【独占】「ビッグモーター」新社長に初密着…現役社員が明かす“深い闇”:ガイアの夜明け

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

12月22日(金)に放送された「ガイアの夜明け」(毎週金曜夜10時)のテーマは、「追跡!ビッグモーター」。ガイアのカメラだけが見たビッグモーターの闇とは。和泉信二社長(54)にメディア初の密着取材を敢行。果たして、深い闇に潜む“膿”を出し切ることはできるのか…徹底追跡する。
【動画】「ビッグモーター」新社長に初密着…現役社員が明かす“深い闇”
ガイアだけが見た「ビッグモーターの闇」…“膿”は出し切れるのか!?
10月。埼玉県にある「ビッグモーター熊谷店」に、1台の車がやってきた。降りてきたのは、ビッグモーターの和泉社長。熊谷店は、全国約250店舗の中でトップクラスの営業成績を誇っていたが、その状況は一変してしまった。週末にもかかわらず、お客の姿はわずか。「安心して利用していただけるように体制を立て直していきますので、引き続きよろしくお願いします」。和泉社長は客に頭を下げて回る。
ビッグモーターは、保険金を水増しして不正に請求していたことに加え、除草剤で街路樹を枯らすなどの問題が相次いで発覚。全国に6000人いた社員は、現在5000人ほどに。負の遺産を背負ったのが和泉社長だった。
1976年。兼重宏行前社長は、山口・岩国市で、ビッグモーターの前身となる「兼重オートセンター」を創業。和泉氏は自身の車を売りに岩国店を訪れた際、店長にスカウトされ、23歳で入社。4年目には店長となり、37歳で専務に就任。その後ろ盾になったのが、兼重前社長だった。全国に約250店舗、売上高約6000億円を稼ぎ出していたビッグモーター。併設された広大な展示場で、個人から直接買い取った中古車を並べて販売するのが特徴だ。点検や整備だけでなく、板金・塗装ができる工場も併設。損害保険も扱うなど、車に関する“ワンストップサービス”を全国で展開し、業界トップに昇り詰めた。
その原動力でもあるのが、給与水準の高さだ。去年の採用ホームページには、入社2年目で年収2480万円、5年目で3370万円と書いてあり、ある店長の去年の年収を見せてもらうと、3000万円に迫る額だった。
そのビッグモーターの実権を握っていたのが、兼重前社長と長男の宏一前副社長だ。7月以降、公の場に姿を見せておらず、ガイアの取材班が「兼重前社長とどれくらい会っている?」と聞くと、和泉社長は「今までは月に2回くらい、進捗を…」と答えた。
2000年代中頃から上場を目指してきたビッグモーター。和泉氏も株式を保有していた。しかし、2015年、宏一氏が取締役に就任。和泉氏は徐々に経営の中心から外されていく。その後、上場の方針が撤回され、宏一氏が実権を掌握。和泉氏は株を手放し、ビッグモーター株は事実上、兼重親子が100%保有する形に。
10月。和泉社長は、福岡県にある「ビッグモーター西福岡店」を訪れた。経営の中心から外されていた和泉社長が販売店を訪れるのは、7年ぶりのこと。自らを戒めるように社員に語りかける。
「売り上げを上げるために傷を作出し、保険会社に不正に請求して、それで売り上げていいんですか? 今までみたいに単純に台数、粗利、売ったもん勝ちになっているが、そうじゃなくて、売った後に本当にお客様に満足してもらっているか、1年後もちゃんと関係が切れていないか、そういうプロセスを重視していきたい」。
前体制の下で起きた数々の不祥事。和泉社長は「社長の息がかかった人間が『経営を立て直す』と言っても『それは無理じゃないか』という声が多く上がっているのも承知している。今はまず、会社が新たな再建、スタートできる体制をただただ作りたい。その先のことは、私が責任を取らなきゃいけない」と話す。
保険金の不正請求や除草剤で街路樹を枯らすなど、不祥事はなぜ起きてしまったのか…。現役社員たちの証言から、“ビッグモーターの深い闇”が明らかになる。
「カモにされた…」ビッグ訴えた客が語る中古車買い取りの闇とは?愛知・名古屋市。60代のAさんは、ビッグモーターを相手に裁判を起こしている。去年8月、Aさんは、愛車・アウディのエンジンが故障したため、ビッグモーターに修理を依頼。すると営業担当者の男性から、「アウディには価値はなく、廃車にするしかありません」と説明されたという。話は4時間近く続き、アウディを1万円で下取りに出したAさんだったが、数日後、契約をキャンセルするために担当者を訪ねると、すでにアウディは店からなくなっていたそう。その後、Aさんが運輸局に問い合わせると、アウディは別の業者に転売されていた。アウディを売った日にビッグモーターで購入した軽自動車(103万円)は、シートベルトの根元部分が錆びており、後部座席はシミだらけ。Aさんは、「タバコの臭いがひどかった。劣化したタイヤがついていて、全体に細かいひびが入っている」と話す。過去、ビッグモーターは、中古車の水没歴を告げずに販売したとして、裁判で売買を無効とする判決を下されている。Aさんは「最初からカモにされたなと。『しめしめ』という感じだったんでしょうね。会社として成り立っているのが不思議で仕方がない」と話す。ビッグモーターの一連の問題が発覚した後、Aさんは弁護士に相談。1万円で下取りに出したアウディは100万円以上の価値があり、購入した軽乗用車には25万円ほどの価値しかないと主張している。Aさんは不当な契約を結ばされたとして、ビッグモーターや兼重前社長らに対し、218万円の損害賠償を求める訴えを起こした。ビッグモーターは、他でもこのような裁判を起こされており、今後も訴訟のリスクが膨らむ可能性がある。再建か消滅か…闇の先には!?支援に名乗りをあげた企業も…徹底取材不祥事が相次いで発覚し、資金繰りが急速に悪化しているビッグモーター。支援企業の候補として、中古車販売の「ガリバー」を運営する「IDOM」や、自動車リースを手がける「オリックス」などの名前が浮上していたが、11月17日、大手商社「伊藤忠商事」などが、再建に名乗りを上げた。しかしこの日は「ビッグモーターの再建の可能性を検証する」との発表文が1枚出されたのみ。12月5日、ガイアは伊藤忠商事の岡藤正広会長を直撃した。「伊藤忠にとって、ビッグモーターを買うのはリスクではないのか」。その問いに岡藤会長は「リスクはある」と答える。さらに「一番の問題は、金銭的なものよりもレピュテーションリスク。初めは男気を出して救済のつもりでやったけれども、そのうち叩かれて悪者になることはよくある。だから利益よりも、信用を失うことのないようにしないといけない。5000人の雇用も、我々としては守ってあげたい」と話した。伊藤忠は、輸入車・中古車販売の「ヤナセ」をはじめ「ほけんの窓口」などを傘下に持っているが、企業再生に定評のあるファンドと共にビッグモーターの経営状況を詳細に分析し、来年春までに支援するか判断するという。創業家が今後も関与するかどうかが再建のカギを握るため、和泉社長は月に数回、兼重前社長と話し合いを続けてきた。「今は『ビッグアセット』(前社長の資産管理会社)が株式を保有している。それを手放してもらう。理解を得るための話し合い」と和泉社長は話す。伊藤忠側は創業家の関与をなくすため、ビッグモーターを2分割にし、中古車事業の大半を引き継ぐ新会社の買収案を検討している。この放送が見たい方は「テレ東BIZ」へ!
「カモにされた…」ビッグ訴えた客が語る中古車買い取りの闇とは?愛知・名古屋市。60代のAさんは、ビッグモーターを相手に裁判を起こしている。去年8月、Aさんは、愛車・アウディのエンジンが故障したため、ビッグモーターに修理を依頼。すると営業担当者の男性から、「アウディには価値はなく、廃車にするしかありません」と説明されたという。話は4時間近く続き、アウディを1万円で下取りに出したAさんだったが、数日後、契約をキャンセルするために担当者を訪ねると、すでにアウディは店からなくなっていたそう。その後、Aさんが運輸局に問い合わせると、アウディは別の業者に転売されていた。アウディを売った日にビッグモーターで購入した軽自動車(103万円)は、シートベルトの根元部分が錆びており、後部座席はシミだらけ。Aさんは、「タバコの臭いがひどかった。劣化したタイヤがついていて、全体に細かいひびが入っている」と話す。過去、ビッグモーターは、中古車の水没歴を告げずに販売したとして、裁判で売買を無効とする判決を下されている。Aさんは「最初からカモにされたなと。『しめしめ』という感じだったんでしょうね。会社として成り立っているのが不思議で仕方がない」と話す。ビッグモーターの一連の問題が発覚した後、Aさんは弁護士に相談。1万円で下取りに出したアウディは100万円以上の価値があり、購入した軽乗用車には25万円ほどの価値しかないと主張している。Aさんは不当な契約を結ばされたとして、ビッグモーターや兼重前社長らに対し、218万円の損害賠償を求める訴えを起こした。ビッグモーターは、他でもこのような裁判を起こされており、今後も訴訟のリスクが膨らむ可能性がある。再建か消滅か…闇の先には!?支援に名乗りをあげた企業も…徹底取材不祥事が相次いで発覚し、資金繰りが急速に悪化しているビッグモーター。支援企業の候補として、中古車販売の「ガリバー」を運営する「IDOM」や、自動車リースを手がける「オリックス」などの名前が浮上していたが、11月17日、大手商社「伊藤忠商事」などが、再建に名乗りを上げた。しかしこの日は「ビッグモーターの再建の可能性を検証する」との発表文が1枚出されたのみ。12月5日、ガイアは伊藤忠商事の岡藤正広会長を直撃した。「伊藤忠にとって、ビッグモーターを買うのはリスクではないのか」。その問いに岡藤会長は「リスクはある」と答える。さらに「一番の問題は、金銭的なものよりもレピュテーションリスク。初めは男気を出して救済のつもりでやったけれども、そのうち叩かれて悪者になることはよくある。だから利益よりも、信用を失うことのないようにしないといけない。5000人の雇用も、我々としては守ってあげたい」と話した。伊藤忠は、輸入車・中古車販売の「ヤナセ」をはじめ「ほけんの窓口」などを傘下に持っているが、企業再生に定評のあるファンドと共にビッグモーターの経営状況を詳細に分析し、来年春までに支援するか判断するという。創業家が今後も関与するかどうかが再建のカギを握るため、和泉社長は月に数回、兼重前社長と話し合いを続けてきた。「今は『ビッグアセット』(前社長の資産管理会社)が株式を保有している。それを手放してもらう。理解を得るための話し合い」と和泉社長は話す。伊藤忠側は創業家の関与をなくすため、ビッグモーターを2分割にし、中古車事業の大半を引き継ぐ新会社の買収案を検討している。この放送が見たい方は「テレ東BIZ」へ!
「カモにされた…」ビッグ訴えた客が語る中古車買い取りの闇とは?
愛知・名古屋市。60代のAさんは、ビッグモーターを相手に裁判を起こしている。去年8月、Aさんは、愛車・アウディのエンジンが故障したため、ビッグモーターに修理を依頼。すると営業担当者の男性から、「アウディには価値はなく、廃車にするしかありません」と説明されたという。
話は4時間近く続き、アウディを1万円で下取りに出したAさんだったが、数日後、契約をキャンセルするために担当者を訪ねると、すでにアウディは店からなくなっていたそう。その後、Aさんが運輸局に問い合わせると、アウディは別の業者に転売されていた。
アウディを売った日にビッグモーターで購入した軽自動車(103万円)は、シートベルトの根元部分が錆びており、後部座席はシミだらけ。Aさんは、「タバコの臭いがひどかった。劣化したタイヤがついていて、全体に細かいひびが入っている」と話す。過去、ビッグモーターは、中古車の水没歴を告げずに販売したとして、裁判で売買を無効とする判決を下されている。Aさんは「最初からカモにされたなと。『しめしめ』という感じだったんでしょうね。会社として成り立っているのが不思議で仕方がない」と話す。
ビッグモーターの一連の問題が発覚した後、Aさんは弁護士に相談。1万円で下取りに出したアウディは100万円以上の価値があり、購入した軽乗用車には25万円ほどの価値しかないと主張している。Aさんは不当な契約を結ばされたとして、ビッグモーターや兼重前社長らに対し、218万円の損害賠償を求める訴えを起こした。
ビッグモーターは、他でもこのような裁判を起こされており、今後も訴訟のリスクが膨らむ可能性がある。
再建か消滅か…闇の先には!?支援に名乗りをあげた企業も…徹底取材
不祥事が相次いで発覚し、資金繰りが急速に悪化しているビッグモーター。支援企業の候補として、中古車販売の「ガリバー」を運営する「IDOM」や、自動車リースを手がける「オリックス」などの名前が浮上していたが、11月17日、大手商社「伊藤忠商事」などが、再建に名乗りを上げた。しかしこの日は「ビッグモーターの再建の可能性を検証する」との発表文が1枚出されたのみ。12月5日、ガイアは伊藤忠商事の岡藤正広会長を直撃した。
「伊藤忠にとって、ビッグモーターを買うのはリスクではないのか」。その問いに岡藤会長は「リスクはある」と答える。さらに「一番の問題は、金銭的なものよりもレピュテーションリスク。初めは男気を出して救済のつもりでやったけれども、そのうち叩かれて悪者になることはよくある。だから利益よりも、信用を失うことのないようにしないといけない。5000人の雇用も、我々としては守ってあげたい」と話した。
伊藤忠は、輸入車・中古車販売の「ヤナセ」をはじめ「ほけんの窓口」などを傘下に持っているが、企業再生に定評のあるファンドと共にビッグモーターの経営状況を詳細に分析し、来年春までに支援するか判断するという。
創業家が今後も関与するかどうかが再建のカギを握るため、和泉社長は月に数回、兼重前社長と話し合いを続けてきた。「今は『ビッグアセット』(前社長の資産管理会社)が株式を保有している。それを手放してもらう。理解を得るための話し合い」と和泉社長は話す。
伊藤忠側は創業家の関与をなくすため、ビッグモーターを2分割にし、中古車事業の大半を引き継ぐ新会社の買収案を検討している。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。