おととし、東京・立川市のホテルで、風俗店の店員の女性を包丁で刺して殺害した罪などに問われている当時19歳だった元少年に対し、東京地裁立川支部は懲役23年の実刑判決を言い渡しました。
元少年（22）はおととし6月、19歳だった時に立川市のホテルで、風俗店の店員の女性（当時31）を包丁で刺して殺害した殺人の罪などに問われています。
元少年側はこれまでに「心神喪失状態だった」と無罪を主張していて、裁判の主な争点は元少年に責任能力があるかどうかです。
先月開かれた裁判で、検察側は「凶器の包丁を事前に用意し、犯行前日に風俗店に電話をかけて予約するなど相応の準備を行っていた」と指摘。
そして、「自閉スペクトラム症の影響は限定的で、完全責任能力があった」と主張し、「自殺しようと考え、一方的に好意を抱いた被害者を殺そうと考えた動機は身勝手だ」と懲役25年を求刑していました。
一方、元少年の弁護側は「自閉スペクトラム症の影響で善悪を区別する能力や行動をコントロールする能力がなかった」と改めて無罪を主張していました。
これまでの裁判で元少年は不規則発言を繰り返し、複数回、退廷を命じられています。
きょうの判決で、東京地裁立川支部は「自閉スペクトラム症の特性が犯行に直結したとは認められない」と指摘し、「被告に完全責任能力があった」と認めました。そして、「動機は身勝手で非常に残忍で悪質な犯行だ」として、懲役23年を言い渡しました。