【宝塚問題】亡くなった劇団員の遺族側が“LINE”と“やけど写真”公開…5年前にも“パワハラ隠蔽”か?親族訴え「5年前と変わらない」

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今年9月、宝塚歌劇団に所属する入団7年目の25歳の劇団員の女性が死亡しているのが見つかりました。
遺族側は、上級生からの度重なるパワハラが死亡の原因になったと訴えていますが、「ハラスメントはなかった」とする劇団側の主張とは平行線をたどる中、12月7日に新たな展開がありました。
「まえがみ やけどさされた わざとな気がする」
これは、7日、遺族側の弁護士が“パワハラの証拠”として公開したLINEのメッセージです。弁護士が読み上げたのは、遺族の悲痛な思いが込められたコメントでした。
遺族の代理人弁護士:娘と会えなくなってから2カ月がたちました。今でも娘からのLINEを、電話を、そして帰ってくる足音を待ち続けています。その間に様々なことがありましたが、劇団が一向にパワハラを認めない姿勢に憤りを感じています。
劇団側は、11月14日、外部の弁護士チームによる調査報告を受けた会見でこう述べていました。
宝塚歌劇団 村上浩爾事務理事(当時):ヘアアイロンの件につきましては、そのようにおっしゃっているのであれば、その証拠となるものをお見せいただけるようにお願いをしたいというふうに考えております。
7日、遺族側がその”証拠”として新たに公開したのが、亡くなった女性が生前、母親に送っていたメッセージ。
同時に公開された、女性のものとされる写真には、ひたいにやけどのあとが黒く残っていました。
「まえがみ やけどさされた わざとな気がする」「ちゃいろになってる わたし でこ さいあく」
実はこの5年前の2018年、宝塚音楽学校で“パワハラを巡る問題”で生徒が追い詰められ、学校の寮から飛び降りるという出来事が起きていました。
「めざまし8」は、その女性Aさんの親族を取材。宝塚側とのやりとりを記録した当時の音声には、マスコミへの公表を避けようとする宝塚側の主張も残されていました。
宝塚音楽学校に通っていた女性の親族:今回と全く一緒。正直なところ、起きちゃったなって思っちゃいましたね。自分の命を絶たなければいけないところまで追い詰められて、本当に起こってしまったな…。(宝塚歌劇団側の)会見の姿を見ても、変わってないって思っちゃいましたね。
「5年前と変わっていない」そう訴えたのは、以前、宝塚音楽学校に通っていた女性の親族です。
宝塚音楽学校に通っていたというAさんは5年前、寮から飛び降り、全治3週間の大ケガをしたといいます。しかし、宝塚音楽学校側はこれを公表しませんでした。
宝塚音楽学校に通っていた女性の親族:すごく宝塚の好きな子だったので、何回も何回もやっぱり見に行って、憧れるトップスターさんもやっぱりいてですね。小さい頃からバレエもやっていたので、その延長線上で中学校3年生の夏休みぐらいから、東京の受験スクールに1カ月に1回か2回通うようになって。
クラシックバレエが得意だったというAさんは、2018年春、宝塚音楽学校に一発合格。中学を卒業してすぐ寮生活を始め、4月から夢に向かって頑張っていましたが、待っていたのは想像を絶する厳しい生活でした。
宝塚音楽学校に通っていた女性の親族:日々つらいっていう内容で。つらい、やらなきゃいけないこともたくさんあるって言うので。「私って要らない人間なのかしら」「私ってダメな人間なんだね」っていうのがすぐ出てきましたね。1週間、2週間でもやっぱ心はもうズタズタですよね。
入学から1カ月後の5月。親族が久しぶりに会うと、そこには、疲れ果てたAさんの姿があったといいます。
宝塚音楽学校に通っていた女性の親族:ゴールデンウィーク早めに帰ったんですね。帰った後は泣きながら、もう、その後、”すみれ売り“っていうのが5月の末にあって。それも、一応立つことは立っていたんですけど、もう、180度違う人間になっていましたね。
Aさんがとくに苦しんでいたというのが、学校生活でのミスを詫びる反省文、いわゆる“謝罪ノート”です。
宝塚音楽学校に通っていた女性の親族:反省文ですね。「私がこれこれをやってしまって、申し訳ありませんでした」みたいなのをひたすら何枚も書かされるっていう。
宝塚音楽学校に通っていた女性の親族:決まった文字、決まった漢字、決まった表現。ノート1ページが30行ですので、その何ページ分っていう同じ文章を、何十回、何百回書くものですから、物理的な所要時間で何時間もかかる可能性があるんですよね。
こうした中で2018年6月、Aさんに限界が訪れます。
宝塚音楽学校に通っていた女性の親族:もう私はダメな人間だっていうので、とった選択肢がベランダから落ちるっていう…。――それは自分の寮の部屋?そうです。寮の部屋のベランダからです。
寮の部屋のベランダから飛び降りたというAさん。全身打撲で全治3週間。1週間ほど入院したといいます。
さらに、親族が問題視しているのが、学校側が生徒を集めて敷いた“かん口令”です。
宝塚音楽学校に通っていた女性の親族:「起こったことを誰にも言ってはならぬ」という趣旨の発言を生徒を集めて。
宝塚音楽学校に通っていた女性の親族:まあ隠蔽ですよね、隠蔽も簡単にやっちゃうんだなって。
親族によると、女性が入院した翌日、生徒を集めていわゆる“かん口令”が敷かれたといいます。
学校側と家族との協議が行われたのは、飛び降りから約1カ月後の7月15日のこと。「めざまし8」は、その時の音声を入手。そこには“パワハラの隠蔽”に強く抗議する家族と学校側とのやりとりが記録されていました。
Aさんの父親:一番の予防策は世間の目にさらされることだと信じています。世間のお叱りを受けて襟を正す。世間の目にさらされて防げない音楽学校では困ります。30行のA罫ノート400ページ、反省を書きます。これは客観的に妥当な指導であるというコメントをもらってきてください。
宝塚音楽学校側:そこは妥当だとは思っていなくて、そういう無茶ぶりをするとか、行き過ぎたことがあったので。とりあえずは、すぐ廃止にさせたということですから、そういうところまでいっていたというようなことまで、学校が把握していなかったのは本当に申し訳ないと思っています。
“謝罪ノート”に関して、わびる学校側。しかし、事故の公表に関しては…。
宝塚音楽学校側:マスコミの対応についても、娘さんの復帰を願うという方向で行くのであれば、しばらくは様子を見ていただきたいというふうには思います。
Aさんの父親:それはなぜですか?
宝塚音楽学校側:マスコミに知れちゃうと、やっぱりまずいと思いますね。
公表を避けたがる学校側に対し、父親は今後のためにも襟を正すべきだと訴えましたが…。
宝塚音楽学校側:そういう今の時代の価値観に照らし合わせても、仮にこの案件がオープンになれば、Aさんの復学に支障をきたすと。やはり守ろうと思っている一番大事な人を守れなくなるというのが。
宝塚音楽学校側:汚い世界がないというふうに思えとかじゃなくて、私は水面下でいろいろ、白鳥が美しい姿を保つために水面下で足をバタバタしているような、そんな水面下のバタバタのところをあえて見せるべきではないと。今回の件に関しても。
Aさんの父親:白鳥の例えは全く当てはまりません。パワーハラスメントです。パワーハラスメントを隠ぺいするっていうふうになっているんです。
話がかみ合っていなかったという、宝塚側との協議。
宝塚音楽学校に通っていた女性の親族:(歌劇団の)会見の姿を見ても、変わってないって思っちゃいましたね。なんとか止められなかったのかなって、やっぱりちょっとすごく、すごく悲しくなりました。
5年前には公表されなかった生徒の飛び降り。「めざまし8」が宝塚音楽学校を取材すると、7日、以下のコメントが寄せられました。
宝塚音楽学校コメント:当時、生徒の自主性を尊重するあまり、指導の状況が十分に把握できておらず、その結果、当該生徒のみならず、全体として、生徒に過度な負荷がかかる状況になっていたことについては、学校としての管理責任を強く感じております。弊校といたしましては、詳細な調査を行ったうえで指導方法の見直しを行い、その内容については、謝罪のうえご本人および保護者にご説明を行うとともに、在学生徒と保護者の皆様にもご説明を行っております。
家族はその後、宝塚側から「見舞金」100万円を提示されたといいますが、5年たった今も解決には至っておらず、平行線をたどったままだといいます。
宝塚音楽学校に通っていた女性の親族:認めてほしい…うん。謝ってほしい。本人に謝ってほしい。あなたは悪くなかったんだよって言ってもらいたい。上級生から「私も、ごめんね」「私もそういうふうに受けてきたからやっちゃったんだ、ごめんね」って。(「めざまし8」12月8日放送)

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