北朝鮮ミサイルが理由ではなかった”雨雲切り裂き画像”の原因は?

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北朝鮮から弾道ミサイルが発射された今月4日、北海道の函館付近を映した気象庁の気象レーダーの画像には雨雲を切り裂いたような切れ目がありました。「ミサイルの軌道ではないか」という投稿も相次ぎました。しかし、これは気象レーダーから発せられる電波が山に遮られることによって雲を観測できない部分が映ったもので、ミサイルとは無関係でした。この「雨雲の切れ目」、普段からおこる現象で関東や東北地方に設置されている雨雲レーダーでもよくおこる現象です。

気象庁によりますと気象レーダーはアンテナを回転させながら電波を発射して反射して戻ってくる電波を解析することで、雨や雪の強さや場所、風向きなどを観測するもので天気予報や警報・注意報の発表などに利用されています。気象庁は全国各地に気象レーダーを設置しています。北海道では釧路、札幌、函館、本州では秋田、仙台、新潟、長野、東京、静岡、福井、名古屋、大阪、松江、広島、四国では室戸岬、九州では福岡と種子島、沖縄・奄美地方では、名瀬、沖縄、石垣島の合わせて20か所にあり、ほぼ全国をカバーしています。■3か所のレーダーは「切れ目」が“出やすい”気象庁によりますと全国にある20の気象レーダーのうち3か所で「切れ目」が出やすいといいます。ひとつは、今回話題となった北海道・横津岳にある「函館レーダー」です。以前は函館山に気象レーダーが設置されていましたが標高が低くレーダーの電波が届かない地域が多かったため、1992年10月、横津岳に移設されました。しかし、横津岳の山頂にはすでに国土交通省(当時の運輸省)の航空路監視レーダーがすでに設置されていたため、やむをえず山頂より低い場所に気象レーダーを置いたということです。当時、「これ以上適した場所はなかった」といいます。2つ目は、宮城県仙台市の仙台管区気象台にある「仙台レーダー」、そして3つ目は、千葉県柏市の気象大学校内にある「東京レーダー」です。これらの気象レーダーでなぜ「切れ目」が発生しやすいのでしょうか?その理由は街の「都市化」が影響しているといいます。気象レーダーの周辺に高層ビルなど高い建物が建設され、電波を遮ることで観測が困難なエリア「遮へい域」ができるといいます。この「遮へい域」が「雨雲の切れ目」となって映し出されているのです。「東京レーダー」は、かつて東京・大手町にあった気象庁に設置されていましたが、まわりに次々と高層ビルが建設されて電波が遮られてしまう範囲が広くなったため、現在の千葉県柏市に移設したということです。天気予報や防災情報の発表に欠かせない気象レーダーですが、その設置場所の選定は難しいそうです。電波を遮る障害物のない見通しが良い場所が適しているのは言うまでもありませんが、例えば、山の山頂に設置するとなると、そこに既存の施設がないか?山頂まで電気を供給することが出来るか?整備・点検に行くための道はあるのか?などハードルは多いため、気象レーダーの候補地となる場所は限られてくるそうです。さらに気象レーダーの観測では、こんな事もあるそうです。気象レーダーから出された電波は地上にある構造物にぶつかることなどによって、本当は降水がない場所にもかかわらず、雨が降っていると「勘違い」することがあります。スキー場のリフトやゴンドラ、風車、木の葉などの動きを雨だと勘違いしてしまうこともあるそうです。現在、気象庁は全国各地の気象レーダーを最新のものに切り替える作業を順次おこなっていて、こうした「勘違い」も、ほぼ改善されるということです。今回の「雨雲の切れ目」は気象レーダーの電波が届かない、いわば観測が困難なエリアになってしまいますが心配はありません。アメダスの観測データを利用したり国交省の気象レーダーなどを使ってカバーすることで、警報など防災気象情報の発表に影響はないということですが気象庁の担当者は観測ができない「“空白”をなくしていきたい」と話しています。
北朝鮮から弾道ミサイルが発射された今月4日、北海道の函館付近を映した気象庁の気象レーダーの画像には雨雲を切り裂いたような切れ目がありました。
「ミサイルの軌道ではないか」という投稿も相次ぎました。
しかし、これは気象レーダーから発せられる電波が山に遮られることによって雲を観測できない部分が映ったもので、ミサイルとは無関係でした。
この「雨雲の切れ目」、普段からおこる現象で関東や東北地方に設置されている雨雲レーダーでもよくおこる現象です。
気象庁によりますと気象レーダーはアンテナを回転させながら電波を発射して反射して戻ってくる電波を解析することで、雨や雪の強さや場所、風向きなどを観測するもので天気予報や警報・注意報の発表などに利用されています。
気象庁は全国各地に気象レーダーを設置しています。
北海道では釧路、札幌、函館、本州では秋田、仙台、新潟、長野、東京、静岡、福井、名古屋、大阪、松江、広島、四国では室戸岬、九州では福岡と種子島、沖縄・奄美地方では、名瀬、沖縄、石垣島の合わせて20か所にあり、ほぼ全国をカバーしています。
気象庁によりますと全国にある20の気象レーダーのうち3か所で「切れ目」が出やすいといいます。
ひとつは、今回話題となった北海道・横津岳にある「函館レーダー」です。
以前は函館山に気象レーダーが設置されていましたが標高が低くレーダーの電波が届かない地域が多かったため、1992年10月、横津岳に移設されました。
しかし、横津岳の山頂にはすでに国土交通省(当時の運輸省)の航空路監視レーダーがすでに設置されていたため、やむをえず山頂より低い場所に気象レーダーを置いたということです。
当時、「これ以上適した場所はなかった」といいます。
2つ目は、宮城県仙台市の仙台管区気象台にある「仙台レーダー」、そして3つ目は、千葉県柏市の気象大学校内にある「東京レーダー」です。
これらの気象レーダーでなぜ「切れ目」が発生しやすいのでしょうか?その理由は街の「都市化」が影響しているといいます。
気象レーダーの周辺に高層ビルなど高い建物が建設され、電波を遮ることで観測が困難なエリア「遮へい域」ができるといいます。この「遮へい域」が「雨雲の切れ目」となって映し出されているのです。
「東京レーダー」は、かつて東京・大手町にあった気象庁に設置されていましたが、まわりに次々と高層ビルが建設されて電波が遮られてしまう範囲が広くなったため、現在の千葉県柏市に移設したということです。
天気予報や防災情報の発表に欠かせない気象レーダーですが、その設置場所の選定は難しいそうです。
電波を遮る障害物のない見通しが良い場所が適しているのは言うまでもありませんが、例えば、山の山頂に設置するとなると、そこに既存の施設がないか?山頂まで電気を供給することが出来るか?整備・点検に行くための道はあるのか?などハードルは多いため、気象レーダーの候補地となる場所は限られてくるそうです。
さらに気象レーダーの観測では、こんな事もあるそうです。
気象レーダーから出された電波は地上にある構造物にぶつかることなどによって、本当は降水がない場所にもかかわらず、雨が降っていると「勘違い」することがあります。スキー場のリフトやゴンドラ、風車、木の葉などの動きを雨だと勘違いしてしまうこともあるそうです。現在、気象庁は全国各地の気象レーダーを最新のものに切り替える作業を順次おこなっていて、こうした「勘違い」も、ほぼ改善されるということです。
今回の「雨雲の切れ目」は気象レーダーの電波が届かない、いわば観測が困難なエリアになってしまいますが心配はありません。

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