《宝塚会見》第一声が謝罪ではなかった理由、理事長の“微笑み”の謎…会見を分析した臨床心理士が気づいた3人の幹部の“驚きの心理状態”とは

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この記者会見を見て、宝塚歌劇団は変わっていくと思えた人は、いったいどれくらいいただろう。有愛きいさん(25)が亡くなった件で、宝塚歌劇団は11月14日に会見を開いたが、ネットの反応は批判一色となった。
【画像】「謎の微笑み」を見せた木場理事長の表情 いじめやパワハラを全面否定した姿勢をはじめ、「9月のジャニーズの会見よりもひどい」という声もあがった。それほどの悪印象を与えた理由は何だったのか、そして会見に出席した木場健之理事長(60)らが守ろうとしたものは何だったのか。仕草や表情に表れる、その心理を分析した。

記者会見に出席した宝塚歌劇団の木場健之理事長ほか2名 時事通信社哀悼でも謝罪でもなかった驚きの「第一声」 会見冒頭まず驚いたのは、宝塚の理事長・木場健之氏が有愛さんが亡くなった件の調査報告書についていきなり話しはじめたことだ。亡くなった劇団員への哀悼の言葉や、遺族に対する謝罪はなく、事務的に報告書の話からスタートしようとしたのだ。この一言で、彼らにとって重要なのは劇団員が亡くなったことよりも、それをどう釈明するかだったのではないかという印象を与える。 木場氏は「報告書を受け全力で改善に取り組む」と静かな調子で語った後に、ようやく急逝した劇団員に哀悼の意を表し、遺族に心からお詫びすると述べた。 だがこの時、木場氏も、その両横に並んで立つ村上浩爾専務理事、井場睦之理事・制作部長の2人も頭を下げず、微動だにしていなかった。 彼らが頭を下げたのは、その後に宝塚のファンや関係者に深くお詫びすると木場氏が述べてから。これでは、有愛さんやその遺族ではなく、ファンや関係者に対して頭を下げた格好になる。目をパチパチさせ、首をひねり…いじめやパワハラを全面否定 着席すると、今度は井場氏が外部の弁護士によって作成されたという報告書の概要を読み上げる。 内容は、遺族が主張していた上級生らによるいじめやパワハラを全面否定し、過重労働や過密日程による心理的負荷が原因というもので、到底、世間が納得するようなものではない。 さらに井場氏の報告書の読み方も、見る側の不信を誘うものだった。緊張していたのかもしれないが、視線を書面に落としたままで、単調なこもった声で早口で字面を読み上げていく。そして時おり、焦点の合わない上目使いをちらっと会場に向け、会場の記者たちの顔色をうかがうような気配を見せる。 井場氏の中には、報告書を読み上げることへの不安と後ろめたさと怯えが強くあるように見えた。 質疑応答に入ってからも、木場氏や村上氏が質問に対して考え込む場面が度々あった。「指導」「いじめ」「ハラスメント」などの言葉を聞くと一瞬、彼らの表情が固まる。「(ヒアリングで)初めて話す人に真実を話せるか疑問」と報告書の正確性を確認する質問や、「これまでにも指導という名のハラスメントはなかったのか」「いじめやパワハラの相談はなかったのか」などの追及に、木場氏は目をパチパチさせ、考え込むように首をゆっくりひねる。村上氏はうつむくように視線を落としたまま動きを止めた。そうして、しばし考え込むような間をあける。 質問によっては木場氏が否定しながらわずかに頬を緩め、首をひねる様子も見受けられた。 報告書を公表して質疑応答を受けるのだから、このような質問がくることは想定内だったはずだ。にもかかわらず「なぜそんなことを聞かれるのかわからない」「思い出せない」というような雰囲気を演出する間と表情は、わざとらしく不自然さが際立った。「度を越えるルールや体質を目撃したことは」と問われると、木場氏は「度を越えるルール……」とつぶやきながら首を傾げ、しばらく考えるようなそぶりを見せた。そうして、舞台装置の安全面について強い指導があったと回答した。 しかしここまでの会見の流れを考えれば「度を越えるルール」が安全面の話ではなく、厳しい上下関係やハラスメントの有無を聞いていることは明白である。 それでも木場氏は、質問する記者たちに視線を合わせることなく、「安全指導」の話でお茶を濁そうとしたことになる。これは劇団に受け継がれてきた厳しいルールや指導に言及しないための、話のすり替えとしか考えられない。 いじめやパワハラは指導という言葉に代わり、いじめによるストレスは故人が過重労働で追い詰められたことによる心理的負荷になったように、言い方を変え、論点をずらし、問題点をぼやかし、見て見ぬふりというより首を傾げて惚けて終わりにする。「外部漏らし」という言葉がでると途端に厳しい表情に 会見の中で、木場氏と村上氏の表情が大きく変わったのが「外部漏らし」という言葉が出た時だった。「外部漏らし」とは、劇団内で起きたことを外部に漏らしてはいけないという宝塚の暗黙のルールを指す。もし内部で起きたことが外に漏れた場合は、徹底的な犯人探しが始まるといわれている。 そのような空気がある劇団内で行われたヒアリングで、劇団員たちが初めて話す相手に真実を話せるかどうかは疑問がある。しかしそれを問われた木場氏は、戸惑ったような表情を見せながら「かなり(本音が)出ていると思う」と回答。 それでも外部漏らしという言葉が出ると、木場氏は目を見開くように額をあげて深いシワを寄せ、村上氏も額と眉間にシワを寄せて厳しい表情になった。歌劇団としてあってはならないことに対する不快感と、記者たちに問い詰められることへの嫌悪感や警戒感が見て取れる。 宝塚の運営側と遺族側との面談がいまだに実現していないことについて、「(遺族側からの)拒否があったのか」と聞かれると、村上氏は慌てて「拒否ということはない」と答え、必死な様子で表情を歪め、大きく頷きながら「まだその時期に至っていない」と続けた。 だが遺族側は再検証を求めており、歌劇団側が証拠の捏造を繰り返してきたとも主張している。それについての見解を問われると「我々が隠ぺいしているとか、報告することを歪めるとかは一切ございません」と、前のめりになりながら語気を荒げて否定した。 他の場面では「これですべて終わりとは思っていない」「把握していない、認識していないこともあろうかと」と殊勝な発言も見せていたが、今回の「いじめやパワハラはなかった」という報告書の内容で押し切るつもりということだろう。 今回の件の責任を取る形で、木場氏は12月1日付で理事長を辞任し、専務理事の村上氏が新しい理事長に内定していることも発表した。会見終了間際に「宝塚は変わると断言できるか」と質問された村上氏は、前を向き「変わらなければならないものは、絶対に変わらなければならないと私は思います。一方で伝統の中で守っていくべきものも間違いなく“ある”と思っています」と、この会見の中で最も強く“ある”という言葉を強調した。 やはり彼らにとっての最優先事項は、伝統を守ることなのだろう。東山紀之氏の発言と酷似した「伝統」についての発言 村上氏は会見の中で、宝塚には長く積み上げてきた伝統、矜持や誇りがあり、いくら変化をしていくためとは言っても知らない人が入るのは簡単ではない、という意味のことを答えている。 これは、どこかで聞いたようなフレーズではないか。つい2カ月前に旧ジャニーズ事務所が開いた最初の会見で、「これまでタレントが培ってきたエネルギーとか、プライドとかだと思うので、表現の一つでもいいと思う」とジャニーズの名前を残すという文脈で東山紀之氏が発言した内容と似ているのだ。 旧ジャニーズはその後2回目の記者会見を余儀なくされ、事務所の名前も変更することになった。宝塚歌劇団はジャニーズ以上に歴史が長い分、伝統を守りたいという感覚はさらに強いことだろう。名前や伝統に対する誇りと世間の意識とのズレ、極力変化を小さく抑え、外部の人間を入れずになんとかしようとする組織のこだわりを感じずにはいられない。 それらを抱えたまま、伝統を守ろうとする新理事長のもとで宝塚歌劇団は果たして変わることができるのだろうか。◆◆◆今回の事件について情報を募集しています。文春リークスまで情報をお寄せください。文春リークス:https://bunshun.jp/list/leaks◆◆◆【厚生労働省のサイトで紹介している主な悩み相談窓口】▼いのちの電話 0570-783-556(午前10時~午後10時)、0120-783-556(午後4時~同9時、毎月10日は午前8時~翌日午前8時)▼こころの健康相談統一ダイヤル 0570-064-556(対応の曜日・時間は都道府県により異なる)▼よりそいホットライン 0120-279-338(24時間対応) 岩手、宮城、福島各県からは0120-279-226(24時間対応)(岡村 美奈)
いじめやパワハラを全面否定した姿勢をはじめ、「9月のジャニーズの会見よりもひどい」という声もあがった。それほどの悪印象を与えた理由は何だったのか、そして会見に出席した木場健之理事長(60)らが守ろうとしたものは何だったのか。仕草や表情に表れる、その心理を分析した。
記者会見に出席した宝塚歌劇団の木場健之理事長ほか2名 時事通信社
会見冒頭まず驚いたのは、宝塚の理事長・木場健之氏が有愛さんが亡くなった件の調査報告書についていきなり話しはじめたことだ。亡くなった劇団員への哀悼の言葉や、遺族に対する謝罪はなく、事務的に報告書の話からスタートしようとしたのだ。この一言で、彼らにとって重要なのは劇団員が亡くなったことよりも、それをどう釈明するかだったのではないかという印象を与える。
木場氏は「報告書を受け全力で改善に取り組む」と静かな調子で語った後に、ようやく急逝した劇団員に哀悼の意を表し、遺族に心からお詫びすると述べた。 だがこの時、木場氏も、その両横に並んで立つ村上浩爾専務理事、井場睦之理事・制作部長の2人も頭を下げず、微動だにしていなかった。 彼らが頭を下げたのは、その後に宝塚のファンや関係者に深くお詫びすると木場氏が述べてから。これでは、有愛さんやその遺族ではなく、ファンや関係者に対して頭を下げた格好になる。目をパチパチさせ、首をひねり…いじめやパワハラを全面否定 着席すると、今度は井場氏が外部の弁護士によって作成されたという報告書の概要を読み上げる。 内容は、遺族が主張していた上級生らによるいじめやパワハラを全面否定し、過重労働や過密日程による心理的負荷が原因というもので、到底、世間が納得するようなものではない。 さらに井場氏の報告書の読み方も、見る側の不信を誘うものだった。緊張していたのかもしれないが、視線を書面に落としたままで、単調なこもった声で早口で字面を読み上げていく。そして時おり、焦点の合わない上目使いをちらっと会場に向け、会場の記者たちの顔色をうかがうような気配を見せる。 井場氏の中には、報告書を読み上げることへの不安と後ろめたさと怯えが強くあるように見えた。 質疑応答に入ってからも、木場氏や村上氏が質問に対して考え込む場面が度々あった。「指導」「いじめ」「ハラスメント」などの言葉を聞くと一瞬、彼らの表情が固まる。「(ヒアリングで)初めて話す人に真実を話せるか疑問」と報告書の正確性を確認する質問や、「これまでにも指導という名のハラスメントはなかったのか」「いじめやパワハラの相談はなかったのか」などの追及に、木場氏は目をパチパチさせ、考え込むように首をゆっくりひねる。村上氏はうつむくように視線を落としたまま動きを止めた。そうして、しばし考え込むような間をあける。 質問によっては木場氏が否定しながらわずかに頬を緩め、首をひねる様子も見受けられた。 報告書を公表して質疑応答を受けるのだから、このような質問がくることは想定内だったはずだ。にもかかわらず「なぜそんなことを聞かれるのかわからない」「思い出せない」というような雰囲気を演出する間と表情は、わざとらしく不自然さが際立った。「度を越えるルールや体質を目撃したことは」と問われると、木場氏は「度を越えるルール……」とつぶやきながら首を傾げ、しばらく考えるようなそぶりを見せた。そうして、舞台装置の安全面について強い指導があったと回答した。 しかしここまでの会見の流れを考えれば「度を越えるルール」が安全面の話ではなく、厳しい上下関係やハラスメントの有無を聞いていることは明白である。 それでも木場氏は、質問する記者たちに視線を合わせることなく、「安全指導」の話でお茶を濁そうとしたことになる。これは劇団に受け継がれてきた厳しいルールや指導に言及しないための、話のすり替えとしか考えられない。 いじめやパワハラは指導という言葉に代わり、いじめによるストレスは故人が過重労働で追い詰められたことによる心理的負荷になったように、言い方を変え、論点をずらし、問題点をぼやかし、見て見ぬふりというより首を傾げて惚けて終わりにする。「外部漏らし」という言葉がでると途端に厳しい表情に 会見の中で、木場氏と村上氏の表情が大きく変わったのが「外部漏らし」という言葉が出た時だった。「外部漏らし」とは、劇団内で起きたことを外部に漏らしてはいけないという宝塚の暗黙のルールを指す。もし内部で起きたことが外に漏れた場合は、徹底的な犯人探しが始まるといわれている。 そのような空気がある劇団内で行われたヒアリングで、劇団員たちが初めて話す相手に真実を話せるかどうかは疑問がある。しかしそれを問われた木場氏は、戸惑ったような表情を見せながら「かなり(本音が)出ていると思う」と回答。 それでも外部漏らしという言葉が出ると、木場氏は目を見開くように額をあげて深いシワを寄せ、村上氏も額と眉間にシワを寄せて厳しい表情になった。歌劇団としてあってはならないことに対する不快感と、記者たちに問い詰められることへの嫌悪感や警戒感が見て取れる。 宝塚の運営側と遺族側との面談がいまだに実現していないことについて、「(遺族側からの)拒否があったのか」と聞かれると、村上氏は慌てて「拒否ということはない」と答え、必死な様子で表情を歪め、大きく頷きながら「まだその時期に至っていない」と続けた。 だが遺族側は再検証を求めており、歌劇団側が証拠の捏造を繰り返してきたとも主張している。それについての見解を問われると「我々が隠ぺいしているとか、報告することを歪めるとかは一切ございません」と、前のめりになりながら語気を荒げて否定した。 他の場面では「これですべて終わりとは思っていない」「把握していない、認識していないこともあろうかと」と殊勝な発言も見せていたが、今回の「いじめやパワハラはなかった」という報告書の内容で押し切るつもりということだろう。 今回の件の責任を取る形で、木場氏は12月1日付で理事長を辞任し、専務理事の村上氏が新しい理事長に内定していることも発表した。会見終了間際に「宝塚は変わると断言できるか」と質問された村上氏は、前を向き「変わらなければならないものは、絶対に変わらなければならないと私は思います。一方で伝統の中で守っていくべきものも間違いなく“ある”と思っています」と、この会見の中で最も強く“ある”という言葉を強調した。 やはり彼らにとっての最優先事項は、伝統を守ることなのだろう。東山紀之氏の発言と酷似した「伝統」についての発言 村上氏は会見の中で、宝塚には長く積み上げてきた伝統、矜持や誇りがあり、いくら変化をしていくためとは言っても知らない人が入るのは簡単ではない、という意味のことを答えている。 これは、どこかで聞いたようなフレーズではないか。つい2カ月前に旧ジャニーズ事務所が開いた最初の会見で、「これまでタレントが培ってきたエネルギーとか、プライドとかだと思うので、表現の一つでもいいと思う」とジャニーズの名前を残すという文脈で東山紀之氏が発言した内容と似ているのだ。 旧ジャニーズはその後2回目の記者会見を余儀なくされ、事務所の名前も変更することになった。宝塚歌劇団はジャニーズ以上に歴史が長い分、伝統を守りたいという感覚はさらに強いことだろう。名前や伝統に対する誇りと世間の意識とのズレ、極力変化を小さく抑え、外部の人間を入れずになんとかしようとする組織のこだわりを感じずにはいられない。 それらを抱えたまま、伝統を守ろうとする新理事長のもとで宝塚歌劇団は果たして変わることができるのだろうか。◆◆◆今回の事件について情報を募集しています。文春リークスまで情報をお寄せください。文春リークス:https://bunshun.jp/list/leaks◆◆◆【厚生労働省のサイトで紹介している主な悩み相談窓口】▼いのちの電話 0570-783-556(午前10時~午後10時)、0120-783-556(午後4時~同9時、毎月10日は午前8時~翌日午前8時)▼こころの健康相談統一ダイヤル 0570-064-556(対応の曜日・時間は都道府県により異なる)▼よりそいホットライン 0120-279-338(24時間対応) 岩手、宮城、福島各県からは0120-279-226(24時間対応)(岡村 美奈)
木場氏は「報告書を受け全力で改善に取り組む」と静かな調子で語った後に、ようやく急逝した劇団員に哀悼の意を表し、遺族に心からお詫びすると述べた。
だがこの時、木場氏も、その両横に並んで立つ村上浩爾専務理事、井場睦之理事・制作部長の2人も頭を下げず、微動だにしていなかった。
彼らが頭を下げたのは、その後に宝塚のファンや関係者に深くお詫びすると木場氏が述べてから。これでは、有愛さんやその遺族ではなく、ファンや関係者に対して頭を下げた格好になる。
着席すると、今度は井場氏が外部の弁護士によって作成されたという報告書の概要を読み上げる。
内容は、遺族が主張していた上級生らによるいじめやパワハラを全面否定し、過重労働や過密日程による心理的負荷が原因というもので、到底、世間が納得するようなものではない。
さらに井場氏の報告書の読み方も、見る側の不信を誘うものだった。緊張していたのかもしれないが、視線を書面に落としたままで、単調なこもった声で早口で字面を読み上げていく。そして時おり、焦点の合わない上目使いをちらっと会場に向け、会場の記者たちの顔色をうかがうような気配を見せる。
井場氏の中には、報告書を読み上げることへの不安と後ろめたさと怯えが強くあるように見えた。
質疑応答に入ってからも、木場氏や村上氏が質問に対して考え込む場面が度々あった。「指導」「いじめ」「ハラスメント」などの言葉を聞くと一瞬、彼らの表情が固まる。「(ヒアリングで)初めて話す人に真実を話せるか疑問」と報告書の正確性を確認する質問や、「これまでにも指導という名のハラスメントはなかったのか」「いじめやパワハラの相談はなかったのか」などの追及に、木場氏は目をパチパチさせ、考え込むように首をゆっくりひねる。村上氏はうつむくように視線を落としたまま動きを止めた。そうして、しばし考え込むような間をあける。 質問によっては木場氏が否定しながらわずかに頬を緩め、首をひねる様子も見受けられた。 報告書を公表して質疑応答を受けるのだから、このような質問がくることは想定内だったはずだ。にもかかわらず「なぜそんなことを聞かれるのかわからない」「思い出せない」というような雰囲気を演出する間と表情は、わざとらしく不自然さが際立った。「度を越えるルールや体質を目撃したことは」と問われると、木場氏は「度を越えるルール……」とつぶやきながら首を傾げ、しばらく考えるようなそぶりを見せた。そうして、舞台装置の安全面について強い指導があったと回答した。 しかしここまでの会見の流れを考えれば「度を越えるルール」が安全面の話ではなく、厳しい上下関係やハラスメントの有無を聞いていることは明白である。 それでも木場氏は、質問する記者たちに視線を合わせることなく、「安全指導」の話でお茶を濁そうとしたことになる。これは劇団に受け継がれてきた厳しいルールや指導に言及しないための、話のすり替えとしか考えられない。 いじめやパワハラは指導という言葉に代わり、いじめによるストレスは故人が過重労働で追い詰められたことによる心理的負荷になったように、言い方を変え、論点をずらし、問題点をぼやかし、見て見ぬふりというより首を傾げて惚けて終わりにする。「外部漏らし」という言葉がでると途端に厳しい表情に 会見の中で、木場氏と村上氏の表情が大きく変わったのが「外部漏らし」という言葉が出た時だった。「外部漏らし」とは、劇団内で起きたことを外部に漏らしてはいけないという宝塚の暗黙のルールを指す。もし内部で起きたことが外に漏れた場合は、徹底的な犯人探しが始まるといわれている。 そのような空気がある劇団内で行われたヒアリングで、劇団員たちが初めて話す相手に真実を話せるかどうかは疑問がある。しかしそれを問われた木場氏は、戸惑ったような表情を見せながら「かなり(本音が)出ていると思う」と回答。 それでも外部漏らしという言葉が出ると、木場氏は目を見開くように額をあげて深いシワを寄せ、村上氏も額と眉間にシワを寄せて厳しい表情になった。歌劇団としてあってはならないことに対する不快感と、記者たちに問い詰められることへの嫌悪感や警戒感が見て取れる。 宝塚の運営側と遺族側との面談がいまだに実現していないことについて、「(遺族側からの)拒否があったのか」と聞かれると、村上氏は慌てて「拒否ということはない」と答え、必死な様子で表情を歪め、大きく頷きながら「まだその時期に至っていない」と続けた。 だが遺族側は再検証を求めており、歌劇団側が証拠の捏造を繰り返してきたとも主張している。それについての見解を問われると「我々が隠ぺいしているとか、報告することを歪めるとかは一切ございません」と、前のめりになりながら語気を荒げて否定した。 他の場面では「これですべて終わりとは思っていない」「把握していない、認識していないこともあろうかと」と殊勝な発言も見せていたが、今回の「いじめやパワハラはなかった」という報告書の内容で押し切るつもりということだろう。 今回の件の責任を取る形で、木場氏は12月1日付で理事長を辞任し、専務理事の村上氏が新しい理事長に内定していることも発表した。会見終了間際に「宝塚は変わると断言できるか」と質問された村上氏は、前を向き「変わらなければならないものは、絶対に変わらなければならないと私は思います。一方で伝統の中で守っていくべきものも間違いなく“ある”と思っています」と、この会見の中で最も強く“ある”という言葉を強調した。 やはり彼らにとっての最優先事項は、伝統を守ることなのだろう。東山紀之氏の発言と酷似した「伝統」についての発言 村上氏は会見の中で、宝塚には長く積み上げてきた伝統、矜持や誇りがあり、いくら変化をしていくためとは言っても知らない人が入るのは簡単ではない、という意味のことを答えている。 これは、どこかで聞いたようなフレーズではないか。つい2カ月前に旧ジャニーズ事務所が開いた最初の会見で、「これまでタレントが培ってきたエネルギーとか、プライドとかだと思うので、表現の一つでもいいと思う」とジャニーズの名前を残すという文脈で東山紀之氏が発言した内容と似ているのだ。 旧ジャニーズはその後2回目の記者会見を余儀なくされ、事務所の名前も変更することになった。宝塚歌劇団はジャニーズ以上に歴史が長い分、伝統を守りたいという感覚はさらに強いことだろう。名前や伝統に対する誇りと世間の意識とのズレ、極力変化を小さく抑え、外部の人間を入れずになんとかしようとする組織のこだわりを感じずにはいられない。 それらを抱えたまま、伝統を守ろうとする新理事長のもとで宝塚歌劇団は果たして変わることができるのだろうか。◆◆◆今回の事件について情報を募集しています。文春リークスまで情報をお寄せください。文春リークス:https://bunshun.jp/list/leaks◆◆◆【厚生労働省のサイトで紹介している主な悩み相談窓口】▼いのちの電話 0570-783-556(午前10時~午後10時)、0120-783-556(午後4時~同9時、毎月10日は午前8時~翌日午前8時)▼こころの健康相談統一ダイヤル 0570-064-556(対応の曜日・時間は都道府県により異なる)▼よりそいホットライン 0120-279-338(24時間対応) 岩手、宮城、福島各県からは0120-279-226(24時間対応)(岡村 美奈)
質疑応答に入ってからも、木場氏や村上氏が質問に対して考え込む場面が度々あった。「指導」「いじめ」「ハラスメント」などの言葉を聞くと一瞬、彼らの表情が固まる。
「(ヒアリングで)初めて話す人に真実を話せるか疑問」と報告書の正確性を確認する質問や、「これまでにも指導という名のハラスメントはなかったのか」「いじめやパワハラの相談はなかったのか」などの追及に、木場氏は目をパチパチさせ、考え込むように首をゆっくりひねる。村上氏はうつむくように視線を落としたまま動きを止めた。そうして、しばし考え込むような間をあける。
質問によっては木場氏が否定しながらわずかに頬を緩め、首をひねる様子も見受けられた。 報告書を公表して質疑応答を受けるのだから、このような質問がくることは想定内だったはずだ。にもかかわらず「なぜそんなことを聞かれるのかわからない」「思い出せない」というような雰囲気を演出する間と表情は、わざとらしく不自然さが際立った。「度を越えるルールや体質を目撃したことは」と問われると、木場氏は「度を越えるルール……」とつぶやきながら首を傾げ、しばらく考えるようなそぶりを見せた。そうして、舞台装置の安全面について強い指導があったと回答した。 しかしここまでの会見の流れを考えれば「度を越えるルール」が安全面の話ではなく、厳しい上下関係やハラスメントの有無を聞いていることは明白である。 それでも木場氏は、質問する記者たちに視線を合わせることなく、「安全指導」の話でお茶を濁そうとしたことになる。これは劇団に受け継がれてきた厳しいルールや指導に言及しないための、話のすり替えとしか考えられない。 いじめやパワハラは指導という言葉に代わり、いじめによるストレスは故人が過重労働で追い詰められたことによる心理的負荷になったように、言い方を変え、論点をずらし、問題点をぼやかし、見て見ぬふりというより首を傾げて惚けて終わりにする。「外部漏らし」という言葉がでると途端に厳しい表情に 会見の中で、木場氏と村上氏の表情が大きく変わったのが「外部漏らし」という言葉が出た時だった。「外部漏らし」とは、劇団内で起きたことを外部に漏らしてはいけないという宝塚の暗黙のルールを指す。もし内部で起きたことが外に漏れた場合は、徹底的な犯人探しが始まるといわれている。 そのような空気がある劇団内で行われたヒアリングで、劇団員たちが初めて話す相手に真実を話せるかどうかは疑問がある。しかしそれを問われた木場氏は、戸惑ったような表情を見せながら「かなり(本音が)出ていると思う」と回答。 それでも外部漏らしという言葉が出ると、木場氏は目を見開くように額をあげて深いシワを寄せ、村上氏も額と眉間にシワを寄せて厳しい表情になった。歌劇団としてあってはならないことに対する不快感と、記者たちに問い詰められることへの嫌悪感や警戒感が見て取れる。 宝塚の運営側と遺族側との面談がいまだに実現していないことについて、「(遺族側からの)拒否があったのか」と聞かれると、村上氏は慌てて「拒否ということはない」と答え、必死な様子で表情を歪め、大きく頷きながら「まだその時期に至っていない」と続けた。 だが遺族側は再検証を求めており、歌劇団側が証拠の捏造を繰り返してきたとも主張している。それについての見解を問われると「我々が隠ぺいしているとか、報告することを歪めるとかは一切ございません」と、前のめりになりながら語気を荒げて否定した。 他の場面では「これですべて終わりとは思っていない」「把握していない、認識していないこともあろうかと」と殊勝な発言も見せていたが、今回の「いじめやパワハラはなかった」という報告書の内容で押し切るつもりということだろう。 今回の件の責任を取る形で、木場氏は12月1日付で理事長を辞任し、専務理事の村上氏が新しい理事長に内定していることも発表した。会見終了間際に「宝塚は変わると断言できるか」と質問された村上氏は、前を向き「変わらなければならないものは、絶対に変わらなければならないと私は思います。一方で伝統の中で守っていくべきものも間違いなく“ある”と思っています」と、この会見の中で最も強く“ある”という言葉を強調した。 やはり彼らにとっての最優先事項は、伝統を守ることなのだろう。東山紀之氏の発言と酷似した「伝統」についての発言 村上氏は会見の中で、宝塚には長く積み上げてきた伝統、矜持や誇りがあり、いくら変化をしていくためとは言っても知らない人が入るのは簡単ではない、という意味のことを答えている。 これは、どこかで聞いたようなフレーズではないか。つい2カ月前に旧ジャニーズ事務所が開いた最初の会見で、「これまでタレントが培ってきたエネルギーとか、プライドとかだと思うので、表現の一つでもいいと思う」とジャニーズの名前を残すという文脈で東山紀之氏が発言した内容と似ているのだ。 旧ジャニーズはその後2回目の記者会見を余儀なくされ、事務所の名前も変更することになった。宝塚歌劇団はジャニーズ以上に歴史が長い分、伝統を守りたいという感覚はさらに強いことだろう。名前や伝統に対する誇りと世間の意識とのズレ、極力変化を小さく抑え、外部の人間を入れずになんとかしようとする組織のこだわりを感じずにはいられない。 それらを抱えたまま、伝統を守ろうとする新理事長のもとで宝塚歌劇団は果たして変わることができるのだろうか。◆◆◆今回の事件について情報を募集しています。文春リークスまで情報をお寄せください。文春リークス:https://bunshun.jp/list/leaks◆◆◆【厚生労働省のサイトで紹介している主な悩み相談窓口】▼いのちの電話 0570-783-556(午前10時~午後10時)、0120-783-556(午後4時~同9時、毎月10日は午前8時~翌日午前8時)▼こころの健康相談統一ダイヤル 0570-064-556(対応の曜日・時間は都道府県により異なる)▼よりそいホットライン 0120-279-338(24時間対応) 岩手、宮城、福島各県からは0120-279-226(24時間対応)(岡村 美奈)
質問によっては木場氏が否定しながらわずかに頬を緩め、首をひねる様子も見受けられた。
報告書を公表して質疑応答を受けるのだから、このような質問がくることは想定内だったはずだ。にもかかわらず「なぜそんなことを聞かれるのかわからない」「思い出せない」というような雰囲気を演出する間と表情は、わざとらしく不自然さが際立った。
「度を越えるルールや体質を目撃したことは」と問われると、木場氏は「度を越えるルール……」とつぶやきながら首を傾げ、しばらく考えるようなそぶりを見せた。そうして、舞台装置の安全面について強い指導があったと回答した。
しかしここまでの会見の流れを考えれば「度を越えるルール」が安全面の話ではなく、厳しい上下関係やハラスメントの有無を聞いていることは明白である。
それでも木場氏は、質問する記者たちに視線を合わせることなく、「安全指導」の話でお茶を濁そうとしたことになる。これは劇団に受け継がれてきた厳しいルールや指導に言及しないための、話のすり替えとしか考えられない。
いじめやパワハラは指導という言葉に代わり、いじめによるストレスは故人が過重労働で追い詰められたことによる心理的負荷になったように、言い方を変え、論点をずらし、問題点をぼやかし、見て見ぬふりというより首を傾げて惚けて終わりにする。
会見の中で、木場氏と村上氏の表情が大きく変わったのが「外部漏らし」という言葉が出た時だった。「外部漏らし」とは、劇団内で起きたことを外部に漏らしてはいけないという宝塚の暗黙のルールを指す。もし内部で起きたことが外に漏れた場合は、徹底的な犯人探しが始まるといわれている。 そのような空気がある劇団内で行われたヒアリングで、劇団員たちが初めて話す相手に真実を話せるかどうかは疑問がある。しかしそれを問われた木場氏は、戸惑ったような表情を見せながら「かなり(本音が)出ていると思う」と回答。 それでも外部漏らしという言葉が出ると、木場氏は目を見開くように額をあげて深いシワを寄せ、村上氏も額と眉間にシワを寄せて厳しい表情になった。歌劇団としてあってはならないことに対する不快感と、記者たちに問い詰められることへの嫌悪感や警戒感が見て取れる。 宝塚の運営側と遺族側との面談がいまだに実現していないことについて、「(遺族側からの)拒否があったのか」と聞かれると、村上氏は慌てて「拒否ということはない」と答え、必死な様子で表情を歪め、大きく頷きながら「まだその時期に至っていない」と続けた。 だが遺族側は再検証を求めており、歌劇団側が証拠の捏造を繰り返してきたとも主張している。それについての見解を問われると「我々が隠ぺいしているとか、報告することを歪めるとかは一切ございません」と、前のめりになりながら語気を荒げて否定した。 他の場面では「これですべて終わりとは思っていない」「把握していない、認識していないこともあろうかと」と殊勝な発言も見せていたが、今回の「いじめやパワハラはなかった」という報告書の内容で押し切るつもりということだろう。 今回の件の責任を取る形で、木場氏は12月1日付で理事長を辞任し、専務理事の村上氏が新しい理事長に内定していることも発表した。会見終了間際に「宝塚は変わると断言できるか」と質問された村上氏は、前を向き「変わらなければならないものは、絶対に変わらなければならないと私は思います。一方で伝統の中で守っていくべきものも間違いなく“ある”と思っています」と、この会見の中で最も強く“ある”という言葉を強調した。 やはり彼らにとっての最優先事項は、伝統を守ることなのだろう。東山紀之氏の発言と酷似した「伝統」についての発言 村上氏は会見の中で、宝塚には長く積み上げてきた伝統、矜持や誇りがあり、いくら変化をしていくためとは言っても知らない人が入るのは簡単ではない、という意味のことを答えている。 これは、どこかで聞いたようなフレーズではないか。つい2カ月前に旧ジャニーズ事務所が開いた最初の会見で、「これまでタレントが培ってきたエネルギーとか、プライドとかだと思うので、表現の一つでもいいと思う」とジャニーズの名前を残すという文脈で東山紀之氏が発言した内容と似ているのだ。 旧ジャニーズはその後2回目の記者会見を余儀なくされ、事務所の名前も変更することになった。宝塚歌劇団はジャニーズ以上に歴史が長い分、伝統を守りたいという感覚はさらに強いことだろう。名前や伝統に対する誇りと世間の意識とのズレ、極力変化を小さく抑え、外部の人間を入れずになんとかしようとする組織のこだわりを感じずにはいられない。 それらを抱えたまま、伝統を守ろうとする新理事長のもとで宝塚歌劇団は果たして変わることができるのだろうか。◆◆◆今回の事件について情報を募集しています。文春リークスまで情報をお寄せください。文春リークス:https://bunshun.jp/list/leaks◆◆◆【厚生労働省のサイトで紹介している主な悩み相談窓口】▼いのちの電話 0570-783-556(午前10時~午後10時)、0120-783-556(午後4時~同9時、毎月10日は午前8時~翌日午前8時)▼こころの健康相談統一ダイヤル 0570-064-556(対応の曜日・時間は都道府県により異なる)▼よりそいホットライン 0120-279-338(24時間対応) 岩手、宮城、福島各県からは0120-279-226(24時間対応)(岡村 美奈)
会見の中で、木場氏と村上氏の表情が大きく変わったのが「外部漏らし」という言葉が出た時だった。「外部漏らし」とは、劇団内で起きたことを外部に漏らしてはいけないという宝塚の暗黙のルールを指す。もし内部で起きたことが外に漏れた場合は、徹底的な犯人探しが始まるといわれている。
そのような空気がある劇団内で行われたヒアリングで、劇団員たちが初めて話す相手に真実を話せるかどうかは疑問がある。しかしそれを問われた木場氏は、戸惑ったような表情を見せながら「かなり(本音が)出ていると思う」と回答。
それでも外部漏らしという言葉が出ると、木場氏は目を見開くように額をあげて深いシワを寄せ、村上氏も額と眉間にシワを寄せて厳しい表情になった。歌劇団としてあってはならないことに対する不快感と、記者たちに問い詰められることへの嫌悪感や警戒感が見て取れる。
宝塚の運営側と遺族側との面談がいまだに実現していないことについて、「(遺族側からの)拒否があったのか」と聞かれると、村上氏は慌てて「拒否ということはない」と答え、必死な様子で表情を歪め、大きく頷きながら「まだその時期に至っていない」と続けた。
だが遺族側は再検証を求めており、歌劇団側が証拠の捏造を繰り返してきたとも主張している。それについての見解を問われると「我々が隠ぺいしているとか、報告することを歪めるとかは一切ございません」と、前のめりになりながら語気を荒げて否定した。 他の場面では「これですべて終わりとは思っていない」「把握していない、認識していないこともあろうかと」と殊勝な発言も見せていたが、今回の「いじめやパワハラはなかった」という報告書の内容で押し切るつもりということだろう。 今回の件の責任を取る形で、木場氏は12月1日付で理事長を辞任し、専務理事の村上氏が新しい理事長に内定していることも発表した。会見終了間際に「宝塚は変わると断言できるか」と質問された村上氏は、前を向き「変わらなければならないものは、絶対に変わらなければならないと私は思います。一方で伝統の中で守っていくべきものも間違いなく“ある”と思っています」と、この会見の中で最も強く“ある”という言葉を強調した。 やはり彼らにとっての最優先事項は、伝統を守ることなのだろう。東山紀之氏の発言と酷似した「伝統」についての発言 村上氏は会見の中で、宝塚には長く積み上げてきた伝統、矜持や誇りがあり、いくら変化をしていくためとは言っても知らない人が入るのは簡単ではない、という意味のことを答えている。 これは、どこかで聞いたようなフレーズではないか。つい2カ月前に旧ジャニーズ事務所が開いた最初の会見で、「これまでタレントが培ってきたエネルギーとか、プライドとかだと思うので、表現の一つでもいいと思う」とジャニーズの名前を残すという文脈で東山紀之氏が発言した内容と似ているのだ。 旧ジャニーズはその後2回目の記者会見を余儀なくされ、事務所の名前も変更することになった。宝塚歌劇団はジャニーズ以上に歴史が長い分、伝統を守りたいという感覚はさらに強いことだろう。名前や伝統に対する誇りと世間の意識とのズレ、極力変化を小さく抑え、外部の人間を入れずになんとかしようとする組織のこだわりを感じずにはいられない。 それらを抱えたまま、伝統を守ろうとする新理事長のもとで宝塚歌劇団は果たして変わることができるのだろうか。◆◆◆今回の事件について情報を募集しています。文春リークスまで情報をお寄せください。文春リークス:https://bunshun.jp/list/leaks◆◆◆【厚生労働省のサイトで紹介している主な悩み相談窓口】▼いのちの電話 0570-783-556(午前10時~午後10時)、0120-783-556(午後4時~同9時、毎月10日は午前8時~翌日午前8時)▼こころの健康相談統一ダイヤル 0570-064-556(対応の曜日・時間は都道府県により異なる)▼よりそいホットライン 0120-279-338(24時間対応) 岩手、宮城、福島各県からは0120-279-226(24時間対応)(岡村 美奈)
だが遺族側は再検証を求めており、歌劇団側が証拠の捏造を繰り返してきたとも主張している。それについての見解を問われると「我々が隠ぺいしているとか、報告することを歪めるとかは一切ございません」と、前のめりになりながら語気を荒げて否定した。
他の場面では「これですべて終わりとは思っていない」「把握していない、認識していないこともあろうかと」と殊勝な発言も見せていたが、今回の「いじめやパワハラはなかった」という報告書の内容で押し切るつもりということだろう。
今回の件の責任を取る形で、木場氏は12月1日付で理事長を辞任し、専務理事の村上氏が新しい理事長に内定していることも発表した。会見終了間際に「宝塚は変わると断言できるか」と質問された村上氏は、前を向き「変わらなければならないものは、絶対に変わらなければならないと私は思います。一方で伝統の中で守っていくべきものも間違いなく“ある”と思っています」と、この会見の中で最も強く“ある”という言葉を強調した。
やはり彼らにとっての最優先事項は、伝統を守ることなのだろう。
東山紀之氏の発言と酷似した「伝統」についての発言 村上氏は会見の中で、宝塚には長く積み上げてきた伝統、矜持や誇りがあり、いくら変化をしていくためとは言っても知らない人が入るのは簡単ではない、という意味のことを答えている。 これは、どこかで聞いたようなフレーズではないか。つい2カ月前に旧ジャニーズ事務所が開いた最初の会見で、「これまでタレントが培ってきたエネルギーとか、プライドとかだと思うので、表現の一つでもいいと思う」とジャニーズの名前を残すという文脈で東山紀之氏が発言した内容と似ているのだ。 旧ジャニーズはその後2回目の記者会見を余儀なくされ、事務所の名前も変更することになった。宝塚歌劇団はジャニーズ以上に歴史が長い分、伝統を守りたいという感覚はさらに強いことだろう。名前や伝統に対する誇りと世間の意識とのズレ、極力変化を小さく抑え、外部の人間を入れずになんとかしようとする組織のこだわりを感じずにはいられない。 それらを抱えたまま、伝統を守ろうとする新理事長のもとで宝塚歌劇団は果たして変わることができるのだろうか。◆◆◆今回の事件について情報を募集しています。文春リークスまで情報をお寄せください。文春リークス:https://bunshun.jp/list/leaks◆◆◆【厚生労働省のサイトで紹介している主な悩み相談窓口】▼いのちの電話 0570-783-556(午前10時~午後10時)、0120-783-556(午後4時~同9時、毎月10日は午前8時~翌日午前8時)▼こころの健康相談統一ダイヤル 0570-064-556(対応の曜日・時間は都道府県により異なる)▼よりそいホットライン 0120-279-338(24時間対応) 岩手、宮城、福島各県からは0120-279-226(24時間対応)(岡村 美奈)
村上氏は会見の中で、宝塚には長く積み上げてきた伝統、矜持や誇りがあり、いくら変化をしていくためとは言っても知らない人が入るのは簡単ではない、という意味のことを答えている。
これは、どこかで聞いたようなフレーズではないか。つい2カ月前に旧ジャニーズ事務所が開いた最初の会見で、「これまでタレントが培ってきたエネルギーとか、プライドとかだと思うので、表現の一つでもいいと思う」とジャニーズの名前を残すという文脈で東山紀之氏が発言した内容と似ているのだ。
旧ジャニーズはその後2回目の記者会見を余儀なくされ、事務所の名前も変更することになった。宝塚歌劇団はジャニーズ以上に歴史が長い分、伝統を守りたいという感覚はさらに強いことだろう。名前や伝統に対する誇りと世間の意識とのズレ、極力変化を小さく抑え、外部の人間を入れずになんとかしようとする組織のこだわりを感じずにはいられない。 それらを抱えたまま、伝統を守ろうとする新理事長のもとで宝塚歌劇団は果たして変わることができるのだろうか。◆◆◆今回の事件について情報を募集しています。文春リークスまで情報をお寄せください。文春リークス:https://bunshun.jp/list/leaks◆◆◆【厚生労働省のサイトで紹介している主な悩み相談窓口】▼いのちの電話 0570-783-556(午前10時~午後10時)、0120-783-556(午後4時~同9時、毎月10日は午前8時~翌日午前8時)▼こころの健康相談統一ダイヤル 0570-064-556(対応の曜日・時間は都道府県により異なる)▼よりそいホットライン 0120-279-338(24時間対応) 岩手、宮城、福島各県からは0120-279-226(24時間対応)(岡村 美奈)
旧ジャニーズはその後2回目の記者会見を余儀なくされ、事務所の名前も変更することになった。宝塚歌劇団はジャニーズ以上に歴史が長い分、伝統を守りたいという感覚はさらに強いことだろう。名前や伝統に対する誇りと世間の意識とのズレ、極力変化を小さく抑え、外部の人間を入れずになんとかしようとする組織のこだわりを感じずにはいられない。
それらを抱えたまま、伝統を守ろうとする新理事長のもとで宝塚歌劇団は果たして変わることができるのだろうか。
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▼いのちの電話 0570-783-556(午前10時~午後10時)、0120-783-556(午後4時~同9時、毎月10日は午前8時~翌日午前8時)
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▼よりそいホットライン 0120-279-338(24時間対応) 岩手、宮城、福島各県からは0120-279-226(24時間対応)
(岡村 美奈)

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