青葉被告の妄想、放火に直接影響せず 精神鑑定医が証言 京アニ公判

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36人が犠牲になった2019年の京都アニメーション放火殺人事件で、殺人などの罪に問われた青葉真司被告(45)の裁判員裁判の第13回公判が23日、京都地裁であり、被告の事件当時の刑事責任能力に絞った審理が始まった。起訴前に被告の精神鑑定を行った精神科医が出廷し、被告には精神障害による妄想があったものの、放火時の行動そのものには直接影響していないとの見解を示した。
【写真など】青葉真司被告の生い立ちと事件の主な経緯は? 公判では青葉被告の責任能力の有無や程度が最大の争点。被告は起訴内容を認め、動機として「京アニが自身の小説を盗用した」と主張している。

この日は検察側の依頼で精神鑑定した大阪赤十字病院の和田央(ひさし)医師が出廷した。被告と25回面談して鑑定したという。 和田医師は、被告には他人が悪いとする「極端な他責傾向」や自分は特別だとする「誇大な自尊心」があり、不満がたまると攻撃的態度を取りやすい性格だと説明。精神障害によって事件前にも妄想を抱くことがあったとしたが、「傑作」と考えた自身の小説を京アニに応募するも落選し、小説家を諦めたことをきっかけに「ネガティブな感情を伴って妄想も増幅した」と述べた。 このうえで、京アニを狙った動機の形成には妄想が一定の影響を及ぼしたが、放火を実行した主な要因は小説を巡る現実の出来事と被告の性格傾向だとして、「障害の影響はほとんど認められない」と明言した。 医師への尋問の前には検察側、弁護側双方が責任能力に絞った冒頭陳述を実施した。検察側は被告の性格傾向が影響し、京アニに対する筋違いの恨みを募らせて事件を決意したと主張。直前に放火をためらいつつも自身の判断で実行しており、「妄想に支配されておらず、完全責任能力があった」と改めて訴えた。 これに対し、弁護側は善悪を判断する能力と、それに従って犯行を思いとどまる能力の両方がなければ、完全責任能力は認められないと強調。精神鑑定を行った医師2人の鑑定結果には食い違いがあると指摘し、「有罪とすることに疑問がある場合は無罪にしなければならない」と述べた。 次回の公判には、起訴後に弁護側の請求に基づき鑑定した精神科医が出廷して証言する予定。その後、検察側、弁護側の双方が責任能力に関する「中間論告・中間弁論」を行う。【久保聡、古川幸奈】
公判では青葉被告の責任能力の有無や程度が最大の争点。被告は起訴内容を認め、動機として「京アニが自身の小説を盗用した」と主張している。
この日は検察側の依頼で精神鑑定した大阪赤十字病院の和田央(ひさし)医師が出廷した。被告と25回面談して鑑定したという。
和田医師は、被告には他人が悪いとする「極端な他責傾向」や自分は特別だとする「誇大な自尊心」があり、不満がたまると攻撃的態度を取りやすい性格だと説明。精神障害によって事件前にも妄想を抱くことがあったとしたが、「傑作」と考えた自身の小説を京アニに応募するも落選し、小説家を諦めたことをきっかけに「ネガティブな感情を伴って妄想も増幅した」と述べた。
このうえで、京アニを狙った動機の形成には妄想が一定の影響を及ぼしたが、放火を実行した主な要因は小説を巡る現実の出来事と被告の性格傾向だとして、「障害の影響はほとんど認められない」と明言した。
医師への尋問の前には検察側、弁護側双方が責任能力に絞った冒頭陳述を実施した。検察側は被告の性格傾向が影響し、京アニに対する筋違いの恨みを募らせて事件を決意したと主張。直前に放火をためらいつつも自身の判断で実行しており、「妄想に支配されておらず、完全責任能力があった」と改めて訴えた。
これに対し、弁護側は善悪を判断する能力と、それに従って犯行を思いとどまる能力の両方がなければ、完全責任能力は認められないと強調。精神鑑定を行った医師2人の鑑定結果には食い違いがあると指摘し、「有罪とすることに疑問がある場合は無罪にしなければならない」と述べた。
次回の公判には、起訴後に弁護側の請求に基づき鑑定した精神科医が出廷して証言する予定。その後、検察側、弁護側の双方が責任能力に関する「中間論告・中間弁論」を行う。【久保聡、古川幸奈】

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