草木が伸び放題に…廃墟と化した「森友学園のいま」

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「森友問題は、いまだに事実関係が何ひとつ明らかにされていない。取り残された校舎は、まさにその象徴と言えるでしょう」(ジャーナリストの鈴木哲夫氏)
伸び放題の草木、ところどころ傾いたフェンス、あちこちに落ちた投棄物――。森友学園の「瑞穂の國記念小學院」(大阪府豊中市、以下「小學院」)は、今や廃墟と化している。敷地面積8770屬量畋す纂砲蓮更地にすることもできない事情を抱え、棚ざらしになっているのだ。
問題の発端となった国有地は、籠池泰典氏(69)が理事長を務める森友学園に対し、相場の8億円引きという破格の値段で払い下げられた。小學院は、問題が取り沙汰されると完成間近で工事は中止に。近畿財務局による安倍晋三元首相への「忖度」など疑惑が次々と噴出するなか、森友学園が民事再生手続きを申請すると、国有地は国によって買い戻された。
国は上物の校舎を取り壊し、更地にして返還するよう求めている。その相手はと言うと、施工した「藤原工業」だ。同社は森友学園が民事再生手続きに入ったため、工事代金を一部しか受け取れなかった。一方で、更地にするための費用を実質的に払う必要がある同社は校舎の所有権を主張し、現在も管理を続けている。藤原浩一社長は本誌取材に答えた。
「職員を派遣して、窓を開けたり、中を掃除したりしています。人件費だけでも年1000万円くらい掛かっている。国と裁判はしていないですけど、私たちには留置権があり、建物を売却する方向に向けて話し合いをしているところです」
両者の妥協点は見えない。だがそれも元を辿れば、「疑惑の元凶」が解明されることなく月日が経ってしまったことが原因だ。前出・鈴木氏は言う。
「目先だけ整えて、後でうやむやに処理するという政治手法が安倍政権以降目立つようになりました。これが常態化すると、岸田、そして次の政権でも『第二の森友』が誕生する事態になりかねません」
安倍元首相の国葬が終わっても、小學院は「疑惑の象徴」として残る。
『FRIDAY』2022年10月14日号より

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