同窓会にいた“元暴走族”の友人に唖然…「顔色は悪いのに、目つきだけは異常に鋭かった」

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思春期を迎えた中高生にとって育った環境は大事。たまたま周りにヤンチャな連中が多かった場合、無意識のうちに影響を受けて気がつけば自分も不良の仲間になっていたという事はよくある話だ。 例えば、暴走族がまだ多かった80~90年代、学業やスポーツに打ち込む学生には縁がなかったかもしれないが、そうではない者にとっては逆に身近な存在だったなんてケースは珍しくない。だが、時代に関係なく暴走族の構成員の高校中退者の割合は一般の学生よりも高く、高校を卒業しても大学進学率は低いと言われている。それだけで人生が決まるわけではないが学歴面で不利を被り、将来における選択肢の幅が狭まるとの見方もできる。
90年代半ばに地元暴走族に所属していた林田祥佑さん(仮名・44歳)も青春を謳歌しつつも一方で「このまま流されたらヤバい」と漠然とした危機感を抱いていたと話す。
◆活動休止に合わせて暴走族を脱退
「中学3年のとき、先輩に誘われて小学校からの友人のSと一緒に入ったんです。でも、そいつは同じ高校にしたけど、『毎日学校に通うとか面倒』って一学期で辞めて、昼間ガソリンスタンドで働き始めたんです。S以外の族の連中も半数近くは中退歴がありましたが、まだハナタレだった当時の私にも中卒じゃ大人になってから間違いなく苦労するっていうのはおぼろげながらわかっていました。だから、彼らを反面教師的に見て、自分だけは意地でも高校を卒業してやるって内心思ってました」
そうした中、高校1年の冬に所属する暴走族の総長や特攻隊長が警察に捕まってしまい、一時的に活動休止状態に。それに合わせて林田さんは辞めることを決意する。
「誘ってくれた先輩が『チームを抜ける』と言い出し、このタイミングしかないと思ったんです。けど、Sは残ることを選び、結果的にはここで袂を分かつ形になりました」
◆徐々に安定した成績が残せるように
それ以降も会えばバカ話に話を咲かせ、一緒に遊ぶこともあったがその機会は激減。なぜなら林田さんが大学進学を目指して受験勉強を始めたからだ。
「不純な動機なんですけど、近くの女子高に通ってた彼女が進学希望だったので同じ大学で楽しいキャンパスライフを送りたいなって。もちろん、それ以外にも就職や安定した収入を考えたらメリットは大きいじゃないですか。族のメンバーだったころも高校では真ん中より上の成績はキープしてたんです。気合い入れて勉強をはじめたらテストの校内順位も全国模試の成績も上がり始め、それがモチベーションになりました」
◆結局、専門学校を経て就職することに
ところが、受験シーズン直前にインフルエンザにかかってしまいダウン。本番にはなんとか間に合ったものの、実力の半分も出しきれずにA判定が出ていた滑り止めだった大学にも落ちてしまう。
「彼女とも別れ、そのショックでどうでもよくなってしまい浪人ではなく二次募集を行っていた地元の専門学校に入りました。そのことが恥ずかしくて族時代の仲間との交流は避けるようになり、新たにできた専門やバイト先の連中とばかりつるんでいました」
専門学校卒業後は業務用機器メーカーに就職し、27歳のときに空港職員に転職。現在はマネージャーとして部下を束ねる立場にある。
◆15年ぶりに再会した友人には明らかな“異変”が
就職後は両親が引っ越して地元を離れたこともあり、戻る機会がなかったが10年ほど前に中学時代の仲間が企画したプチ同窓会に参加。その場にはSさんも来ており、約15年ぶりの再会だったが見るからに様子はおかしかったという。

◆薬物所持で逮捕され、出所後も借金トラブルの末…
これで何もなければ笑い話で済んだが、それから間もなくSさんが不法薬物所持の現行犯で逮捕されたとの話をほかの同級生から聞かされる。どうやら過去にも同じ薬物所持で捕まった前科があったため、このときは実刑を食らって収監されてしまったそうだ。
しかも、その数年後にはSさんが自ら命を絶ったという連絡が。こういう言い方はしたくないが、2人の間でその後の人生は明暗が大きく分かれてしまったようだ。
「Sはホストや風俗店の店員、キャバクラのボーイなどの仕事を転々としていたそうです。また、悪い連中とも付き合いがあり、特殊詐欺のグループにもいたという噂も耳にしました。実は、亡くなる少し前、Sから着信があって折り返しかけるとお金の無心でした。断ると『変なこと言って悪かったな』としつこく迫られることはなく電話は切れましたが、後で聞いた話ではヤバいところから借金して返済に追われてみたいです。あの時、自分が強引にでもSを連れて一緒に族を抜けていればあいつは薬物に手を出すことも死ぬこともなかったのかなって。人生にもしもの話はないですけど、今でもたまにそのことはふと思い出してしまって……」
暴走族に限らず不良の場合、一般人よりも悪い仲間たちとの接点があるのも事実。つまり、それだけ誘惑も多く、一歩間違えると更生どころか抜け出すのも難しいのかもしれない。
<TEXT/トシタカマサ>
―[ヤンキーのその後]―

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