秋篠宮家に集中する公務 担い手不足、縮小する皇室の実態

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

高齢化や人数の減少が進む皇室で、秋篠宮家に公務が集中している。今後、公務を担う皇族はさらに少なくなるとみられるが、将来の皇室のあり方を巡る議論は進んでいない。
愛子さま、悠仁さまの人生は 「無関心が苦しめている」 「水産業に深く携わっておられるみなさまとお会いできたことを大変うれしく思います」。11月22日、秋篠宮さまは東京都内で開かれた水産功績者表彰式で、漁業振興などに尽力した被表彰者ら約30人にあいさつされた。表彰された男性は「(秋篠宮さまの)おことばを一生の宝にしたい」と喜んだ。

主催した「大日本水産会」は明治から約140年の歴史がある水産業団体。総裁は4代まで男性皇族が務め、皇室とのつながりは深い。戦後、連合国軍総司令部(GHQ)の指導などで民間人の会長がトップとなったが、今も表彰式への皇族の出席は続く。秋篠宮さまは2014年に亡くなった桂宮さまから引き継ぎ、15年から出席している。 皇室には学術関連や文化芸術、自治体など多くの団体から行事への出席を求める願い出が届く。活動奨励の観点から皇室は公務として引き受けてきた。秋篠宮さまは皇位継承順位1位の現在も、天皇や皇太子の立場では就任しにくい総裁や名誉総裁などの役職が14あり、期間限定で大阪・関西万博の名誉総裁も務める。礼宮時代から自らの関心にも合致した団体の役職を継続し、行事に参加している。 毎日新聞は宮内庁の発表を集計し、地方訪問などが集中する9~11月の皇室全体の公務数を代替わり前の18年と今年で比較した。上皇ご夫妻は公務を原則行わなくなり、女性皇族2人が結婚で皇室を離れて公務の担い手が減ったことなどから、全体は453件から337件と3割弱減少。一方、秋篠宮家は100件から105件になり、全体に占める割合は約2割から約3割に高まっていた。宮内庁幹部は「いま秋篠宮家がとても忙しい」と語る。 今月23日に上皇さまが90歳の誕生日を迎える。皇室には70歳以上が6人いる一方、次世代の皇室を支える20代以下は3人のみで、将来的に公務の担い手の確保は難しくなる。 秋篠宮さまは11月の記者会見で「皇族の数の減少もあり何らかの見直しは必要」との考えを示し、行事の主催者と宮内庁での話し合いを求めた。このことについて、同庁の池田憲治次長(12月19日で退任)は「行事ごとに日程調整など個別に対応していく」とした。【山田奈緒、高島博之】
「水産業に深く携わっておられるみなさまとお会いできたことを大変うれしく思います」。11月22日、秋篠宮さまは東京都内で開かれた水産功績者表彰式で、漁業振興などに尽力した被表彰者ら約30人にあいさつされた。表彰された男性は「(秋篠宮さまの)おことばを一生の宝にしたい」と喜んだ。
主催した「大日本水産会」は明治から約140年の歴史がある水産業団体。総裁は4代まで男性皇族が務め、皇室とのつながりは深い。戦後、連合国軍総司令部(GHQ)の指導などで民間人の会長がトップとなったが、今も表彰式への皇族の出席は続く。秋篠宮さまは2014年に亡くなった桂宮さまから引き継ぎ、15年から出席している。
皇室には学術関連や文化芸術、自治体など多くの団体から行事への出席を求める願い出が届く。活動奨励の観点から皇室は公務として引き受けてきた。秋篠宮さまは皇位継承順位1位の現在も、天皇や皇太子の立場では就任しにくい総裁や名誉総裁などの役職が14あり、期間限定で大阪・関西万博の名誉総裁も務める。礼宮時代から自らの関心にも合致した団体の役職を継続し、行事に参加している。
毎日新聞は宮内庁の発表を集計し、地方訪問などが集中する9~11月の皇室全体の公務数を代替わり前の18年と今年で比較した。上皇ご夫妻は公務を原則行わなくなり、女性皇族2人が結婚で皇室を離れて公務の担い手が減ったことなどから、全体は453件から337件と3割弱減少。一方、秋篠宮家は100件から105件になり、全体に占める割合は約2割から約3割に高まっていた。宮内庁幹部は「いま秋篠宮家がとても忙しい」と語る。
今月23日に上皇さまが90歳の誕生日を迎える。皇室には70歳以上が6人いる一方、次世代の皇室を支える20代以下は3人のみで、将来的に公務の担い手の確保は難しくなる。
秋篠宮さまは11月の記者会見で「皇族の数の減少もあり何らかの見直しは必要」との考えを示し、行事の主催者と宮内庁での話し合いを求めた。このことについて、同庁の池田憲治次長(12月19日で退任)は「行事ごとに日程調整など個別に対応していく」とした。【山田奈緒、高島博之】

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。