愛知県愛西市の新型コロナウイルスワクチンの集団接種会場で2022年11月、接種直後に飯岡綾乃さん(当時42歳)が死亡した問題で、夫の英治さん(46)ら遺族は30日、「集団接種を実施した市に責任がある」として、市に約4500万円の損害賠償を求める訴訟を名古屋地裁に起こした。
【写真まとめ】「やっぱり接種しておいた方がいいな、とは思う…」飯岡さんの日記 飯岡さんは22年11月5日、市の接種会場で4回目の接種を受けた約5分後に体調が悪化し、接種から約1時間半後に死亡した。遺族は訴状で、看護師が医師に対して飯岡さんの体調が接種前から悪かったという誤った報告をせず、医師も症状からアナフィラキシー(重いアレルギー反応)の発症を疑い、アドレナリンを直ちに投与していれば死亡することはなかったと指摘。集団接種を指揮監督していた市に損害賠償責任があると主張している。
提訴後に記者会見した英治さんは「1年たったが妻への思いは変わらない。市には遺族や妻への謝罪をこれからも求めていきたい」と述べた。愛西市は「訴状が届いていないのでコメントは差し控える」としている。 この問題を巡っては、厚生労働省の専門部会が「ワクチン接種と死亡との因果関係は否定できない」との評価を示し、愛西市医療事故調査委員会も早期にアドレナリンを投与していれば「救命できた可能性を否定できない」と結論付けた。【加藤沙波】
飯岡さんは22年11月5日、市の接種会場で4回目の接種を受けた約5分後に体調が悪化し、接種から約1時間半後に死亡した。遺族は訴状で、看護師が医師に対して飯岡さんの体調が接種前から悪かったという誤った報告をせず、医師も症状からアナフィラキシー(重いアレルギー反応)の発症を疑い、アドレナリンを直ちに投与していれば死亡することはなかったと指摘。集団接種を指揮監督していた市に損害賠償責任があると主張している。
提訴後に記者会見した英治さんは「1年たったが妻への思いは変わらない。市には遺族や妻への謝罪をこれからも求めていきたい」と述べた。愛西市は「訴状が届いていないのでコメントは差し控える」としている。
この問題を巡っては、厚生労働省の専門部会が「ワクチン接種と死亡との因果関係は否定できない」との評価を示し、愛西市医療事故調査委員会も早期にアドレナリンを投与していれば「救命できた可能性を否定できない」と結論付けた。【加藤沙波】