卒論提出間近の愛子さま、皇族の悲恋を描く『源氏物語』に夢中 不安定な登場人物に「親近感がある」と告白

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3才の頃から和歌や短歌に通ずる七五調に親しまれてきた天皇家の長女・愛子さまが、日本の古典文学に惹かれるのは必然なのかもしれない。近年、愛子さまが明かされているのが『源氏物語』への興味関心だ。皇族の業を描いたともいえる作品に、愛子さまが夢中になられている本当の理由──。
【写真】ダブルのジャケット姿の愛子さま。他、大根を持つ陛下・雅子さま・愛子さま、トレンチコート姿の20代の雅子さまも 学習院大学(東京・豊島区)のキャンパスで、愛子さまが拠点にされているのが文学部棟(北2号館)だ。正門から歩いて3分ほど、整然とした印象を与える白い外壁の9階建てで、各学科のフロアに研究室、書庫、閲覧室があり、1階の展示室では史料館収蔵品の展覧会が開催されたりするという充実ぶりだ。

11月中旬の夕刻、その文学部棟から愛子さまが出てこられた。ベージュのトレンチコートを羽織られた愛子さまは、同級生とおぼしき女子学生と談笑されながら、大学内を移動。出口にほど近い噴水で、手を振って彼女と別れ、帰路につかれた。 現在、大学4年生で、文学部日本語日本文学科に在籍される愛子さま。卒業論文の提出締め切りは12月と、すぐそこまで迫っている。「愛子さまの卒論は、まだ提出の段階を迎えていません。目下、来る締め切りを前に大詰めを迎えているのでしょう。12月1日は22才のお誕生日ですが、愛子さまの頭の中は卒論のことでいっぱいなのではないでしょうか」(宮内庁関係者) 切羽詰まった状況のなかで、愛子さまは、とある“恋”に夢中になられているという。 11月21日、愛子さまは、特別展「やまと絵 ─受け継がれる王朝の美─」を鑑賞するため、両陛下と東京国立博物館(東京・上野)を訪れられた。「『日月四季山水図屏風』や『鳥獣戯画 丁巻』などを熱心に鑑賞されました。時折、陛下が雅子さまや愛子さまに解説されることもあったそうです」(皇室記者) 国宝を含む数々の展示物のなかで、愛子さまが特に興味を示されたのが、平安時代末期に制作された『源氏物語絵巻 夕霧』だった。「大学で研究されているのでしょう、両陛下と該当する場面のお話をされながら鑑賞されていました。目を輝かせ、時折かがんで細部を確認される場面もありました。 また、人物に対してすずり箱が大きく描かれていることを指摘されたり、絵巻のなかで立って描かれている女性を見て“平安時代の女性が立っているのはマナー違反”と話されたりと豊富な知識に驚かされました。担当者に質問されるときには身を乗り出す勢いだったそうで、質問内容は絵の具や構図にまで及ぶ高度なものだったそうです」(前出・宮内庁関係者) 源氏物語は、言わずと知れた世界最古の長編恋愛小説。著者は紫式部で、その生涯は2024年のNHK大河ドラマ『光る君へ』の題材でもある。 紫式部が綴ったのは、帝(天皇)の息子・光源氏を中心に巻き起こる平安時代の宮廷の人間模様だ。華やかで麗しい恋愛だけでなく、嫉妬、権力争い、羨望、略奪愛、悲恋など、禍々しい“現実”が存分に詰め込まれている。 夕霧は、光源氏の息子。容姿こそ父に似るが、色恋に翻弄された父とは異なり、生真面目で実直な「まめ人」という評価を受けている。夕霧を取り巻く場面が描かれた『源氏物語絵巻 夕霧』をご覧になった愛子さまは、登場人物の関係性について、こう漏らされたという。「親近感があります」皇室に運命を翻弄される 昨年3月に行われた成年に際する記者会見でも、愛子さまは源氏物語への興味関心を明かされた。別の宮内庁関係者の話。「愛子さまの平安文化への関心には、陛下の影響があるでしょう。陛下は、2019年3月まで約27年間、学習院大学史料館客員研究員の委嘱を受けられ、平安時代の貴族が使用した『牛車』について研究されており、平安文化に造詣が深い。また、天皇ご一家は、愛子さまが幼い頃から百人一首に取り組まれてきた。愛子さまが平安文化に興味を持たれるのはある意味必然ともいえます」 実は愛子さまには、学習院女子中等科時代、学内で行われた百人一首大会で100枚中約40枚をおひとりで取られ、圧勝された過去がある。高等科では、源氏物語へのご興味が本格化。3年次には、古文の授業の一環で、源氏物語の「末摘花」の巻についてグループ発表をされた。ちなみに、末摘花は光源氏が彼女につけたあだ名で、源氏物語のなかでは珍しく、容姿が不美人であることが描写されている。「愛子さまはグループの中心として自ら発表をされました。担当は、最も理解力が要求される文法事項でした。また、高等科の卒業にあたっては、源氏物語、枕草子、宇治拾遺物語などの平安文学を読み込み、『平安時代の猫と犬 ─文学作品を通して─』というレポートを執筆された。基準とされていた400字詰めの原稿用紙30枚以上の倍近い文字数でレポートを提出されたそうです」(前出・皇室記者) 大学でも、継続的に源氏物語の研究を続けてこられた愛子さま。放送作家のつげのり子さんが、愛子さまが源氏物語に強い関心を持たれている理由を拝察する。「源氏物語はフィクションです。とはいえ、天皇家の長子である愛子さまにとって、自らの祖先が平安時代にどのように描かれたのか、また、後世でどのように解釈されたのかという研究は、当事者として大変興味深いのではないでしょうか。 いまの皇室との共通点や相違点も、愛子さまだからこそ実感があるでしょう。また、皇室が文化的にどのような役割を担ってきたのか、どのように存続してきたのかを愛子さまならではの視点で研究されることは、皇室の将来のためにもなります」 愛子さまは天皇家の長子である。一方で、現状の皇室典範では、結婚とともに皇室を出なければならない女性皇族という非常に不安定なお立場でもある。「光源氏をはじめとした皇室の人間に運命を翻弄される、物語中の女性にも共感を覚える場面があるのではないでしょうか。また、源氏物語では、往々にして皇族の悲恋が描かれます。悲恋が手を替え品を替え繰り返されるやるせなさは、人間の業と言い換えてもいいかもしれません。 愛子さまは、いまの不安定なご自身のお立場を自覚され、受け入れられているのでしょう。だからこそ、源氏物語の登場人物に自らを投影されるように親近感をもたれ、研究に没頭されているのではないでしょうか」(前出・皇室記者) 卒業後は大学院に進学され、いずれ留学されるとみられている愛子さま。留学先として取り沙汰されているのが、英オックスフォード大学だ。「両陛下はともにオックスフォード大学で学ばれた過去があります。また、オックスフォード大学は、ヨーロッパにおける日本文化の研究の中心なのです。オックスフォード大学であれば、国外から見た日本の皇室や、平安文化を専門的に学ぶことができるでしょう。女性皇族である愛子さまがオックスフォードで源氏物語をさらに深く研究されれば、新しい皇室観につながるかもしれません」(前出・皇室記者) かつて愛子さまは学習院初等科時代の文集で「藤原道長」と題したレポートを寄稿。《道長の人生は本当に幸せだったのだろうか》と結ばれたという。22才を迎えた愛子さまは、女性皇族としての生き方にどのような答えを出されるのだろうか。※女性セブン2023年12月14日号
学習院大学(東京・豊島区)のキャンパスで、愛子さまが拠点にされているのが文学部棟(北2号館)だ。正門から歩いて3分ほど、整然とした印象を与える白い外壁の9階建てで、各学科のフロアに研究室、書庫、閲覧室があり、1階の展示室では史料館収蔵品の展覧会が開催されたりするという充実ぶりだ。
11月中旬の夕刻、その文学部棟から愛子さまが出てこられた。ベージュのトレンチコートを羽織られた愛子さまは、同級生とおぼしき女子学生と談笑されながら、大学内を移動。出口にほど近い噴水で、手を振って彼女と別れ、帰路につかれた。
現在、大学4年生で、文学部日本語日本文学科に在籍される愛子さま。卒業論文の提出締め切りは12月と、すぐそこまで迫っている。
「愛子さまの卒論は、まだ提出の段階を迎えていません。目下、来る締め切りを前に大詰めを迎えているのでしょう。12月1日は22才のお誕生日ですが、愛子さまの頭の中は卒論のことでいっぱいなのではないでしょうか」(宮内庁関係者)
切羽詰まった状況のなかで、愛子さまは、とある“恋”に夢中になられているという。
11月21日、愛子さまは、特別展「やまと絵 ─受け継がれる王朝の美─」を鑑賞するため、両陛下と東京国立博物館(東京・上野)を訪れられた。
「『日月四季山水図屏風』や『鳥獣戯画 丁巻』などを熱心に鑑賞されました。時折、陛下が雅子さまや愛子さまに解説されることもあったそうです」(皇室記者)
国宝を含む数々の展示物のなかで、愛子さまが特に興味を示されたのが、平安時代末期に制作された『源氏物語絵巻 夕霧』だった。
「大学で研究されているのでしょう、両陛下と該当する場面のお話をされながら鑑賞されていました。目を輝かせ、時折かがんで細部を確認される場面もありました。
また、人物に対してすずり箱が大きく描かれていることを指摘されたり、絵巻のなかで立って描かれている女性を見て“平安時代の女性が立っているのはマナー違反”と話されたりと豊富な知識に驚かされました。担当者に質問されるときには身を乗り出す勢いだったそうで、質問内容は絵の具や構図にまで及ぶ高度なものだったそうです」(前出・宮内庁関係者)
源氏物語は、言わずと知れた世界最古の長編恋愛小説。著者は紫式部で、その生涯は2024年のNHK大河ドラマ『光る君へ』の題材でもある。
紫式部が綴ったのは、帝(天皇)の息子・光源氏を中心に巻き起こる平安時代の宮廷の人間模様だ。華やかで麗しい恋愛だけでなく、嫉妬、権力争い、羨望、略奪愛、悲恋など、禍々しい“現実”が存分に詰め込まれている。
夕霧は、光源氏の息子。容姿こそ父に似るが、色恋に翻弄された父とは異なり、生真面目で実直な「まめ人」という評価を受けている。夕霧を取り巻く場面が描かれた『源氏物語絵巻 夕霧』をご覧になった愛子さまは、登場人物の関係性について、こう漏らされたという。
「親近感があります」
昨年3月に行われた成年に際する記者会見でも、愛子さまは源氏物語への興味関心を明かされた。別の宮内庁関係者の話。
「愛子さまの平安文化への関心には、陛下の影響があるでしょう。陛下は、2019年3月まで約27年間、学習院大学史料館客員研究員の委嘱を受けられ、平安時代の貴族が使用した『牛車』について研究されており、平安文化に造詣が深い。また、天皇ご一家は、愛子さまが幼い頃から百人一首に取り組まれてきた。愛子さまが平安文化に興味を持たれるのはある意味必然ともいえます」
実は愛子さまには、学習院女子中等科時代、学内で行われた百人一首大会で100枚中約40枚をおひとりで取られ、圧勝された過去がある。高等科では、源氏物語へのご興味が本格化。3年次には、古文の授業の一環で、源氏物語の「末摘花」の巻についてグループ発表をされた。ちなみに、末摘花は光源氏が彼女につけたあだ名で、源氏物語のなかでは珍しく、容姿が不美人であることが描写されている。
「愛子さまはグループの中心として自ら発表をされました。担当は、最も理解力が要求される文法事項でした。また、高等科の卒業にあたっては、源氏物語、枕草子、宇治拾遺物語などの平安文学を読み込み、『平安時代の猫と犬 ─文学作品を通して─』というレポートを執筆された。基準とされていた400字詰めの原稿用紙30枚以上の倍近い文字数でレポートを提出されたそうです」(前出・皇室記者)
大学でも、継続的に源氏物語の研究を続けてこられた愛子さま。放送作家のつげのり子さんが、愛子さまが源氏物語に強い関心を持たれている理由を拝察する。
「源氏物語はフィクションです。とはいえ、天皇家の長子である愛子さまにとって、自らの祖先が平安時代にどのように描かれたのか、また、後世でどのように解釈されたのかという研究は、当事者として大変興味深いのではないでしょうか。
いまの皇室との共通点や相違点も、愛子さまだからこそ実感があるでしょう。また、皇室が文化的にどのような役割を担ってきたのか、どのように存続してきたのかを愛子さまならではの視点で研究されることは、皇室の将来のためにもなります」
愛子さまは天皇家の長子である。一方で、現状の皇室典範では、結婚とともに皇室を出なければならない女性皇族という非常に不安定なお立場でもある。
「光源氏をはじめとした皇室の人間に運命を翻弄される、物語中の女性にも共感を覚える場面があるのではないでしょうか。また、源氏物語では、往々にして皇族の悲恋が描かれます。悲恋が手を替え品を替え繰り返されるやるせなさは、人間の業と言い換えてもいいかもしれません。
愛子さまは、いまの不安定なご自身のお立場を自覚され、受け入れられているのでしょう。だからこそ、源氏物語の登場人物に自らを投影されるように親近感をもたれ、研究に没頭されているのではないでしょうか」(前出・皇室記者)
卒業後は大学院に進学され、いずれ留学されるとみられている愛子さま。留学先として取り沙汰されているのが、英オックスフォード大学だ。
「両陛下はともにオックスフォード大学で学ばれた過去があります。また、オックスフォード大学は、ヨーロッパにおける日本文化の研究の中心なのです。オックスフォード大学であれば、国外から見た日本の皇室や、平安文化を専門的に学ぶことができるでしょう。女性皇族である愛子さまがオックスフォードで源氏物語をさらに深く研究されれば、新しい皇室観につながるかもしれません」(前出・皇室記者)
かつて愛子さまは学習院初等科時代の文集で「藤原道長」と題したレポートを寄稿。《道長の人生は本当に幸せだったのだろうか》と結ばれたという。22才を迎えた愛子さまは、女性皇族としての生き方にどのような答えを出されるのだろうか。
※女性セブン2023年12月14日号

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