坊っちゃん列車運休 松山市のアンケは「見切り発車」? 一部で批判

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昨秋から人手不足などで運休している伊予鉄道(本社・松山市)の人気観光列車「坊っちゃん列車」を巡って、松山市の対応が「見切り発車」だと一部で批判が出ている。財政支援の是非を問う市民アンケートを無料通信アプリ「LINE」で年末年始に実施したが、「反対への誘導を感じる」と質問内容などに疑問を抱く市民も。調査結果を公表するかなど検討中の事項が多く、混乱を招いている。
【写真】一時的な運休が決まり、早々に満員になった坊っちゃん列車
アンケートは、野志克仁市長や伊予鉄グループの清水一郎社長、観光・金融関係者らによる会合「坊っちゃん列車を考える会」で共有する目的で実施。市の公式LINEに登録している約9万5000人を対象に、2023年12月29日~24年1月8日に回答を募った。アンケートの質問は、坊っちゃん列車に乗ったことがあるかなどを含めた計8項目。「はい」「いいえ」などで回答する形式で、純粋に運行再開の賛否のみを聞いたり、意見を自由記述する項目はなかった。
市による支援の是非を問う項目については、列車運行による伊予鉄の赤字額(年間約2300万~約1億)を明記したうえで、「運行再開には赤字の解消へ松山市の支援が必要な状況です。税金を活用して支援した方がいいと思いますか」と質問。老朽化した車両の製作費(約3億円)が必要なことを示した上で、税金投入の是非を問う質問もあった。
市は質問内容について「具体的な金額を提示した方が分かりやすいと思った」と説明するが、市民からは「反対に導きたいような意図を感じる」などの意見も。LINEで実施した点に関しても「アプリを使えない高齢者らは回答できず、市民の意見として扱われるのはおかしい」などの声も聞かれた。市は回答者が限定的となるLINEを使った理由について、会合を早期に開催するために「(結果判明の)迅速性などを重視した」などと説明。「今後、更に幅広く意見を聞くことも考えている」としている。
坊っちゃん列車の対応を巡って、市は当初「残念です。再開を期待します」と静観していた。だが、松山市長時代に坊っちゃん列車運行開始に関わった中村時広知事から「行政としてできることは話し合う必要がある」と促されると「考える会」を設置するなど、後手後手の姿勢が目立っている。野志市長は9日の定例記者会見でアンケートについて「次の会合の早期開催に向けて参考にするもので、(あえて)対象や調査項目を限定した」と強調。赤字を提示した質問内容についても問題ないとの認識を示した。次回会合の日程は未定という。【広瀬晃子】

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