摘発が相次いだ「ハプニングバー」逮捕された人の意外な「その後」と、常連客たちが「それでも通い続ける」ワケ

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有名店が次々に摘発された2023年は「夜の町」で様々な事件が起きた。ホストクラブやトー横、頂き女子などが大きな話題を呼んだが、よりディープな場所でも「異変」が起きていた。界隈では名の知れた「ハプニングバー」が摘発されたのだ。10月28日夜、新宿区のハプニングバー(以下、ハプバー)が摘発され、経営者の男と従業員の男女6人が逮捕された。2022年にも有名大型店が摘発されており、ハプバーへの風当たりは厳しくなっているようだ。

ところが、そんな状況でもハプバーは賑わいを見せており、過疎化することもないという。「ハプニングバー観光大使」を名乗って活動を続けている「たぴさん」(@everydaypien)に、界隈で何が起きていたのかを聞いた。photo by gettyimagesそもそもハプバーとは一体どういった業態で、何をする場所なのか。「ハプバーは基本的に、その場に集う男女たちが猥談を楽しみながらお酒を飲んだり、お互いの性癖を暴露しあったりする場所です。さらにフィーリングがあえば、ホール内か店の奥にある『プレイルーム』で性行為ができる。つまり、お酒の場とラブホテルが合体した場所、という認識で良いと思います」(たぴさん、以下同)たぴさんは普段、SNSでハプバーについての情報発信をしているほか、初心者の女性の案内人もつとめている。「警察です。ガサに入りにきました」「興味はあるけど一人で行くのは怖い、という人向けに投稿をしています。自分はもともと六本木なんかで可愛い港区女子と飲むのが好きだったんですが、3年ほど前にもっとカオスな体験がしたいと思うようになった。そうして通うようになったのが、ハプバーでした。港区女子が男性に求めるのはお金やステータスですが、ハプバーは金持ちがモテるわけではない。平等に、みんなが自分をさらけ出す場所なんです」しかし心だけならまだしも、衣服を脱いで裸になることは法が許さない。そうした店でたびたび起きるのが「摘発」だ。「ハプバーは風俗店とは違って、『飲食店』として営業しています。めったにないことですが、公然わいせつで摘発されることもあるのです。とはいえ警察も、すべての店を摘発しようとしているわけではありません。ここ数年で摘発が入った店では、税金関係やクスリ系の別の疑惑があったと聞いています」多い時は週6でハプバーに足を運ぶという、たぴさん。いまだに摘発に遭遇したことはないというが、「むしろ摘発を体験してみたい」と笑う。たぴさんの元には、様々なハプバー業界の情報が集まってくる。新宿区の有名店の摘発時に居合わせた常連客Aさんからも、当時の状況について証言が寄せられていた。「異変が起きたのは21時ごろ。男2名と女1名が土足で踏み込んで来て、先頭の男が『動くな。飲み物にも手をつけるな』と大声を出したそうです。彼らは携帯のカメラで店内の撮影もしていました。カウンターの奥にいた男性が『何なんだよ!』と抗うと、先頭の男が『警察です。ガサに入りにきました』と言う。さらに2人目の男がすかさず『あくまでお店が悪くて、お客さんたちは悪くないんで、協力だけお願いします』と話しましたが、入り口付近では店員と警察官が取っ組み合いになっていたとか。その後、約10人の私服警察官が腕章をつけながら入店、さらに約10人の警察官が加わって事情聴取が始まったそうです」摘発があるかは“運”でしかない最終的には15名の客に対して、40人ほどの警察官が対応していたという。いったいどんな取り調べが行われたのか。たぴさんがAさんから聞いた内容を紹介しよう。まずは、名前、生年月日、住所、電話番号といった個人情報を書かされる。そのうえで、以下のような内容を調査用紙に書いていったという。1この店に何回来たことがあるのか2この店の業務形態をどう認識しているのか3この店では何が行われていると認識しているのか4この店で今日なにを見たのか5スタッフはそれに対して注意などをおこなったのか6二度とこのような形態の店には来ないと誓うこと7書名と人差し左指の拇印「これらを書き終わったら、コスプレしていた人は着替えて、警察の指示するタイミングで外に出されたそうです。『もうこんなお店には来ないようにお願いしますね』と口頭で念押しされたと、Aさんは語っていました」Aさんは最後に署名をさせられたのちに身柄を解放されたようだが、中には手錠をかけられた従業員や客もいたという。なにが明暗を分けたのか。「踏み込まれた時点で陰部を出していたり、性行為をしていたり等が確認されると“公然わいせつ罪”の対象となります。逆に言えば、酒を飲んでいただけの人や、陰部を隠していた人は大きな罪には問われない。摘発は大きなニュースになりますが、逮捕される人はごく一部。社会生活に支障をきたすほどではないんです」そうした事情もあるからか、摘発がニュースになろうとハプバーは変わらず賑わっているのだ。たぴさんは持論を展開する。「事故が怖いからといって車に乗らない、飛行機に乗らない人っていますか? ハプバーも同じ。摘発があるかどうかは、宝くじのような“運”でしかない。みんなリスクは承知のうえで、楽しみにきているのです」ハプニングバーの常連客ともなれば、摘発さえも「ハプニング」として捉えられるのかもしれない。・・・・・『新宿の人気店摘発後「ハプニングバー」で起きた「驚きの現象」と、常連客の「レベルが高すぎる遊び方」』に続く…
2023年は「夜の町」で様々な事件が起きた。ホストクラブやトー横、頂き女子などが大きな話題を呼んだが、よりディープな場所でも「異変」が起きていた。
界隈では名の知れた「ハプニングバー」が摘発されたのだ。10月28日夜、新宿区のハプニングバー(以下、ハプバー)が摘発され、経営者の男と従業員の男女6人が逮捕された。2022年にも有名大型店が摘発されており、ハプバーへの風当たりは厳しくなっているようだ。
ところが、そんな状況でもハプバーは賑わいを見せており、過疎化することもないという。「ハプニングバー観光大使」を名乗って活動を続けている「たぴさん」(@everydaypien)に、界隈で何が起きていたのかを聞いた。
photo by gettyimages
そもそもハプバーとは一体どういった業態で、何をする場所なのか。
「ハプバーは基本的に、その場に集う男女たちが猥談を楽しみながらお酒を飲んだり、お互いの性癖を暴露しあったりする場所です。さらにフィーリングがあえば、ホール内か店の奥にある『プレイルーム』で性行為ができる。つまり、お酒の場とラブホテルが合体した場所、という認識で良いと思います」(たぴさん、以下同)
たぴさんは普段、SNSでハプバーについての情報発信をしているほか、初心者の女性の案内人もつとめている。
「興味はあるけど一人で行くのは怖い、という人向けに投稿をしています。自分はもともと六本木なんかで可愛い港区女子と飲むのが好きだったんですが、3年ほど前にもっとカオスな体験がしたいと思うようになった。そうして通うようになったのが、ハプバーでした。
港区女子が男性に求めるのはお金やステータスですが、ハプバーは金持ちがモテるわけではない。平等に、みんなが自分をさらけ出す場所なんです」
しかし心だけならまだしも、衣服を脱いで裸になることは法が許さない。そうした店でたびたび起きるのが「摘発」だ。
「ハプバーは風俗店とは違って、『飲食店』として営業しています。めったにないことですが、公然わいせつで摘発されることもあるのです。
とはいえ警察も、すべての店を摘発しようとしているわけではありません。ここ数年で摘発が入った店では、税金関係やクスリ系の別の疑惑があったと聞いています」
多い時は週6でハプバーに足を運ぶという、たぴさん。いまだに摘発に遭遇したことはないというが、「むしろ摘発を体験してみたい」と笑う。
たぴさんの元には、様々なハプバー業界の情報が集まってくる。新宿区の有名店の摘発時に居合わせた常連客Aさんからも、当時の状況について証言が寄せられていた。
「異変が起きたのは21時ごろ。男2名と女1名が土足で踏み込んで来て、先頭の男が『動くな。飲み物にも手をつけるな』と大声を出したそうです。彼らは携帯のカメラで店内の撮影もしていました。
カウンターの奥にいた男性が『何なんだよ!』と抗うと、先頭の男が『警察です。ガサに入りにきました』と言う。さらに2人目の男がすかさず『あくまでお店が悪くて、お客さんたちは悪くないんで、協力だけお願いします』と話しましたが、入り口付近では店員と警察官が取っ組み合いになっていたとか。
その後、約10人の私服警察官が腕章をつけながら入店、さらに約10人の警察官が加わって事情聴取が始まったそうです」
最終的には15名の客に対して、40人ほどの警察官が対応していたという。いったいどんな取り調べが行われたのか。たぴさんがAさんから聞いた内容を紹介しよう。
まずは、名前、生年月日、住所、電話番号といった個人情報を書かされる。そのうえで、以下のような内容を調査用紙に書いていったという。
1この店に何回来たことがあるのか
2この店の業務形態をどう認識しているのか
3この店では何が行われていると認識しているのか
4この店で今日なにを見たのか
5スタッフはそれに対して注意などをおこなったのか
6二度とこのような形態の店には来ないと誓うこと
「これらを書き終わったら、コスプレしていた人は着替えて、警察の指示するタイミングで外に出されたそうです。『もうこんなお店には来ないようにお願いしますね』と口頭で念押しされたと、Aさんは語っていました」
Aさんは最後に署名をさせられたのちに身柄を解放されたようだが、中には手錠をかけられた従業員や客もいたという。なにが明暗を分けたのか。
「踏み込まれた時点で陰部を出していたり、性行為をしていたり等が確認されると“公然わいせつ罪”の対象となります。逆に言えば、酒を飲んでいただけの人や、陰部を隠していた人は大きな罪には問われない。摘発は大きなニュースになりますが、逮捕される人はごく一部。社会生活に支障をきたすほどではないんです」
そうした事情もあるからか、摘発がニュースになろうとハプバーは変わらず賑わっているのだ。たぴさんは持論を展開する。
「事故が怖いからといって車に乗らない、飛行機に乗らない人っていますか? ハプバーも同じ。摘発があるかどうかは、宝くじのような“運”でしかない。みんなリスクは承知のうえで、楽しみにきているのです」
ハプニングバーの常連客ともなれば、摘発さえも「ハプニング」として捉えられるのかもしれない。
・・・・・
『新宿の人気店摘発後「ハプニングバー」で起きた「驚きの現象」と、常連客の「レベルが高すぎる遊び方」』に続く…

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