本州唯一「サルなし県」で異変 茨城で100件以上も目撃 「はなれザル」川を渡る?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

本州で唯一、野生のニホンザルが生息していないとされる茨城県で、サルの目撃が相次いでいます。今年4月以降、100件以上の目撃情報が寄せられ、県が注意を呼び掛ける事態となっています。
■茨城在住の男性「一度も見たことなかった」
大阪市の住宅街に現れたサル。塀の上を歩いたり、屋根の上で座ったりしています。
都内の住宅街でもサルが木に登り、果実を食べる姿がありました。
全国各地に出没しているニホンザルですが、沖縄県、長崎県、茨城県、北海道では生息していないとされています。
本州で唯一の「サルなし県」と言われる茨城県は、西は鬼怒川、南は利根川、東は海に囲まれた地形も影響していると考えられています。
石巻専修大学 辻大和准教授:「サルは群れで生きている動物で、群れは決まったエリアでかたまっている。茨城に行こうとすると、大きな川を渡らなければならない。群れ全員が、大きな川を渡るのはリスクが高い」
しかし、その茨城県でここ数年、サルの目撃情報が相次いでいます。
茨城県に住む男性:「22年間くらい茨城にいますけど、一度も見たことなかったです。3メートルくらいまで近づいた。こっちにジャンプしようとしたので、逃げた」
昨年度、茨城県内のサルの目撃件数は過去最多の153件。今年4月以降では、すでに107件のサルが目撃されています。
■「はなれザル」川を渡る? 専門家指摘も
サルはどのようにして、茨城県に入っていったのでしょうか?
辻准教授:「おそらく、群れではなくて、群れから出た単独の行動をしているオス。単独のオスが、例えば川を横切っている橋とかあれば、そこを歩いて渡る可能性はあります」
また、川を泳いで渡る可能性もゼロではないということです。
オスのサルは、成熟期の5歳から6歳になると生まれ育った群れを離れる性質がありますが、新しい群れを見つけられずに単独で移動を続けることも多いといいます。
こうした「はなれザル」が、隣の栃木県などから茨城県に迷い込んだと考えられています。
普段出没しないエリアでサルに遭遇した場合には、特に注意が必要だと専門家は指摘します。
辻准教授:「なるべく目は見ないほうがいいと思います。目をジーッと見つめてしまうと、サルは脅してるととるので。下手したら、跳びかかってきて危険です」
茨城県は野生のサルを目撃した場合、決して近づかず警察に連絡するよう、注意を呼び掛けています。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。