には海外からもファンが訪れるように。ボーカルの吉岡聖恵さんの母校・県立海老名高で軽音部の後輩にあたる座間市の会社員(24)は「高校時代からここが癒やしの場所だった」と振り返る。ノートは何冊かまとまるとメンバーに届けており、現在は73冊目になった。
しかし時代の変化で経営は下降。昨年2月に同店長となった菊地俊行さん(62)は「大切な場所を残すために、何とか立て直す」と様々な策を講じたが、無念の閉店が決まった。今月5日に店のX(旧ツイッター)で告知すると、メンバーの水野良樹さんは自身のXで「本当に、本当にありがとうございました」と感謝を寄せた。
最終日の14日、「店内はファンであふれかえるかもしれません」と菊地さん。午後9時の閉店前にはカウントダウンを行い、ファンとメンバーの新たな歴史が幕を開ける。
■レコード店10年で半減
日本レコード協会(東京)によると、音楽CDの生産金額は1998年に約5878億円とピークを迎えた。いきものがかりがメジャーデビューした2006年には約3445億円まで減少し、音楽配信が定着した22年には約1298億円まで落ち込んでいる。
レコード店は11年末には全国で6239店あったが、22年末には2889店と半分以下に。同協会の担当者は「インターネットの発達した現代には路面の店舗は厳しい」とこぼすが、「店舗では思わぬ1枚との出会いもある。リアルの良さも感じてほしい」という。
◆いきものがかり=温かな歌詞と爽やかなメロディーで幅広い世代に人気のバンド。いずれも海老名市出身でギターの水野良樹(41)と山下穂尊(41)が1999年2月に結成し、同11月に厚木市出身のボーカル吉岡聖恵(39)が加入。現在は水野と吉岡の2人組。メジャーデビュー曲の「SAKURA」は、小田急線の海老名駅で発着メロディーに採用されるなど、地元との関わりも深い。

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