「お母さん」倒壊ビルに呼びかける女性 救助活動も 能登半島地震

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元日の能登半島を最大震度7の激しい揺れが襲った。石川県内では大規模な火災や津波被害、多数の家屋やビルの倒壊が発生。今も地震が相次ぎ、被害の全容は見通せていない。
【写真】倒壊した家屋の前で涙する男性 お母さん、お母さん――。石川県輪島市河井町を訪れていた男性(40)は1日夜、倒壊した建物に向かって声を掛ける女性を目撃した。 河井町では7階建てビルが横倒しになった。近くの建物を押しつぶし、付近にいた母子2人が下敷きになったとみられる。富山県から現場近くを訪れていた男性は知人から救助を頼まれたが、「助けてあげたかったが、素人の力ではどうしようもなかった」。

ビルの周囲では親族とみられる女性が動き回りながら、必死に声を掛けていた。当初は返事があったが、次第に聞こえなくなったという。町内では大規模な火災も起きており、救助隊はなかなか現れなかった。男性は「誰も近寄れない状況で、目を向けるのも苦しかった」と振り返った。「母が中に」案じる息子 「母が中にいる」。輪島市門前町道下でも1日夕、倒壊した住宅に閉じ込められた母を案じる息子の姿があった。斜め向かいに住む西村浩和さん(80)によると、周囲で住宅数軒が倒れ、うち1軒で70代女性が逃げ遅れたとみられる。女性は数年前に患った病気の影響で、つえに頼る生活だったという。西村さんは「呼びかけても返事がない……」と安否を気遣った。 救助隊約20人が到着したのは、最初の強い揺れから丸一日が過ぎようとした2日午後3時ごろ。ヘッドライトで家の中を照らし、たんすなどを運び出して救出経路を確保した。1階部分を押しつぶした2階の窓から室内に入り、女性の行方を捜していた。【郡悠介、柴山雄太、林みづき】
お母さん、お母さん――。石川県輪島市河井町を訪れていた男性(40)は1日夜、倒壊した建物に向かって声を掛ける女性を目撃した。
河井町では7階建てビルが横倒しになった。近くの建物を押しつぶし、付近にいた母子2人が下敷きになったとみられる。富山県から現場近くを訪れていた男性は知人から救助を頼まれたが、「助けてあげたかったが、素人の力ではどうしようもなかった」。
ビルの周囲では親族とみられる女性が動き回りながら、必死に声を掛けていた。当初は返事があったが、次第に聞こえなくなったという。町内では大規模な火災も起きており、救助隊はなかなか現れなかった。男性は「誰も近寄れない状況で、目を向けるのも苦しかった」と振り返った。
「母が中に」案じる息子
「母が中にいる」。輪島市門前町道下でも1日夕、倒壊した住宅に閉じ込められた母を案じる息子の姿があった。斜め向かいに住む西村浩和さん(80)によると、周囲で住宅数軒が倒れ、うち1軒で70代女性が逃げ遅れたとみられる。女性は数年前に患った病気の影響で、つえに頼る生活だったという。西村さんは「呼びかけても返事がない……」と安否を気遣った。
救助隊約20人が到着したのは、最初の強い揺れから丸一日が過ぎようとした2日午後3時ごろ。ヘッドライトで家の中を照らし、たんすなどを運び出して救出経路を確保した。1階部分を押しつぶした2階の窓から室内に入り、女性の行方を捜していた。【郡悠介、柴山雄太、林みづき】

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