青葉真司被告
36人が死亡した2019年の京都アニメーション放火殺人事件で裁判員裁判の論告求刑公判が7日、京都地裁（増田啓祐裁判長）で開かれ、検察側は殺人罪などに問われた無職青葉真司被告（45）に死刑を求刑した。検察側は被告が抱えていた妄想について「影響は限定的。妄想があることが極刑回避の理由にならない」と指摘。「計画的で極めて危険、誠に残虐非道で社会的影響も大きい」と述べた。
刑事責任能力の有無や程度が最大の争点。同日午後の弁護側の最終弁論や被告の最終意見陳述を経て結審する。判決は来年1月25日。
殺人事件としては、平成以降最多の犠牲者を出しており、検察側は「日本刑事裁判史上突出して多い被害者数だ」と指摘。「生命軽視の度合いが大きい」とも述べた。
被告は起訴内容を認め、動機について京アニ側に小説のアイデアを盗用されたためなどと説明。6日の公判では遺族に「申し訳ない」と初めて明確に謝罪した。
弁護側は事件当時に責任能力があったとは言えないとして、無罪か刑の減軽を求めている。