《保育大手ポピンズ》従業員からパワハラ告発された創業家母子の特別な関係性「鬼のようだ」「育児放棄」の教育方針

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

英国発の教育ベビーシッター「ナニーサービス」を国内で初めて展開し、国内最大手の保育事業を行う株式会社ポピンズ。11月24日、その創業者であり代表取締役会長の中村紀子氏(74)と娘で取締役社長を務める轟麻衣子氏(47)による会社の私物化と従業員へのパワハラ疑惑を「デイリー新潮」が報じた。
【写真】ポピンズ会長・中村紀子氏のアナウンサー時代 同社はデイリー新潮の取材に対しこれらの問題に関する内部告発があったことを認め、「詳細につきましては回答を控えさせていただきます」としている。また、11月22日付で「代表取締役の異動(辞任)に関するお知らせ」という文書を株主向けに告知し、中村氏が辞任したことがわかった。

中村氏の華麗なる人脈 中村氏は1973年にテレビ朝日にアナウンサーとして入社。しかし、娘の妊娠・出産もあって入社3年目で同社を退社する。その後は、フリーアナウンサーとして『水曜スペシャル 川口浩探検隊シリーズ』(テレ朝系)のレポーターなど、さまざまな番組で活躍した経歴を持つ。 その際に体験したベビーシッターサービスに課題を感じ、38歳でポピンズの前身会社を起業するに至った。華やかなキャリアもあり、芸能界とは少なからず縁があったようだ。実際にポピンズの保育サービスを利用した女性が語る。「たとえば広尾のスクールに関しては定員が約70名で、入園待ちすることもしばしば。芸能人のお子さんも多く通っているそうです。イベントごとになると会長さん(中村氏)自ら顔を出して、保護者の方々と写真を撮るなどして交流します」 また、政界との繋がりも深い。2018年7月には『週刊文春』によって故・安倍晋三氏の夫人である安倍昭恵氏との関係が報じられている。「当時は『モリカケ問題』が取り沙汰されている真っ只中で、『文春』の報道では、中村氏が『安倍昭恵さんを慰める会』を山口県の割烹料亭で開いたことが取り上げられていました。さらに同誌の概算によると、ポピンズは年間60億円以上の補助金を受け取っていたともされています。 中村氏は2013年に発表された『アベノミクス』の目玉政策として、待機児童解消加速化プランが打ち出された頃から政界に興味をもち始め、パイプ作りに邁進していたそうです。結果的に、昭恵氏とはふたりで飲みにいくほどの仲になったとか」(政治記者) 中村氏は昭恵氏をはじめとして、小池百合子現東京都知事や衆議院議員・野田聖子氏、参議院議員・森まさこ氏らなど名だたる女性政治家とも交流があり、実際にSNS上などでも共に写真にうつる姿が確認できる。「2018年3月に東京のパレスホテルで開かれたポピンズ創業30周年パーティでは安倍昭恵氏が乾杯の音頭を取っています。また当時総務大臣の野田聖子氏なども同席し、そのパーティは中村氏の政界への繋がりを色濃く示すものだったと聞いています」(同前)母娘の特別な関係性 創業社長として会社を拡大させてきた中村氏。『デイリー新潮』で報じられたパワハラ疑惑について、過去にそれを示唆する発言も残しているようだ。ビジネス誌記者が語る。「ご本人もそう回顧されていますが、彼女は良くも悪くもワンマン社長でした。ポピンズでは『男も女もない』とか『徹底的にしごく』と、社員さんに対してはシビアな教育を行なっていたようです。また、説得するのに手間がかかることから、ご自身と価値観のあう人間をそばに置きたいとも明言しており、意見の違う人間は身近から遠ざけていたようにも見えます」 雑誌のインタビューでは、〈経営者としての私は、いわゆるワンマンだったと思います。それも、強烈に。〉〈新規事業の企画書はほとんど自分で書いてプレゼンをし、社員には有無を言わさず指示。その指示も、朝令暮改よりも早い朝令“朝”改状態。〉(日経ウーマン、2022年10月号)などと語っていた。 そうしたなか『週刊文春』の昭恵氏との報道があった2018年4月、社長のポストをフランスの大学院でMBAを取得した娘の轟氏に譲り、中村氏は会長職に就く。しかし実際には中村氏の社内における権力が衰えることはなかったようだ。「中村さんは、娘の麻衣子さんを12歳からイギリスにある全寮制の私立学校に進学させましたが、その際に周囲から『育児放棄』『鬼のようだ』と言われたことを中村さんや娘の麻衣子さん自身がインタビューで明かしています。 麻衣子さんは母からの期待に応えるように慣れない環境で幼少期を過ごしました。その後、ロンドンの大学を経て、外資系証券会社やラグジュアリーブランドに勤務したのち帰国されています。 そんな彼女だからこそ、偉大な創業者である中村さんに不自由なく育ててもらった恩もあって、社長になったあとも経営方針などに口出しすることができなかったのかもしれません。母娘はお住まいも港区のマンションで隣り合った部屋でしたし、麻衣子さんは周囲にも『母の思いを汲みとって経営したい』と話していました。今回のパワハラについても、そうした親子の特殊な関係が影響しているように思います」(前出・ポピンズ関係者) 教育者としての責任があるこの母娘にとって、今回の報道は何を意味するのだろうか──。
同社はデイリー新潮の取材に対しこれらの問題に関する内部告発があったことを認め、「詳細につきましては回答を控えさせていただきます」としている。また、11月22日付で「代表取締役の異動(辞任)に関するお知らせ」という文書を株主向けに告知し、中村氏が辞任したことがわかった。
中村氏は1973年にテレビ朝日にアナウンサーとして入社。しかし、娘の妊娠・出産もあって入社3年目で同社を退社する。その後は、フリーアナウンサーとして『水曜スペシャル 川口浩探検隊シリーズ』(テレ朝系)のレポーターなど、さまざまな番組で活躍した経歴を持つ。
その際に体験したベビーシッターサービスに課題を感じ、38歳でポピンズの前身会社を起業するに至った。華やかなキャリアもあり、芸能界とは少なからず縁があったようだ。実際にポピンズの保育サービスを利用した女性が語る。
「たとえば広尾のスクールに関しては定員が約70名で、入園待ちすることもしばしば。芸能人のお子さんも多く通っているそうです。イベントごとになると会長さん(中村氏)自ら顔を出して、保護者の方々と写真を撮るなどして交流します」
また、政界との繋がりも深い。2018年7月には『週刊文春』によって故・安倍晋三氏の夫人である安倍昭恵氏との関係が報じられている。
「当時は『モリカケ問題』が取り沙汰されている真っ只中で、『文春』の報道では、中村氏が『安倍昭恵さんを慰める会』を山口県の割烹料亭で開いたことが取り上げられていました。さらに同誌の概算によると、ポピンズは年間60億円以上の補助金を受け取っていたともされています。
中村氏は2013年に発表された『アベノミクス』の目玉政策として、待機児童解消加速化プランが打ち出された頃から政界に興味をもち始め、パイプ作りに邁進していたそうです。結果的に、昭恵氏とはふたりで飲みにいくほどの仲になったとか」(政治記者)
中村氏は昭恵氏をはじめとして、小池百合子現東京都知事や衆議院議員・野田聖子氏、参議院議員・森まさこ氏らなど名だたる女性政治家とも交流があり、実際にSNS上などでも共に写真にうつる姿が確認できる。
「2018年3月に東京のパレスホテルで開かれたポピンズ創業30周年パーティでは安倍昭恵氏が乾杯の音頭を取っています。また当時総務大臣の野田聖子氏なども同席し、そのパーティは中村氏の政界への繋がりを色濃く示すものだったと聞いています」(同前)
創業社長として会社を拡大させてきた中村氏。『デイリー新潮』で報じられたパワハラ疑惑について、過去にそれを示唆する発言も残しているようだ。ビジネス誌記者が語る。
「ご本人もそう回顧されていますが、彼女は良くも悪くもワンマン社長でした。ポピンズでは『男も女もない』とか『徹底的にしごく』と、社員さんに対してはシビアな教育を行なっていたようです。また、説得するのに手間がかかることから、ご自身と価値観のあう人間をそばに置きたいとも明言しており、意見の違う人間は身近から遠ざけていたようにも見えます」
雑誌のインタビューでは、〈経営者としての私は、いわゆるワンマンだったと思います。それも、強烈に。〉〈新規事業の企画書はほとんど自分で書いてプレゼンをし、社員には有無を言わさず指示。その指示も、朝令暮改よりも早い朝令“朝”改状態。〉(日経ウーマン、2022年10月号)などと語っていた。
そうしたなか『週刊文春』の昭恵氏との報道があった2018年4月、社長のポストをフランスの大学院でMBAを取得した娘の轟氏に譲り、中村氏は会長職に就く。しかし実際には中村氏の社内における権力が衰えることはなかったようだ。
「中村さんは、娘の麻衣子さんを12歳からイギリスにある全寮制の私立学校に進学させましたが、その際に周囲から『育児放棄』『鬼のようだ』と言われたことを中村さんや娘の麻衣子さん自身がインタビューで明かしています。
麻衣子さんは母からの期待に応えるように慣れない環境で幼少期を過ごしました。その後、ロンドンの大学を経て、外資系証券会社やラグジュアリーブランドに勤務したのち帰国されています。
そんな彼女だからこそ、偉大な創業者である中村さんに不自由なく育ててもらった恩もあって、社長になったあとも経営方針などに口出しすることができなかったのかもしれません。母娘はお住まいも港区のマンションで隣り合った部屋でしたし、麻衣子さんは周囲にも『母の思いを汲みとって経営したい』と話していました。今回のパワハラについても、そうした親子の特殊な関係が影響しているように思います」(前出・ポピンズ関係者)
教育者としての責任があるこの母娘にとって、今回の報道は何を意味するのだろうか──。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。