茨城県日立市役所前広場と東海村役場に６日午後、車が突っ込み、男女３人が重軽傷を負った事件で、村役場への建造物損壊容疑で逮捕された益子泰（ゆたか）容疑者（５３）が、「日立市と東海村に恨みがあった」と供述していることが、捜査関係者への取材でわかった。
益子容疑者は日立市の事件についても関与を認めており、県警は詳しい動機や経緯を調べる。
事件は６日午後１時頃に発生。日立市役所前の広場に車が侵入し、イベントに参加中の男女３人をはね、１人が左足を骨折するなど３人が重軽傷を負った。約３０分後には約１５キロ離れた東海村役場の正面玄関に別の車が突っ込み、県警は車を運転していた益子容疑者を建造物損壊容疑で逮捕した。
捜査関係者によると、益子容疑者は調べに対し、「２件ともやった。日立市と東海村に恨みがあった」と供述しているという。
また、日立市での事件当時、車には益子容疑者の母親が同乗していたこともわかった。車は母親の名義で、事件後、母親だけが助手席に乗った状態で益子容疑者の自宅付近で見つかった。
県警は益子容疑者が車を乗り換えたとみて、母親にも事情を聞くとともに、益子容疑者と行政とのトラブルの有無などを調べている。
益子容疑者とのトラブルについて、日立市は「全くわからない」、東海村は「調査中」としている。