集団暴行で退学の7人「先輩の命令」 聖カタリナ学園高校側を提訴

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聖カタリナ学園高校(松山市)の野球部寮内で起きた集団暴行を巡って、加害者と認定された元部員7人が、退学勧告の処分は不当だとして、学校法人と校長に計約2300万円の損害賠償を求めて提訴していたことが関係者への取材で判明した。暴行は上級生の命令で、元部員も日常的に暴力を受けていたとしており、元部員の父親は「学校はろくに調べもしなかった」と訴えている。
集団暴行問題の聖カタリナ学園高野球部、新監督に浮田宏行氏 松山 提訴したのは、学校が設置した第三者委員会の調査で加害者とされた元1、2年生9人のうち元1年生7人。

訴状によると、元部員らは2022年5月、野球部寮内で同級生を暴行したとして同6月に退学勧告処分を受けた。だが、元部員らは、寮の規則に違反した同級生の身代わりとして、上級生から拳やスマートフォンで殴られていた。グラウンド整備ができていなかったことを理由に、バットのグリップエンドで後頭部を数十回殴られたこともあったとしている。同級生への暴力を命じられ、ちゅうちょすると、「お前らがやらなければお前らをやる」などと言われたこともあったという。 学校側に上級生から受けた暴行被害を訴えたにもかかわらず、第三者委員会の設置前に処分を下された。目前に迫った夏の愛媛大会に同校が出場できるようにするため、3年生はトラブルに関与していないと日本高校野球連盟に虚偽の報告をしたとしている。 元部員の父親は取材に「『トカゲのしっぽ切り』のように息子たちに責任をなすりつけて収束を図ろうとした。不当な処分で、学校は事実をきちんと調べるべきだ」と憤る。 同校は「現時点で野球部が関わっていて学校が確認できた暴行事案は全て高野連に報告している」とし、「裁判に関することなので、それ以上は話せない」としている。 22年5月の集団暴行を巡っては、元同級生が学校法人や部の元監督らに損害賠償を求めて訴訟となっており、今回提訴した元部員7人のうち6人も被告に追加された。今回の訴訟は7月に大阪地裁に提訴されたが、集団暴行を巡る訴訟が係争中の松山地裁に移して審理される。【広瀬晃子】
提訴したのは、学校が設置した第三者委員会の調査で加害者とされた元1、2年生9人のうち元1年生7人。
訴状によると、元部員らは2022年5月、野球部寮内で同級生を暴行したとして同6月に退学勧告処分を受けた。だが、元部員らは、寮の規則に違反した同級生の身代わりとして、上級生から拳やスマートフォンで殴られていた。グラウンド整備ができていなかったことを理由に、バットのグリップエンドで後頭部を数十回殴られたこともあったとしている。同級生への暴力を命じられ、ちゅうちょすると、「お前らがやらなければお前らをやる」などと言われたこともあったという。
学校側に上級生から受けた暴行被害を訴えたにもかかわらず、第三者委員会の設置前に処分を下された。目前に迫った夏の愛媛大会に同校が出場できるようにするため、3年生はトラブルに関与していないと日本高校野球連盟に虚偽の報告をしたとしている。
元部員の父親は取材に「『トカゲのしっぽ切り』のように息子たちに責任をなすりつけて収束を図ろうとした。不当な処分で、学校は事実をきちんと調べるべきだ」と憤る。
同校は「現時点で野球部が関わっていて学校が確認できた暴行事案は全て高野連に報告している」とし、「裁判に関することなので、それ以上は話せない」としている。
22年5月の集団暴行を巡っては、元同級生が学校法人や部の元監督らに損害賠償を求めて訴訟となっており、今回提訴した元部員7人のうち6人も被告に追加された。今回の訴訟は7月に大阪地裁に提訴されたが、集団暴行を巡る訴訟が係争中の松山地裁に移して審理される。【広瀬晃子】

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