無敵のユーチューバーとしての面影はなかった。ユーチューブで俳優の綾野剛ら4人を繰り返し脅迫したなどとして暴力行為等処罰法違反(常習的脅迫)などの罪に問われた前参院議員のガーシー(本名・東谷義和)被告(51)の初公判が19日、東京地裁で開かれた。ガーシーは常習性をのぞいて事実関係を概ね認め、謝罪した。
【画像】頬がこけ、げっそり…激ヤセ姿をさらした保釈直後のガーシー被告「逮捕から3カ月、罪の償い方を考えてきた」 被告人席に立ったガーシーはそう訴えたという。
「Tシャツ姿が定番だったガーシーは白い長袖シャツにノーネクタイ、黒いスラックス姿でした。逮捕当時は金髪だった髪は伸び、生え際は黒に。ほぼ標準語で謝罪をするなど、全然違う印象でした」(司法担当記者) 昨年、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイにいながらユーチューブなどで自分が見聞きした芸能界の裏事情を次々に実名で暴露するスタイルで一躍、ネット界のアンチヒーローに祭り上げられたガーシー。その過程で問われたのが、綾野の裏話をぶちまけるとしたうえに、その後に綾野がガーシーを告訴したことに対して、「裁判出てくるってことがどんだけタレントとして致命的か、よう考えて出てこいよお前」とさらに脅した罪だ。「法廷では綾野の供述調書も読み上げられました。綾野の女癖の悪さなどガーシーが『暴露』した内容を事実無根だとし、『精神的に壊れそうになり俳優業を続けられなくなると感じた』とも吐露。他の3人の被害者とともに厳しい判決を求めました」(前出・記者)動画では威勢がよかったものの、打たれ弱い側面も… ガーシーの身辺が怪しくなってきたのは、絶大な人気を背に昨年の参院選で当時のNHK党から出馬して初当選したころからだ。警視庁からの任意聴取の要請に応じず、帰国しないまま参院を除名。UAE当局から送還され、今年6月に逮捕された。 司法関係者は「任意の聴取に応じ、示談交渉なども進めていれば、逮捕を免れた可能性は十分ある。UAEにいれば安泰とタカをくくったのかもしれないが、自ら招いた事態といわざるをえない」と指摘する。ガーシー(本人インスタより) 動画では威勢がよかったものの、捜査関係者は「UAE滞在中に母親の家が捜索されたことに動揺したコメントを出すなど、打たれ弱い側面もある。実刑となればさらにショックは大きい。謝罪に転じたのはガーシーの本来の人間性からはむしろ自然だ」とみる。 ガーシーは初公判で「母を裏切り、悲しませることは絶対に致しません」とも話した。何度も却下されていた保釈は初公判後の21日に認められ、同日、Tシャツ姿でシャバに出た。 このまま殊勝さを保つのか、反転攻勢の暴露を再開するのか。ガーシー劇場はいましばらく続く。(「週刊文春」編集部/週刊文春 2023年10月5日号)
「逮捕から3カ月、罪の償い方を考えてきた」
被告人席に立ったガーシーはそう訴えたという。
「Tシャツ姿が定番だったガーシーは白い長袖シャツにノーネクタイ、黒いスラックス姿でした。逮捕当時は金髪だった髪は伸び、生え際は黒に。ほぼ標準語で謝罪をするなど、全然違う印象でした」(司法担当記者)
昨年、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイにいながらユーチューブなどで自分が見聞きした芸能界の裏事情を次々に実名で暴露するスタイルで一躍、ネット界のアンチヒーローに祭り上げられたガーシー。その過程で問われたのが、綾野の裏話をぶちまけるとしたうえに、その後に綾野がガーシーを告訴したことに対して、「裁判出てくるってことがどんだけタレントとして致命的か、よう考えて出てこいよお前」とさらに脅した罪だ。「法廷では綾野の供述調書も読み上げられました。綾野の女癖の悪さなどガーシーが『暴露』した内容を事実無根だとし、『精神的に壊れそうになり俳優業を続けられなくなると感じた』とも吐露。他の3人の被害者とともに厳しい判決を求めました」(前出・記者)動画では威勢がよかったものの、打たれ弱い側面も… ガーシーの身辺が怪しくなってきたのは、絶大な人気を背に昨年の参院選で当時のNHK党から出馬して初当選したころからだ。警視庁からの任意聴取の要請に応じず、帰国しないまま参院を除名。UAE当局から送還され、今年6月に逮捕された。 司法関係者は「任意の聴取に応じ、示談交渉なども進めていれば、逮捕を免れた可能性は十分ある。UAEにいれば安泰とタカをくくったのかもしれないが、自ら招いた事態といわざるをえない」と指摘する。ガーシー(本人インスタより) 動画では威勢がよかったものの、捜査関係者は「UAE滞在中に母親の家が捜索されたことに動揺したコメントを出すなど、打たれ弱い側面もある。実刑となればさらにショックは大きい。謝罪に転じたのはガーシーの本来の人間性からはむしろ自然だ」とみる。 ガーシーは初公判で「母を裏切り、悲しませることは絶対に致しません」とも話した。何度も却下されていた保釈は初公判後の21日に認められ、同日、Tシャツ姿でシャバに出た。 このまま殊勝さを保つのか、反転攻勢の暴露を再開するのか。ガーシー劇場はいましばらく続く。(「週刊文春」編集部/週刊文春 2023年10月5日号)
昨年、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイにいながらユーチューブなどで自分が見聞きした芸能界の裏事情を次々に実名で暴露するスタイルで一躍、ネット界のアンチヒーローに祭り上げられたガーシー。その過程で問われたのが、綾野の裏話をぶちまけるとしたうえに、その後に綾野がガーシーを告訴したことに対して、「裁判出てくるってことがどんだけタレントとして致命的か、よう考えて出てこいよお前」とさらに脅した罪だ。
「法廷では綾野の供述調書も読み上げられました。綾野の女癖の悪さなどガーシーが『暴露』した内容を事実無根だとし、『精神的に壊れそうになり俳優業を続けられなくなると感じた』とも吐露。他の3人の被害者とともに厳しい判決を求めました」(前出・記者)
ガーシーの身辺が怪しくなってきたのは、絶大な人気を背に昨年の参院選で当時のNHK党から出馬して初当選したころからだ。警視庁からの任意聴取の要請に応じず、帰国しないまま参院を除名。UAE当局から送還され、今年6月に逮捕された。
司法関係者は「任意の聴取に応じ、示談交渉なども進めていれば、逮捕を免れた可能性は十分ある。UAEにいれば安泰とタカをくくったのかもしれないが、自ら招いた事態といわざるをえない」と指摘する。
ガーシー(本人インスタより)
動画では威勢がよかったものの、捜査関係者は「UAE滞在中に母親の家が捜索されたことに動揺したコメントを出すなど、打たれ弱い側面もある。実刑となればさらにショックは大きい。謝罪に転じたのはガーシーの本来の人間性からはむしろ自然だ」とみる。
ガーシーは初公判で「母を裏切り、悲しませることは絶対に致しません」とも話した。何度も却下されていた保釈は初公判後の21日に認められ、同日、Tシャツ姿でシャバに出た。
このまま殊勝さを保つのか、反転攻勢の暴露を再開するのか。ガーシー劇場はいましばらく続く。
(「週刊文春」編集部/週刊文春 2023年10月5日号)