京都市保健所は13日、京都市中京区のホテル「ホテル杉長」で食中毒が発生し、修学旅行生ら少なくとも106人が腹痛や下痢などの症状を訴えたと発表しました。 発症者の便からウエルシュ菌が検出されたため、保健所は食中毒と断定し、ホテルに対しきょうから3日間の営業停止を命じました。▼「修学旅行生40~50人が腹痛の症状を呈している」 京都市保健所によりますと、今月9日、ホテルから「6日から8日に宿泊した中学校の修学旅行生40~50人程度が8日昼頃から腹痛の症状を呈している」との届け出がありました。
調査の結果、6月6日から8日にかけてこのホテルに宿泊した修学旅行生一行238人のうち、生徒97人(男性37人、女性60人)と教員等9人(男性4人、女性5人)の合わせて106人が、7日午後9時から9日午後10時までの間に腹痛や下痢などの症状を発症していたことが判明しました。全員快方に向かっています。▼「すき焼き、うどん、シチュー」などを提供 原因となった食品は、6月6日夕食から8日朝食までの間にホテルで提供された食事のいずれかと特定されました。具体的なメニューとしては、すき焼き、うどん、シチュー、サバの煮付け、などが提供されたということです。発症者に共通する食事が当該施設で調理された食事であること、発症状況が類似していること、そして発症者の便からウエルシュ菌が検出されたことから、食中毒と断定されました。▼ウエルシュ菌とは ウエルシュ菌は人や動物の腸管内、土壌などに広く生息し、酸素のない状態を好む菌です。人の腸管内で増殖し、100℃の加熱でも一部が生き残ります。 加熱調理の後、そのまま放置されたカレーやシチューなどの大量調理食品が主な原因となります。 予防には、衛生的な調理を心がけ、調理した食品は速やかに食べ、保管時は小分けにして急速に冷却することが重要です。